第11話決して、後づけではありません。

たこ焼きを食べながら、吉野さんの説明が始まった。

「前にも言ったけど、ここは、死後の世界で、天国の前にあるです。」

「天国が満員なんですよね?」

「はい。そうです。天国に入りきらなかった死者が、現世に行かないように、この空間でとどめているんです。」

「じゃぁ、僕たちは何時、天国に行けるのですか?」

「天国に行ける優先順位があるんですけど、まずは、6歳未満、それと、65歳以上です。気づきましたか?この世界には、小さな子供とお年寄りがいないでしょ?」

「そういえばいないですね。何か理由があるのですか?」

「逆に言えば、ここにいるのは、学生~社会人なんだよね。そしてこれらの人達には、役割があって、学生なら、勉学、社会人なら、就労。これが、この世界にいる為の義務なんです。これらの事が継続不可能とされた時に、天国、もしくは地獄に行くことになります。」

「地獄……それって誰が判断するのですか?

「判断するのは、管理者です。例えば、そこにいる先輩ですね。」

「管理者?」ここに来て、新しい物が出てきたぞ。

「管理者は、その名の通り、この世界の管理者です。私達と違い待機霊ではありません。」

「管理者ってどのくらいいるんですか?」

「この世界では2人です。」

「この世界、という事は、別の世界もあるのですか?」

「はい。ありますが、私は、行ったことはないです。 世界を行き来出きるのは、管理者だけになります。」

「そんなすごい方が、普通にフードコートでご飯食べているんですね…」

「先輩はいつもこんな感じなんです。」

「他に何か質問とかありますか?」

俺はそう言われて、いくつかの質問をした。

隣のテーブルから

「さて、飯も食い終ったし、次行きますか。」と五條が言うと、

天塚さんが「さんせー」

奈良さんは、うなずいただけだった。

「オメーら、次どこ行くんだ?」

なんで、この人はいつも、喧嘩腰なんだ……

俺が、「調理器具を見に行こうかと…」

「へ~生駒君は、料理するんだ。えらいね。」

「調理器具だ?あんな物必要か?」

「はい……」調理器具を、あんな物呼ばわりするとは…

そう言ってのフードコートを出ようとした、俺たちに、吉野さんが笑顔で手を振ってくれた。この二人、性格が真逆だな。

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ここは天国ですか?いいえ。ここは天国待合所です。 @-kuroinu-

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