第3章 ライバルはただものではない

第20話 第3部プロローグ

「好きです!付き合ってください!」


 花吹雪の中。

 大きな桜の下。

 告白の場面である。


 頭を下げ、女性に告白しているのは澤木英一。

 真剣な表情。


 告白している英一を見つめる山本かおり。



 だが



 英一が告白している相手は、かおりではなかった。


 サラサラのストレート。ロングヘアが美しい女性。

 顔は、よく見えない。

 だが、かおりよりは年上のようだ。


 英一に対する、その女性の返事は・・・







 がばっ!!




 かおりは自室で目を覚ました。

 汗だくである。

 嫌な汗。


 とても嫌な夢だった。

 まさか、英一の告白の夢を・・・しかも、誰かわからない女性に告白している夢を見るだなんて。


 あの女性は、いったい誰なんだろう?


 時計を見る。

 夜中の1時30分。


 今日は、英一は宴会とかでかおりの家には泊まっていない。


 かおりは不安になった。

 でも・・・こんな時間に電話するわけにもいかない。


 もんもんと眠れないまま、朝までベッドの中でゴロゴロと悶え続けたのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る