第5話 昼休みの他愛もない会話。

 生駒遷都

 昼休み 数少ないクラスメイトの五條君と、購買でパンを買って教室に戻る。

「でっ、二人仲良く。エレベーターに閉じ込められた感想は?」

「あっ!それあたしも聞きたい。」と天塚さんが、五條の席を押し退けて座る。追いやられら五條は、窓に腰をかけて座る。

「てめぇ、椅子ぐらい持ってこいよ。」

「いいじゃん!ケチ臭いなぁ。」

「でっ。若い二人がエレベーターで閉じ込められるって、どんな感じなの?」

 今日の出来事に興味津々の二人。

「どうって、別に、奈良さんが色々対応してくれたし、どうって事は何もなかったけど。」

 そこに、パンを持った、奈良さんが帰って来て来た。奈良さんを見るなり、天塚さんが今度は、奈良さんに質問する。

「何もなかったと!この男は言ってますが、本当!?急に迫られたりしなかった?」

「……別に何もなかったよ。」といい下を向いて、パンを食べ始める奈良さん。


 奈良柚子花

 天塚さんの一言で、私はエレベーターの中で、彼にもたれかかった事を、思い出してしまった。

「あたしだったら、キャッ!!怖いって抱き付くけどなぁ」

「おめえに抱きつかれたら、あばら骨が折れるわ。」

「うっ!」

天塚さんの、強力な肘打ちが五條のみぞおちに入る。

「くすっ。」

私は二人のやり取りに、笑ってしまった。

「奈良さんの笑顔、超可愛いんですけど…もっと見せて。」

恥ずかしくなって、下を向いている私の顔を、覗きこもうとする。

「セクハラ親父になってるぞ。」

「何を!」

またもや、強力な肘打ちが飛び出すが、今後は華麗にかわしてみせた 。

「そう何度も、食らうかよ。」

「うぅぅ!覚えてろよ」

そこには上を向いて、下を見下す五條と悔しそうに、上目遣いで見上げる天塚さんがいた。

横を見ると、遷都君が優しい顔で笑っていた。

私はその優しい笑顔に、生前の記憶と重ねてしまった。


生駒遷都

HRが終わって荷物をまとめていると、後ろから、週末の予定を聞かれた。

「特に無いけど、まだ色々な物が揃っていないから、買い出しに行こうかと思ってるけど。」

「んじゃ、決まりだな。明日の土曜日は、遷都の買い物Dayという事で。」

「えっ何々。買い物に出掛けるの?あたしも行く~」さらに後ろから声が聞こえた。

「奈良さんも行く?みんなで行こうよ。」

奈良さんの反応をドキドキみていると。

奈良さんが、コクンと顔が上下した。

「んじゃ。あたしは、今からクラブだから、また明日ね~」そう言うと、軽快なステップで教室を後にした。

「あいつまだ何も決めていないのに…まぁいいや、細かい話しは、また連絡するから、連絡先を教えて。」

スマホを出して俺たちは、連絡先を交換した。

俺たちは三人で教室を後にした。

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