第3話 本編スタートです。

生駒遷都

真新しい制服を着た、遷都が部屋のカーテンを開けて一言。

「何時に迎えがくるんだ?」

時計の針は7:30を指している。

もしかして、朝食買いに行けたのでは……

昨日コンビニに、晩御飯を買いに行った時に女子高生に睨まれたせいで、朝食を買い忘れたのだ、7:30になっても来ないと言うこと、もしかして、8:00位に出発?急げば間に合う?よし、善は急げ。そう思い玄関のドアを開けると、昨日の黒髪ロングの女子高生が立っていた。

「うわっとっ、」

俺はびっくりした。当然だ、家のドアを開けたら、無言で人が立っていたのだから、

女子高生は、スーと流れるように目線を流し、エレベーターの方に歩きだす。

えっ 出発ですか?て言うかいつから居たのですか?こういうのって自己紹介からの流れなのでは?色々思ったかが、置いていかれそうになったので、急いで、玄関に置いてあったカバンを取り、彼女の後を追いかける。


奈良 柚子花

あ~やってしまった。何でこんな無愛想な対応しかできないの?だから万年友達0人なのよ。と心の中でつぶやく。

でも……遷都君、私の事覚えていないのかな?頑張れ私、エレベーターにのったら優しく対応するのよ。ここでまた、塩対応したら……失敗は許されないわよ、柚子香!と自分に言い聞かせ、いざ戦場エレベーターに乗り込む。


生駒遷都

とりあえず、追い付いた。エレベーター迄、先に乗られて行かれたら、どうしようかと思ったよ。て言うか、気まずいなぁ。なんか向こうは、頼まれたから仕方なしに誘いに着た感じがするし。名前もわからないし。こういうのって、自分から自己紹介したらいいのか?そうこう考えて、よし、ここが天下分け目の大勝負。気合いを入れて戦場エレベーターに乗り込む。


エレベーターの中は沈黙だった。

二人は、お互いの出方を伺いあっていた。

そして、お互いが牽制しつつ、無情にもエレベーターは、一階に到着した。その後も一切の会話もなく学校に到着した。


奈良 柚子花

学校に着くと、遷都君を職員室に案内した。その後、自分の教室に向かう私、教室のドアを開けるといつも通り、自分の席に着いた。

既に教室では、転校生が来る噂で持ちきりだった。話しの中心源を見ると、男女問わず人気物の男、五條 悟が転校生が来るという話しをしていた。

クラスの女子達が、

「ねぇ、カッコいい?」

「何系」とか他愛もない会話をしている。

私は、それらの話しを聞こえていないふりをして、授業の準備をする。


HRの予鈴がなる前に、先生と遷都がやって来た。

「ちょっと早いけど、今日は転校生が来るからホームルームを始めるぞ。」

「んじゃ自己紹介よろしく♪」

と先生はいい放つと俺に教卓の前を譲った。


生駒遷都

「生駒 遷都です。よろしくお願いします。」当たり障りの無い、つまらない自己紹介だと思いつつも、いきなりボケる勇気など俺にはない。

先生が「んじゃ、不自然に空いているそこの席に座りなさい」と指示をする。校庭の見える窓側の席、横には、黒髪ロングの隣人、後ろには、昨日のチャラ男が居た。

「まだ学校にもなれていないだろうから、クラスのお節介やきの五條と、同じマンションで、隣人の奈良の近くにしてやったぞ」と自慢気に話す。先生がまだ何か話していたが、クラスの女子達が、え~お家も隣通しだって、とかキャアキャア騒いでいた。

これ以上話しても無駄だと思ったのか、先生は、教室から出ていった。

1現目の授業が始まった。授業は全て、専用のタブレットPCで行われる。先生も黒板ではなく、巨大なディスプレイで授業を進めていく。あんだけ騒いでいた生徒達も、授業が始まるとものすごく静かになった。


昼休み

せ~ん~と君、後ろから声をかけられた、

「飯一緒に食おうぜ」

俺の返事も聞かずに、俺を購買部の方へ連れ出した。

「五條君もこの学校だったんだ。」というと

「おう、まぁ俺は昨日の時点で気づいていたけどな。」

教室でさっき買ったパンを食べていると、横から、茶髪で、鋼錬のホークアイ中尉のような髪型をした、陽キャラの女が現れた。

「あたしは、天塚 天理よろしくね。生駒君」といい放つと、五條の席の隣に椅子を置いてお弁当箱を開けた。

彼女が「生駒君は何で死んだの?」

「バカ、お前にはデリカシーが無いのか」

五條がちょいキレ気味にツッコム。

「ん~、覚えてないんだだよね、目が覚めたら死役所で、もともと、心臓の病気はあったんだけど」沈黙が場を包んだ。

「あはは、ご飯食べるときの話し始めじゃなかったね。ごめんごめん」と笑いなが言うと「クラブは?どうするの?」

「クラブ?」と聞き返す。

「あたしゃ、陸上部なんだー。走るのも得意だけど、メインの種目は棒高跳び」

棒高飛び込み?天塚?なんか聞いた事あるような……


奈良 柚子花

………何で……

何で?どうしてこうなった?

本来、今日あそこの席に座っているのは私の予定なのに……あんな、クラスの二大陽キャラ二人がいたんじゃ、私なんか入っていけないじゃない。次の休み時間も、なにやら別の男子や女子と話している。そりゃ、クラスの二大陽キャラ二人と、ご飯食べていたら、他の生徒もよってくるよね。は~。自分の意気地のなさに泣けてくる。でもまだチャンスはある。放課後、帰る方向は一緒だ、なんならフロアだって同じだし……まぁ。同じマンションだから当然なんだけど…終わりのHRが終わると、遷都と目があった。チャンス到来!!一緒に帰る?優しくそういえばいいだけ、そういえばいいだけなのに……また目線をスーとそらしてしまった。あ~~遷都君が五條君に連れ去られてしまった。


生駒遷都

結局、最後まで奈良さんと話が出来なかったな。HRの後、直ぐに目線があったのに、また、そらされてしまったし。嫌われてんのかな?何かきっかけがあればいいんだけど……

「なぁ、五條君?奈良さんってどんな人?」

五條がニヤついた顔で

「何?奈良さんの事気になるの?確かに、あの子はクラスでも1、2を争う美女だけど、俺でも手が出せない、クールビューティーだぜ。クラスの女子も恐れ多くて話しかけれないほどにな。」それを聞くと俺も納得してしまった。そんな女子と、一回でも一緒に登校しただけでも、自慢話しだということか。

コンビニで夕食を調達して、自分の部屋に戻る時に、702号室の前を通ると、青いタヌキ型ロボットのストラップが落ちていた。う~ん!?と少し考えて、702のインターホンを押した、中から、いかにも清楚系の格好で、髪の毛を後ろで結んでメガネをかけた、奈良さんが出てきた。

うっ…かわいい……心の中でそう思うと。

目線をそらした彼女が、沈黙の表情をしている。

「あの、これ玄関の前に落ちてたんだけど違う?」

「ありがと」ぼそっと小さく言った。

「俺もこのストラップ持ってたんだ、同じ病気だった女の子と、一緒に頑張ろうて意味でさ」 目の前の奈良さんは、興味なさそうに、ふーんという感じで扉を閉めた。

流石は、クラシック1のクールビューティーだな。でも何でだろ?髪を後ろで結んで、メガネ姿の彼女をみたら、自然と言葉が出た…

可愛かったなと改めて思うと、家に入った。

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