第6話 グループチャットの退席するタイミングって、大事だよね。

奈良柚子花

……

「また明日ね。」

玄関の前で、遷都君に別れを告げて、家に入る。

天塚さんの勢いで思わず、うなずいちゃったけど、クラスの人と休日に出掛けるなんて、どうしよう?

誰かと出掛けるのなんて、何年ぶりだろう?

怖いという気持ちをあるけど、今は楽しみという感情が勝っている。クローゼットにかけより、明日着ていく服を吟味する。といっても、夏のこの時期は、ほとんどがワンピース。ノースリーブは、ちょっと恥ずかしいかな ?やっぱりこれかな?服を選びが決まらないまま、もう夕方だ。ご飯用意しなくちゃ。

お風呂から出てくると、五條君からのグループチャットが届いていた。

「明日は、10:00に駅前集合!遅れるなよ。」五條 20:30

「了解です。」生駒 20:31

「わかりました。」奈良 20:31

「そりゃ、あたしに言ってるのか?」天塚 20:40

「別にお前にとは言ってないだろ。」五條 20:41

「あんたこそ、遅刻すんなよ。」天塚 20:42

「こないだだって、遅れてきたじゃねーか」

五條 20:45

「こないだって、いつの話しよ。あんたと出掛けたの何て、何ヵ月も前の話しでしょ。」

天塚 20:46

「あっそっか。クラス1の美少女と言われる、あたしと出掛けたなんて、あんたにとって、何時まででも新しい記憶なんでしょうね。あ~何て罪なあ・た・し」天塚20:50

「自分で、クラス1とか言う?普通?」五條 20:55

どうやらまだまだ、痴話喧嘩は続きそうだ。

明日の為に、少し早めに寝る事にしよう。

「先に寝ます。おやすみなさい。」奈良 22:00

「おやすみなさい。」生駒 22:01

「おやすみね、奈良さん」天塚 22:01

「んじゃあしたな」五條 22:01


テレレンテッテテ。LVが上がる音がして目が覚める。あ~寝坊した!スマホを覗くと、時刻は、9:00

「今日、駅前まで一緒に行きませんか?」

生駒 9:00

寝起きの頭で、10:00集合だから、逆算すると……9:20には家をでないと。

「うん、わかった。9:20に玄関の前で。」奈良 9:03

朝食を食べている、時間なんて無い。

急いで顔を洗い、寝癖を直して、着替えをする。よし間に合った。時刻は、9:18

玄関の扉を開ける。

ちょうど、隣の家から遷都君も出てきた。

……なんか見られてる?変な格好だったかな?急いで出てきたし、何かおかしかったかな?すると少ししてから、遷都君の口が開いて、

「おはよう。」

私も続けて、

「おはよう 。」

さっきの間はなんだったんだろう?

「それじゃ、行こっか。」

と遷都君を誘って、エレベーターへ向かう。




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