第10話 うどん屋の天丼って気になるよね。

フードコートに到着すると、週末という事もあって、結構な人で賑わっていた。四人席が空いていたので、そこを陣取ると。

三人が、自然とファーストフードの店に、並び始めた。俺はうどん屋に並んだ。

悪いが、ファーストフードは好きじゃないんだ。

「あれ?遷都は?」

「さっきまで、そこにいたのに…」

「どこ行ったんだ?」

「おっ。釜玉うどんあるじゃん。」

「すいません。釜玉大盛で 」

俺が、うどんを持って席に座ると。

三人が戻ってきた 。

「どこ行ってたんだよ!遷都。」

「てか、うどん!?」

「キャハハ。生駒君ウケる。」

「……」

「あんまりそういう食べ物は、好きじゃなくてね。」

そう言うと、俺はセルフサービスの水を取りに行った。

水を持って、席に向かおうとすると。ドンと人にぶつかった。

「キャッ 。」

「すいません。大丈夫ですか?」

相手の顔を見ると、ピンクのポニーテールの見覚えのある女性がいた。

「大丈夫です。」

「あっ。生駒さんですよね。」

「はい。確か、死役所の吉野さんですよね?」

ニコッとした笑顔で、

「覚えてくれてたんですね。嬉しいです。」

「こっちの生活にはなれましたか?」

「はい。おかげさまで。」

「今日は、お買い物ですか?」

「はい。あそこにいる三人と買い物です。吉野さんは?」

「私も、あそこにいる先輩と買い物です。」

見覚えのある、金髪ウルフカットの女性が、俺の席に座っているのが見えた。

席に戻ると、四人が楽しそうに会話をしていた。

「あの~そこ、自分の席なんですが…」

「あ~?横空いてんだろ?」

怖っ。そう言われて、俺は、吉野さんと一緒に座った。

奈良さんが、こっちを、一瞬見た気がした。

「先輩さんは。三人と仲いいんですね?」

「そうですね。確か三人とも、先輩が担当してますからね。」

「おう。桜、おめぇこいつに、まだこっちの世界の事、ちゃんと教えてないだろ!折角の機会だから、ちゃんと教えておけよ。」

「はい。わかりました。」

「じゃぁ、ご飯冷めちゃうから、食べながら説明するね。」

そう言って、たこ焼きを、熱そうに「ハフハフ」しながら食べた始めた。

俺も、うどんを食べる事にしよう。



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