第412話 お得かな?
さて、残るは一万命秒。どう使うかな。
あ、アイテム何かあるかなあ? と購入画面をアイテム欄に切り替える。魔石は各属性が最低価格の100命秒から、上は天井知らずだな。ベナ草もあるしポーションもある。
「このベナ草って、バァの疫病に罹っていませんよね?」
「はい。最高品質のベナ草です」
それはそうだよなあ。ここで買えるベナ草が、バァの疫病に罹っているとか意味分からん。女神がわざわざ地上に降りてベナ草を採取しているのか? って話になるもんなあ。
他には……
う〜ん、他に何か欲しいものなんてあったかなあ?
「何かオススメってありますか?」
俺はとりあえず女神に尋ねてみた。なんか有用なスキルとか薦めてくれると思ったからだ。そうしたら、
「それでしたら、こちらの『限定ミラクルセット』などいかがでしょう?」
と購入画面を切り替える女神。
「『限定ミラクルセット』ですか?」
嫌な予感しかしないな。画面にはずらりと色んなセットが映し出されている。
「はい。こちらはスキル、プレイヤースキル、ステータス、アイテムと種類別に分かれたスペシャルセットとなっておりまして、各セットで十種類の能力、アイテムが獲得出来るお得セットとなっております」
わあ、いわゆる十連ガチャってやつですねえ。なんでこんなところに来て命懸けの十連ガチャをしなくちゃならないんだ!
「それっていくらですか?」
何を聞いているんだ俺は! くっ! しかし十連ガチャの魅力に逆らえる自信がない! 『十連ガチャ』だよ? 『十連ガチャ』。なんて魅惑的な響きなんだ。
「はい。上から、天地人となっており、天セットで10000命秒。ついで地セットが5000命秒、人セットで1000命秒となっております」
うわあ、悩む〜。『有頂天』と比べたらなんてお得なセットなんだ。くう、天セットいっちゃうか? いやあ、でもなあ。セットも種類別なんだよなあ。流石にギフトやレベルはないな。一人に対して一つあるのが普通のギフトが、十連ガチャで取り放題なんて虫が良すぎるもんな。レベルも、十連ガチャで上げ放題とかチート過ぎるのが理由だろう。
「混合セットとかあります?」
「ございますよ」
あるのかー。余計に悩ましい。思わず頭を抱えてしまった。
「混合セットになさいますと、稀にギフトやレベルが含まれる場合がございます」
うわー、更に悩ませるなあ。とりあえずスキルのセットはなしかなあ。『十連ガチャ』でも狙ったスキルは取れないし。それなら天賦の塔で取得しても一緒だろう。そう言う意味ではここでもう一度狙ったスキルを獲得しておくのはありだなあ。じゃあ、とりあえずここで狙ったスキルを取っておいて、余った命秒で……セット買っちゃう?
となると、何のスキルを買うかだな。方向性としては二つ。長所を伸ばすか、短所を消すか。長所は俺のスキル……って言うかギフトは時空系と聖属性と言う珍しいギフトである事だろう。RPGでもこの二つは少ないし強力な魔法やスキルの印象だ。
いや待て、タカシの『探知』とか『影移動』とか、武田さんの『空識』とか『転置』とか、時空系は結構あるかも知れない。単に時空系の攻撃スキルが少ないのか。
「時空系の攻撃スキルってありますか?」
「ございますよ」
と女神が購入画面を切り替える。そこには、今までと比べれば少ない数のスキルが並べられていた。が、高い。軒並み10000命秒を超えている。それだけ時空系の攻撃スキルが貴重と言う事だろう。これでは購入は無理だな。
なら聖属性を伸ばすべきか。聖属性って何が出来るんだ?
「聖属性のスキルを表示して貰って良いですか?」
「はい」
そうやって購入画面に表示された聖属性スキルは、『聖火』、『聖水』、『聖土』、『聖風』など、既存のスキルに聖属性が付与されているものがほとんどだった。『聖付与』とかそのまんまだな。きっと武器や魔法に聖属性を付与するんだろう。これなら別に獲得しなくても良いかも知れない。特に欲しいと思わない。
「時空系も聖属性も、今のギフトでほとんどの事が可能だと思って頂いて構いませんよ」
と女神の助言。なら両方ともなしかなあ。
じゃあ短所を消す方向で考えるべきか。俺の短所って何だ? スキルの数は圧倒的に多い。いや、多かった。かな? 融合させちゃったからなあ。となると、シンヤたちに比べて身体能力的に低いとか? バヨネッタさんなんかと比べて魔力量が少ないとか? …………なんか俺、トータルでステータス低くないか? 単純にレベルのせいかな?
「すみません」
「なんでしょうか?」
「俺のステータスとか見れません?」
って見れる訳ないか。
「これでよろしいでしょうか?」
見れんのかよ。そこにはズラーッと俺のステータスが並べられていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます