第6話 JKの部屋でお泊り

「ここって・・・」

「ここが私のうちよ」

 和風の家に隣に大きな建物。どうやら看板を見ると道場らしい。

「柔道の道場だったのか・・」

「そ・・・ゲンさんも門下生なの」

 あの警官・・・それで・・・知り合いだったのか。


 玄関を入ると、老婆が正座して座っていた。

「かおりさん、今何時だと思ってるんですか・・・あら・・・」

「お婆ちゃん!起きてたの?ごめんなさーい」

「こちら・・お客様?」

「そうそう、英一さん。練習に付き合ってもらってたの。泊まってもらってもいい?」

「あらあらあらあら・・・」

 大丈夫だろうか・・

「あの・・廊下の隅でもいいので場所をかしていただければ・・」

「そういうわけにな行きませんわ・・・おほほほほ・・・。かおりさんがついに男性を連れてくるなんて・・」

「ええと、誤解してません?」

 その問いに答えず、おほほと笑うばかりであった。


 そのあと、泥だらけだったのでお風呂に入れられて。

 Tシャツと短パンを借りて・・・今は布団の上。


 ただし・・


「いや、これはおかしいだろ!」

「え~何がおかしいの?私の部屋ってどこかおかしい?」

「だから、なんで一緒の部屋に泊まるんだよ!」

 なぜか、JKの部屋に布団が敷かれていた。

 ベッドの上で首をかしげるJK。

「え~?何かおかしいかな?」

「道場があるなら、そこに布団を敷いて寝かせてくれればいいじゃないか」

「神聖な道場で寝るなんてありえないです!!」

 マジかよ。

「一緒に寝るなんて合宿みたいでいいじゃないですか」

「合宿とかあるんだ」

「そうそう、道場でみんなで布団を敷いて泊まったり」

「おい!道場で寝泊まりするんかい!」

「合宿だとそうだよ?」

「じゃあ、俺も道場へ寝かせてくれ!!」

「神聖な道場で寝るなんてありえません!!」

「話が通じない!?」


 もう、深夜の三時。さすがに睡魔に襲われてきた。

 かなり運動した疲れもあって眠くなり、判断力が鈍っている。


「もういいや・・眠いので寝る・・」

 布団に入り、目を閉じる。

「おやすみなさーい」




----


 朝。

 布団の中。


 の俺の胸の上で、女子高生がすやすやと眠っている。


「おい」

 声をかける。起きる気配がない。

 ほっぺたを横にひっぱる。

「いい加減!起きろ!」

 むにゃ・・と寝ぼけ眼で目を開ける。

「・・・おはよう・・・」

 にへら・・と笑う。

 まだ、半分寝ているようだ。

「・・・なんで英ちゃん、裸なの・・・?」

 俺の胸にほおずりしながら聞いてくる。


「夜にな・・・・」

「・・うん・・・」

「布団に入ってきて・・締め技をかけたやつがいてな・・・」

「・・・へえ・・・」

 夜中・・寝ぼけた女子高生は布団に入ってきて締め技をかけてきた。

 本当に死にかけた。

 必死にTシャツを破って、死地を脱した。

 枕元には、破けてかつてTシャツだった布切れがある。


 話を聞いていないのか、すりすりと・・ほおずりするJK。

「・・・えへへ・・・大胸筋だ・・・・・」

 こいつ・・

「お・き・ろ!!」

 耳元で叫ぶ。

「・・・ええ・・・もっと堪能したいのに・・」

 胸の上で不満を主張する。

 すると、何かに気づいたように布団の中に潜り込んだ。


 そして・・英一の太ももをさわさわと触ってくる。


「ええい!やめい!」

 布団をはいで、引きはがそうとする。


 女子高生は驚いた顔で太ももを抱きしめたまま聞いてくる。

「英ちゃん!」

「なんだ」

「すね毛が全くなくて、すべすべです!」

 英一の太ももをなでながら、真剣な目で聞いてくる。

「・・・剃ってるからな・・」

 女子高生を引きはがしながら言う。

「え・・・剃ってるんですか?」

「ラグビー選手は大体剃ってるんだ」

「へえ・・・もっと触ってもいいですか?」

「ダメだっ!!」

「え~~ケチ!!」


 上半身裸で短パンだけの英一。

 女子高生の部屋でこの格好。


 さて・・どう言い訳しよう?

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