第8話 調理器具!?

二人はバスを降りて、駅前の待ち合わせ場所に着いた。

「よかった。まだ二人とも着ていないみたいだね。ギリギリになったから、待たせちゃってるかと思った。」

だが、10:00を回っても二人は来なかった。

集合場所間違えた?

テレレンテッテテ!ピコン!二人のスマホの通知音が鳴る。グループチャットにメッセージが届いたみたいだ 。

奈良さん通知音が………

「ちょい遅れる。m(_ _)m」五條 10:03

「ごめんねー」天塚 10:3

15分ぐらいして、一台のバスが止まった。

そこから、二人が降りてきた。

天塚さんが、元気よく手を降っているのが、よく見える。

「二人ともゴメン。こいつの事を起こしに行ってたら、遅れてしまった。」

「ニャヒヒヒ。寝坊してしまったんだぜ。」

「なんで上から目線なんだよ。」

と天塚さんは頭を、小突かれてしなった。

「まぁ。ちょっと遅れはしたが、皆揃ったし事だし、行きますか?」

と天塚さんが、張り切って先導をきる。

ショッピングセンターに行くために、俺たちは、再びバスに乗る。

1番後ろの四人席が、空いているのを見ると天塚さんが窓側に座り、

「奈良さん、こっちこっち」

と真ん中のシートを、ポンポン叩いている。

残された男達も、窓側に五條君、真ん中に俺が座った。

バスが出発すると、示し会わせたのように、俺と奈良さんを挟んで。

「前から思ってたんだけどさぁ。あたし達、友達じゃん、今日から、敬語とか他人行儀な言い方は、無しね。」

「そうだな、俺も前からそう思ってたんだよな。」

「あたしの事は、天理でいいからね。柚子花ちゃん。」

「俺の事も、悟でいいぜ。遷都。」

と二人は言う。

ちょっと、もじもじした感じで。

「じゃぁ、天理ちゃんと呼ぶね。」

「うん、改めてよろしくね。柚子花ちゃん。

」ニコッと笑顔で返事をする。

「ところで生駒君、今日は何を買う予定なの?」

流石に異性から、下の名前で呼ばれる事は無かった。

「服と食器に調理器具かな?」

3人が不思議そうにこっちを見た。

調理器具、何故初っぱなの買い物で?五條

えっ何、料理出来る系、あたし女子力負けてる?天理

料理できるんだ。すごいな、生駒君は、

柚子花

「皆は料理しないの」生駒

三人が口を揃えて、

「しない!!」

「家は両親が、共働きで。俺も身体弱かったからさぁ。外に出掛ける事が少なくて、家の中でずっと過ごしていたから。気が付いたら、家族のご飯を作るようになってたんだよ。」

「よっしゃ。今度、ご馳走してくれよな。」

「うんいいよ。今日、買い物に、付き合ってくれたお礼に、今度ご飯をご馳走するよ。」

「うわっ。超楽しみ。期待して待ってようね。柚子花ちゃん。」

「うん。楽しみにしてるね。」

そんな会話をしていると、あっという間に、ショッピングセンターに到着した。



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