chapter1 伯爵令嬢はまだ幼い
第1話 目覚めた私は伯爵令嬢
初めまして、私はクリスティーネ・ハイデマリー・ティルピッツ。
このリーネルト王国にあるフォーゲル伯爵家の一人娘なんてものをやっている。
伯爵家の一人娘……所謂ご令嬢様と言うやつよ。
我が家は社交界において中の中、そうめっちゃど真ん中……人体で言えば丁度お臍みたいな立ち位置のお家柄。
ぶっちゃけて言えば貴族としての家格が低くもなければエベレストの様に高い訳でもない。
それからお父様の領地経営も程々に上手くいっているし今のところは金銭的にも困ってはいない……と思う。
血筋を辿り地平線の様に遠いご先祖様ともなれば、それこそ王族の血を受け継がれ~って何時の時代の話なんじゃい!!
何代も、それこそ気の遠くなるくらい昔の事だから、はっきり言って所謂尊い血は最早もう水と然して変わりはない筈。
そして私の周りの人達も今更その血筋が~なんて事を言う人物は見当たらないし存在はしない。
だが血筋とは別に伯爵家へ生まれた以上――――って今はそんな事をうだうだ話をしている場合ではない!!
確かに私はティルピッツ家のクリスティーネに間違いはない。
でも私にはまだ誰にも、それこそ大好きなお父様とお母様……それから私の侍女のヨハンナや乳母のイルマにだって言えない秘密と秘密の名前が存在する。
そう私の心の中にはこの世界で生まれ今この瞬間を生きているクリスティーネの記憶とこことは違う世界の記憶があったりする。
多分これが前世の記憶と言うものだろう。
アラサー世代、享年28歳にして電車事故で呆気なく死んでしまった現実主義であると同時にしっかり干物女として生きてきた者。
キラキラネイルにあざと可愛さを最期の瞬間まで追求する事無く、キンキンに冷えたビールと熱々おでんや焼き枝豆と柿ピーをこよなく愛した女。
そして今の
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