第2話 昼
NINEを恐る恐るみると案の定、義母からだった…
憂鬱な気持ちで義母のLINEを見ると一面に文字が広がる。
『チアキさん今日寝坊したらしいわね。遅刻にならなかったからいいけどリカちゃんが遅刻でもしたらどうするの?だから私はいつも直接学校に送ってあげなさいって何度も言ってるのよ……』
朝から長文…
娘を学校まで送っていたら私の仕事に間に合わなくなる…そう何度も説明してるのに…
『すみません、昨日疲れていて目覚ましが聞こえなくて…気をつけます』
とりあえず謝っておけば向こうの気持ちも収まるだろうと思っていたが今日はそうはいかなかった。
続けてNINEがくる。
『疲れたっていってもあなたはリカちゃんのお母さんでマーくんの奥さんなのよ。私は寝坊なんてした事もなかったわ』
マーくん…気持ち悪い…パパの名前はマサヤ。義母はずっとマーくんと呼ぶ。
私はそれが嫌でパパを名前で呼ぶ事をやめた。
返信を返さないでいるとさらに続きがきた。
『家の事をやるのは母として当然よ。なのに今日の朝ごはんは何?あんな質素なご飯じゃリカちゃんが育たないわ、マーくんだって朝から動けないわよ』
あの馬鹿男…朝ごはんの文句まで言ったのか…目玉焼きを焼いてやったのに!
じわじわと義母と全てを話すアイツにイライラがつのる。
『次からは気をつけてちょうだい』
そしてトドメの一言に私の中の何かが切れた…
私はNINEを掴むと凄まじい勢いで文字を打つ!
こんなに早く打てたのはこの時だけだろう。
『私は昨日娘の学校の部活で高速使って往復四時間かけて会場に送って来ました!その後帰ってきて午後の仕事にいき、帰ってきてから塾の準備、夕食を食べさせて夜に娘の塾の送り迎え、それで疲れて寝てしまいました。それなのに何千回と送り迎えをしているたった数回の寝坊でそこまで言われないといけませんか?』
もうどうとでもなれとNINEの送信を押した。
少しして既読がつく。
『それが親の役目でしょ』
はぁ?私はさらに打つ手を早めた!
『今そこの隣にいる父親は昨日休みにも関わらず一切手伝わないで一日寝ていましたけど』
『マーくんは仕事をしてるだもの、お休みの日くらい休ませてあげないと』
『私も仕事してますが?』
『あなたのは仕事のうちに入らないでしょ?正社員とパートじゃ違うもの』
携帯をギュッと握りしめる…あまりの怒りに手が震えた!
そのパートの稼ぎがなきゃ暮らしていけないのがわからないのか!
すると…ピッコン!
もう聞きたくもないNINEが鳴った。
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