第15話 襲撃

 

 その日の午後。

 眠い目を擦りながら授業を受ける実辰。


 昨日から一睡もしていないので、さすがに眠気が来た。

 うつらうつらとしながらも、時々ハッとなり授業の板書を書き写す。それの繰り返しだ。


 先生が板書を止め、説明を始める。

 その単調な声が心地よく、実辰はだんだんと瞼が下がっていくのを感じた。


 こういうのを『平和』というのではないだろうか。


 面白味はない。

 だが、嫌いではない。

 実辰はそんなことを考える。


 だが、現実はそんなに甘くないのだ。

 『平和』はすぐに一転してしまう。


 現実は待ってくれない。

 猶予を与えてくれはしないのだ。



 

 板書の説明をする先生の声が、不意に消える。

 それに違和感を感じ、顔を上げる実辰。


 そして目に入る、一面白黒の世界。

 息を呑み立ち上がる実辰。


 確かにアレンは言った。

 襲撃はいつになるかわからない、と。


 だが、まだ、一日も経っていない。

 いくらなんでも、早すぎる。


 実辰は周囲を確認する。

 実辰の他には日和、心、茉菜の三人の姿しかない。

 ほかの三人も異変に気付き、席から立ち上がる。


 そして、頷き合うと素早く移動し、教室の中央に背中合わせになるように立つ。


「イチヤ、奴らの場所、わかるか?」

『ああ、見つけた。学校の南側の車道だ』

「数は?」

『ドールが四体いる。あともう一体、何かいる。──恐らく、人じゃない』

「それだけか?」

『いや、あと……人間が、二人』


 手際よく状況を確認する心とイチヤ。

 最後にイチヤが口ごもる。


「どうした? イチヤ」

『いや、二人の人間──気配がおかしい』

「おかしいっていうのは?」

 日和が口を挟む。


『普通過ぎる。街中で横を通り過ぎられても、きっと分からない』

「でも、ここにいるくらいだぜ。〈黒の使徒〉の人間だろ?」

『恐らくね。でも、それが逆に変だ。──かなり、強いな』


 イチヤはそう分析する。

 そこで茉菜が疑問を口にする。


「それはそうと、どうして何もしてこないんでしょうか?」


 確かにおかしい。

 場所がわからないのだろうか。

 だが、それにしては探している気配などもない。

 いったい、何を──


 その瞬間、実辰の視界がガクンと『傾いた』。


『っ! 跳ぶんだ! 早く!』


 イチヤの焦ったような声。

 その声に反応し、四人は一斉に真上に跳躍した。

 天井近くまで跳ぶ実辰たち。


 刹那、轟音とともに激しい衝撃が校舎を襲う。

 机や椅子がぶつかり合い、耳障りな音を鳴らす。

 甲高い音を立て、ガラスというガラスが弾け飛び、雨のように降り注ぐ。


 衝撃に襲われたのはたったの一瞬のことだった。

 実辰たちは難なく床に着地する。

 

 その時、ミシリと床が嫌な音を立てた。

 崩れ落ちはしないものの、限界は近いだろう。

 

 周囲は大惨事だった。

 たった一瞬でこれが引き起こされたのだ。


「とりあえず、外に出るぞ」

「で、でも、どこから?」

「こっちだ」


 日和の問いに北側の廊下を指し示すことで答える心。

 教室の北側には廊下があり、更に向こうには校庭がある。


 心は散乱する机や椅子を避け、廊下に出る。

 それに続く実辰たち。


 実辰たちが廊下に出ると、すでに心は校庭に面する窓に足を掛けていた。


「跳ぶぞ。できるだけ遠くに行くんだ」

「え、跳ぶって、……まさかここから?」

 日和の言葉に頷く心。


「早くしろ。相手も待ってはくれない」

 有無を言わせぬ心の声に大人しく従う日和。

 実辰と茉菜もそれに続く。


「全員、準備はいいか?」

「ちょ、ちょっと待って! まだ心の準備が──」

 慌てる日和。


『マズい、来る!』

「跳べ!!」


 イチヤの警告の後、間髪入れず心が叫ぶ。

 その声に、反射的に窓を蹴っていた。


 同時に宙を舞う四人。

 背後から物凄い轟音が響く。

 かなりの勢いで四人は校庭に向けて飛んでいく。


 そして着地。


 凄まじい衝撃が実辰の体に走る。

 それになんとか耐える実辰。

 周りを見回すと他の三人も顔を顰めてはいるが、着地には成功したようだった。


 その時、地鳴りのような音が実辰たちの耳に届く。

 全員、その音の出処である校舎に目を向ける。


 激しい音を立てて揺れる校舎には、すでに無数の亀裂が走っている。


 遂に一階の壁が崩れ落ちた。

 そして、次々に瓦解していく校舎。


 それは、わずか数秒の出来事であった。


 跡形もなく崩れ去る学校。

 砂埃が舞い、空気を淀ませる。


「おい」

 立ち込める土煙の向こうを見据え、心が切迫した声で言う。

 濁った空気の向こうに影が浮かび上がる。


 その数は五体。

 四体は通常の人間と同等の大きさだ。

 だが、一体だけ明らかに巨大なのだ。人間の倍以上の大きさはある。


 その全貌がわかると、実辰は顔をしかめる。


 その巨大な影は人ではなかった。

 人間のような形をしているが、その毛深い体が人間のものではないのは明白だ。


 更に、獣のような顔面や手足を持っている。

 それは『獣人』と呼ぶのが正しいだろう。


 獣人は周囲に立つドールによって四本の鎖に繋がれている。

 二足歩行なのか四足歩行なのか判断のつかない前傾姿勢で実辰たちへと歩みを進める獣人。


 これほど離れていても、獣臭さが鼻を衝く。

 更に、低い唸り声が実辰たちの耳に届いた。


 しかし、そこで実辰は新たなことに気付く。

 先ほどイチヤが告げた敵の数は、合計七人だったはず。


 ──二人足りない。


 そこで、実辰は弾かれた様に後ろを振り向き──


「おやおや、見つかってしまったようだ」

 背後に立つ、二つの人影を捉えた。


「ちっ!」

 舌打ちをし、背後の敵に向き合う心。

 日和と茉菜もそれに続く。


 実辰たちの背後に、いつの間にか立っていた二人。

 二人は、全身を覆うような黒い服をまとっていた。

 更に、黒い仮面までしているため性別さえ分からない。

 二人は何も持っておらず、手ぶらの状態だ。


「まだ初対面なのに、その態度は感心できませんね」

 心の舌打ちを聞き、一人がやれやれと肩をすくめた。


 マズい、と実辰は内心焦る。

 今の状況で実辰たちに勝ち目はない。


 後ずさりしようとした実辰だが、そこで退路が塞がれてることに気付く。

 獣人を従えたドールたちが、いつの間にか実辰たちのすぐ後ろまで迫っていたのだ。


「でもまあ、ここで手を下してしまっては面白くありませんし……」

「おい」


 ここで、ずっと黙っていたもう一人が声を上げた。


「命令を聞いていなかったのか。五体満足で、だ」

「ええ、もちろん聞いていましたよ。傷が付かなければいいんですよね?」

 最初の一人はそう言う。

 次の瞬間、その姿が消える。

 実辰たちは一斉に身構えた。


 ガキンッという音が背後から実辰たちの耳に届く。

 そう、それはまるで、金属同士がぶつかるような音。

 ハッとし、振り返る実辰たち。

 その目に映るのは、細い剣を鎖に突き立てる黒服の姿だった。


 次の瞬間、太い腕が伸び、断ち切られた鎖を持っていたドールを叩き潰した。


 逃げる間もなく、一瞬で動かぬ人形となるドール。

 しかし、獣人はたった今自らが破壊したドールには目を向けてさえいない。


 その目は、『餌』にのみ向けられていた。

 その凶暴な視線に射すくめられ、実辰たちは後退りする。


「どうしたんですか? 早く倒さないと死んでしまいますよ?」

 それを傍観する黒服。


 実辰たちに手を出す気配はない。

 背後のもう一人の方も動かない。


 ガシャンッという音がする。

 獣人が足を動かそうとして、鎖に阻まれた音だ。

 鎖は一本切れたが、未だに三本の鎖が獣人の自由を制限している。


 獣人は煩わしそうに吠えると鎖を引く。

 三体のドールはそれに耐えきれず、引き摺られ吹き飛ぶと動かなくなった。


 自由の身になった獣人は実辰たちに目を向ける。


 それだけで身が竦み、体が動かなくなる。

 一歩、獣人が踏み出した。


 動け。

 また、一歩獣人が近付く。


 動くんだ。

 もう、一歩。


 明確に迫る死。

 その恐怖は、実辰たちの体の自由をいとも容易く奪っていった。


 獣人は歩みを止めた。

 そして、深く身を沈める。


 あれは──

 あれは、獲物に飛び掛かる直前の狩人の姿勢だ。


 獣人は跳躍する。

 その牙と爪が実辰たちに迫り、そして。



 血飛沫が舞った。


 ──しかし、それは、実辰たちのものではない。


 空中で首と体を切り離された獣人のものだ。


 ドサリ、と音を立て、血を撒き散らしながら地に落ちる獣人。


 そして、たった今獣人を殺したその人影は、実辰たち前に音もなく着地する。


 それは、青年だった。

 少し長めの茶髪に、深い紅色の瞳。

 そして整った顔立ち。


「すまない。少し、遅れてしまった。大丈夫だったかい?」

 優しげな声。

 どこかで、聞いたことがあるような声だ。


「──お前、誰だ?」

 青年に尋ねる心。

 青年は少し意外そうな顔をすると言った。


「なんだ、昨日の今日なのにもう忘れてしまったのかい?」


 青年は歩みを進め、実辰たちの背後に立つ黒服の二人に対峙すると言った。


「僕の名はアレン。君たちを、助けに来た」


 その時、手を叩く音が実辰たちの耳へ届いた。

 黒服の一人が手を叩き、称賛するように言った。


「いや、お見事。実に見事でした」


 拍手を止め、アレンに向けて言う。


「『人柱』の捕獲、なんてつまらない命令を下され憂鬱だったのですが──あなたのような方にお会いできるとは」

 そこで、残念そうな口調になる。


「正直、『人柱』の方は拍子抜けでした。ここまで弱いとは──しかし」

 黒服は剣を抜き、その切っ先をアレンに向ける。


「あなたは面白そうだ。少し、遊んでいただけませんか?」

「仕方ないな。そんなに戦いたくないんだけど、素直に引いてくれるとも思わないし」

 アレンは溜め息をついて言った。


 そこで実辰は気付く。

 アレンは素手だ。

 そのまま、剣を相手にするつもりなのだろうか。


「ア、アレンさん」

 実辰の心配そうな声にアレンは手を振って答える。

「心配しなくて大丈夫だよ」


 そして、黒服に向き直るアレン。


「かかってきなよ。相手してあげるからさ」

「それでは──」


 黒服の姿が消え、次の瞬間アレンの目の前に姿を現す。

「──遠慮なく!」


 物凄い速度で繰り出された剣による突きは、アレンには届かず、弾かれる。


「へぇ、変わった剣だね」

 アレンは黒服の持つ剣を見て言う。

 よく見ると黒服の剣は途中で二股に分かれている。


「あなたも変わった物をお使いになりますね?」

「君ほどではないと思うけどね」


 話しながらも攻防を繰り広げるアレンと黒服。

 しかし、黒服の剣はアレンが腕を振るう度に弾かれ、アレンには届かない。


「ありゃ、一体──」

『──心!!』


 二人の激戦を見て、唖然とする心にイチヤが叫ぶ。


「っ!」


 間一髪、飛び退く心。


 さっきまで心の頭があった場所を、もう一人の黒服の腕が通り過ぎる。

 二人の黒服の内、一人をアレンが引き付けてくれているが、もう一人は実辰たちを狙ったままだ。


「避けられた、か」

 攻撃が空ぶった黒服だが、余裕を崩さずに言う。  


 絶望的な状況ではなくなったが、未だ勝機があるとは言い難い状況だ。


 黒服が実辰たちに向かって、走りだそうとし──


 横に飛び退り、回避行動を取る。


 その瞬間、黒服がいた場所を光線が打ち抜き、地面を爆散させた。

 光線を避けた黒服は遠くに目を向けた


「くっ、やはり、来ているか──っ!」

 再度、回避する黒服。


 先ほどと同じように光線が飛来する。

 しかし、先ほどとは違い、今度の光線は黒服を掠めた。


「警告、のつもりか──舐めた真似を……」


 光線が掠め、焼け焦げた部分を押さえながら、遠くを見据え苦々しげに呟く黒服。


「俺の覚悟は、もう決まっているんだよ」

 拳を握り、光線が飛んできた方向へ向き直る黒服。


 状況に付いて行けず実辰たちは立ち竦む。


 その時。


 パンッ、という乾いた音が響き渡る。

 その場にいた全員の意識がその一点に集中する。


 そこにはいつの間にか一人の少年が立っていた。

 先程の音は少年が手を叩いた音だった。


「そこまでだよ」


 少年は言う。

 その言葉にアレンと戦っていた黒服は剣を下した。

 実辰たちの前にいた黒服も構えを解いている。


 アレンも動きを止め、その少年に視線を向けている。

 遠くから光線を発射していた者も沈黙していた。


 その場の動きを止めた少年は実辰たちに目を向ける。

 その顔に実辰たちは見覚えがあった。


「──剣人、かよ?」


 心が言う。

「お前、なんで──」

「いやー、大変だったねー。大丈夫かい?」

 心の言葉を遮り朗らかに笑う剣人。


「なぜ、お前が、ここにいる」

 アレンが静かに言う。


「そう緊張するなって。危害は加えないからさ」

「信用できないな。何が目的だい?」


 アレンの冷たい問いに実辰たちは目を見開く。

 アレンは、実辰たちのクラスメイトである奏鳴剣人に明確な敵意を向けていた。


「待ってくれ、アレン。こいつは俺たちのクラスメイトなんだ」

 心がアレンに向かって言う。


 しかし、それを聞きアレンは刺すような視線を剣人に向けた。


「そうか、それでこんなに早く見つかってしまったのか。いくらなんでも早すぎると思っていたけど、最初から紛れ込んでいたんだね」

「おい、何言って──」

 心がその言葉の意味を問い詰めようとした時。

 剣人が笑い声を上げる。


「その通りさー。どうだい、僕の変装もなかなかのものだろ?」


 その笑い声に実辰たちは凍り付く。

 冷たく、不気味な笑い声。

 人間に出せるとは思えないような、不吉な声。


 見る見るうちに剣人の姿が変貌していく。


 色の抜け落ちたような白い髪。

 血のように、暗く光る赤い目。

 そしてその体を包むのは黒一色の服。


 まさか。

 そんなことが有り得るのだろうか。


「騙してごめんねー。僕は〈黒の使徒〉、『使徒の王バシレウス』のルナ、だ。よろしくね」

「嘘、だろ? じゃあ剣人はどこに……」

 心の言葉にルナと名乗る少年は首を傾げた。

「どこに、って、そこのアレンが言ったじゃないか。僕は最初から僕だよ」


「騙してた、ってこと……?」

 日和が呆然と呟く。


「うん、そうだよ」

「──っ!」

 それがどうした、というような口調でルナが言う。

 日和がルナを睨み付ける。


「そんな目で見るなよー。騙してごめん、って言ったじゃないか」

 悪びれもせずルナは言う。


「──ふざけないで!」

「動くな!!」


 前へ出ようとした日和を止めたのはアレンだった。

 その切迫した声にビクッと体を震わせ足を止める日和。


「いい判断だ。今日は撤退するつもりだけど──ほら、もし、万が一だけどさ、……間違って殺しちゃいけないだろ?」


 笑顔でそんなことを言うルナ。

 実辰たちはゾッとする。

 底知れぬ悪意。

 これが、〈黒の使徒〉。 


 その時、実辰は思い出す。

 先日、朝の教室で感じた強大な気配。


 それは、目の前の少年が発するものと酷似していた。



「ということで、今日はここまで。さ、帰るよ」

 黒服の二人に声を掛けるルナ。

 ルナの目の前の空間が歪む。

 二人の黒服は黙って、吸い込まれるようにその歪みの中に入っていった。


「──何を、考えている」

 アレンが背を向けるルナに問う。


「お前なら僕を殺し、ここで捕らえることも出来るはずだ」

「んんー、そうだな」


 ルナはゆっくりと振り向き、実辰たちを見据える。


「楽しみたいんだよね、僕は」

 その瞳を何かに例えるとしたら──


 それは、底無しの闇だ。

 暗いものが蠢く深淵。


 ルナの口が三日月のように裂けた。


 少し遅れて実辰はそれが笑顔だと気付く。

 だが、それは、笑顔というにはあまりにも異様過ぎた。


「じゃあね。また、会おう」


 そう言い残し、ルナは空間の歪みの中に消えていった。


 歪みがあった場所をじっと見つめているアレン。

 気が抜けた実辰たちはその場にへたり込んだ。

 アレンはそれに気づき、ハッと我に返ったように実辰たちを見る。


「大丈夫かい!? 怪我は──」

「あー、多分、全員大丈夫だ」

 大きく息を吐きながら答える心。


「そうか、よかった。遅れてごめんよ」

「いや、助かったよ。俺たちだけじゃ、ヤバかったからな」 

 アレンの言葉に首を振る心。

「で、お前は──アレン、でいいんだよな?」

「そうだよ。昨日は声だけですまなかったね。改めて、僕がアレンだ。よろしく」

 軽く頭を下げるアレン。


「あの、アレンさん、さっきのは──」

 日和が口を開くが、アレンは手を上げてそれを遮った。


「気持ちはわかる。聞きたいことがたくさんあるはずだ」

 アレンは少し厳しい顔をして言った。


「だけど、今はそれを堪えてほしい。少し、いやかなり大きく事態が変わってしまった」

 そこでアレンは実辰たち一人一人と目を合わせる。


「だから、昨日の提案の答えを、今聞かせてほしいんだ」


 息を呑む実辰たち。

 昨日、アレンは返事を先延ばしにすることを許してくれた。


 だが、昨日に続き、今日も襲撃された。

 また、剣人が、実辰たちのクラスメイトが〈黒の使徒〉であったことが判明した。

 もう悠長なことは言っていられないのだ。


 実辰たちが黙り込んだのは、たった数秒のことだった。

 なぜなら、もうすでに答えは決まっていたからだ。


「俺は行くぜ」

「私も行くわ」

「私も、行きます」

「うん、私も」


 全員で頷き合い覚悟を口にする。

 そして、アレンを見る。


「すまない。まだ子供なのに、酷な選択をさせてしまって」

「子供扱いすんよ。それが一番だって俺たちが判断しただけだ」

 悔しそうに謝るアレンに向かって心は言う。

 その言葉に深々と頭を下げ、アレンは礼を口にした。


「ありがとう。君たちの覚悟、しかと受け取った。これからは僕たちが全力で君たちを守ると誓うよ」 




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