優先事項
何が起きても日々は巡る。休日あれだけ遊んでも、平日は授業に出席しなければならない。
休日が終わった後、疲れの残ったまま登校した。最近は慣れたものの、知識の押し込められる授業を四限受け終えるころには相当疲れていた。
授業を終えて紬とバスに乗る。霧島は学校に来なかった。
「で、どうなんだ」
紬が不満げに呟く。バスはゆったり揺れている一方、紬は今朝から機嫌が悪い。金曜日に、霧島については暫く待ってくれと頼んだ。了承してくれたが、霧島が突然自分探しに出たらこうなるだろう。今日は会ってすらない。連絡したら休むとのことらしい。それが三日ほど続いている。普段とは異なる行動についに退学届けを出されたかひやひやしたので退学する時はもう一度場を設けてくれと返信した。
紬は欠席中はこんな感じである。
「遊びまわったわけじゃない。いい勉強になったよ」
「……魔法の一つでも覚えなきゃ意味ないだろ」
「ずっと引きこもってたから外の世界を知るにはいいんじゃないか」
睨まれた。確かにわかるんだけど。霧島の立場を知っている俺にとってはどちらの肩入れもできない微妙な立場だった。
それだけでなく、昨日のように気を遣われる可能性が高い。
「それにしても三日目か。あいつ何処へ行ってんだ」
「さあ」
紬の言う通り、この三日間は昼間に会えたことはない。いつも返ってくるのは夕飯時で、それもどこかで食べて帰ってくる。基礎授業は見てくれるのだが、本人はどこに行っていたか話してくれない。とりあえず犯罪はしてないとはっきり言っているが、それも不確定だ。
紬に対しても話を聞きたかった。
「なあ紬、なんで霧島にそんなに怒っているんだ?」
「は?」
なにを言ってるんだと顔が言っていた。
「逆になんで怒らないんだ」
「なんでって、一位の頃を知らないってのと、自分なりに折り合いをつけてる様子だったからだよ」
「普段同行しているならあいつの能力の高さを知っているだろ。それをわざわざ自分から捨てている。凡人が努力しても届かないところに霧島は居るのに、あいつは理解してない」
事情を知っている俺は何も言えなかった。目標や夢を叶えられない。
そして今更気づいた。だからあいつは俺の事情を優先していたのか。従姉の夢ばかり考えていて、霧島から見た俺のことを考えてなかった。従姉の姉のことは伝えてない。二重箱のような立場の視点が欠落していた。
霧島のためにも、紬の言葉は受け入れるべきものだ。解決できないわけじゃない。
「つまりあいつが本気を出せば納得するんだな」
「俺はな」
「ならいける。まだやれることはある」
霧島が実力を十分発揮できれば少なくとも神村さんと紬の心象は変わる。魔法科のクラスメイトの方は本人は諦めているだけでなく自分から避けている様子だ。俺はクラスメイトと必ず仲良くしなければならないわけじゃないと思っている。
甘いと言われるかもしれないが、あいつの納得する結果に至ればいいんだ。
というか、まあ、飛び降り未遂したクラスメイトと仲良くするってのも中々難しかっただろう。設楽が幼馴染だから取り持ってくれただけで、従姉にも随分迷惑かけてしまった。
紬は目を細めた。
「なんだ。他に居痛いことがあるなら言ってくれ」
「……若澄はどうしてそこまでする。勉強や人付き合いもあるだろう」
当然の疑問だった。だから俺はすぐに答える。
「魔力がないから他のことで補填するんだ。きっと紬が同じようになっても、できるだけのことはする」
魔法陣の勉強もこれだった。どうあがいても人並みの魔力が無いのだから、努力でどうにかなる部分を伸ばすしかない。
紬は絶句した。どうして自分が含まれてるかわからないといったようだ。今までの会話で紬が霧島に劣等感を抱く理由を察した。いつか相談されるかもしれない。そのときは、俺は自分のために絶対に話に乗る。従姉さんのために。
そうこうしているうちにバスが止まった。降りると、ちょうど学校とは正反対の山側から霧島が現われた。私服だが、絵の具がついていた。疑問に思う前にやばいという恐怖感が。
隣を見ると紬が分かりやすく不機嫌になっていた。
「霧島!」
こちらを向いた。そして紬の顔を見て足が止まる。
「な、なんでそんな怒ってんだ」
引きつったように一歩引く。紬は詰める。
「お前今までどこに行ってたんだ」
「……俺だけの問題じゃないから言えない」
「学校に来ないのはお前の問題だろ」
その言葉で思いついた。ただここで正直に言ってしまえば逃げられるだろう。
俺は紬と霧島の間に入る。
「とりあえずここで話しているのも通行人の邪魔だ。紬の話したいことはあるだろが、霧島は……紬が話したがってたんだけど、どうする」
霧島の顔を伺う。話したらまた引きこもるかもしれない。ただ彼の顔を見ると、何故かうーんと考え込む。今までなら固まっていたところが、何故か紬を見ていた。それから口に手を付けて目をつむる。紬もいつもと違う様子に気づいたのか首を傾げていた。
数秒後。
「……わかった。どこでする」
意外な返答だった。
流石にどっちかの部屋でやるには困るため、売店に行った。
二人は机を間に対面に座り、霧島の前にはメロンソーダ、紬の前にはアイスコーヒーが置かれている。俺は持ってきた烏龍茶を机において、裁判官のように中間に座る。
紬は苛立たしげに指で机を叩いている。
霧島はメモを眺めている。日曜日に見た時よりもページが進んでいた。なにが書かれているかわからないが、覚悟したような渋い顔をしている。
いつもと雰囲気の違う霧島に対して微妙な。紬の溜飲が下がればいいのだが、そもそも霧島に要望にどう答えるかとなる。
俺は息を吐いて、俺は話しだした。
「紬、霧島に対して何してほしいんだ」
「……単純に一つだ。本気を出してやれよ」
紬は手首を強くつかんだ。
「何故わざと自分の立場を危うくすることをするんだ」
詰るよりもできるだけ冷静に務めて質問している体でいる。霧島はそれを聞いてメモを閉じた。数秒止まってから、口を開いた。
「それは、ごめん」
頭を下げた。流石に驚いた。紬も同じなのか、面食らっていた。
霧島は額に手を添えた。
「何でも一人でできると思ってたから、誠実でなければ信用を失うって知らなかったんだ」
「霧島、何があった」
「……その、まあ、俺じゃどうにもならない案件が出てきて、それをどうにかしなきゃいけなくなった」
「もしかして、土曜日の美術館行ってたのか?」
無言の肯定。どうやら当たりらしい。
「美術館?」
紬がこちらを見る。
「隣町の方に行ったときに美術展があったんだ。そこの制作者が受付に居たんだけど、右腕が折れていたんだ」
「……まさかその手伝いか」
霧島がメモを開いてこちらに見せた。書かれているのは、『踊る筆の問題点』とタイトルに書かれたページだ。
「そうだよ。作品が気に入って、何度か見に行ってたら製作者の人に声を掛けられたんだ。それで古野学園の学生と伝えたら、『筆を遠隔的に動かす方法を教えて欲しい』って頼まれたんだ。だから俺は使い方を教えたんだが、問題が出た」
「問題?」
「魔力の低下だ。展示会の運搬中にバランスを崩して転倒して右腕が作品の下に押しつぶされた。それで今は治療のために魔力をそちらに使っている。俺のやり方だとどうしても必要魔力が膨大になる」
「ああ、なるほど」
あの作品は魔法陣も大きく、内容も派手だ。そこに遠隔操作の魔法をしなければならないというと、常人では難しい。
「色々考えたけど、既存の魔法ではどうしても難しい」
はは、霧島は苦笑した。
「一旦友人に聞いてみるっていったけど、初めての挫折になったな」
「今まで何でもできたのか」
「言われたことは。指定されたことを仕上げるのはできた。けど、今回みたいに他の人を改善させるっていうのは……頼られるのは初めてだったんだ」
再び頭を抱えた。
「俺がやるってんならできるんだ。でも本人が納得いかないからやるっていうのはどうにもならんな。普通、十も年下の子どもに教えを聞く奴なんていないって思ってたし、そこまで切羽詰まってたんだよな」
「それはお前の周りの連中だってそうだろう」
紬は苛立ったように吐く。
「結局気づかなかっただけで、お前の周りにも自分のプライドを捨てて助けてほしかった奴なんていくらでもいただろう。そいつらの気持ちをお前が自分の世界で切り捨てただけだ」
厳しいことを言った。ただ、去年から霧島のことを知っている紬や神村さんならこう言うのは当然だろう。霧島は「ああ」とだけ言って、うなだれた。
「どうすれば信用って取り戻せるんだろう」
紬は吐き捨てるようにこう言った。
「別に信用なんて初めからない」
「紬」
「だが目の前の頼まれごとを成すしかない。信用っていうのは行動の結果についてくるものだ。美術館の奴もそうだ、お前が無理ならそもそも断ればよかったんだ」
「落ち着け紬。一旦意見をまとめろ」
「大体なんでできない案件を負ったんだよ。ずっと引きこもってればよかっただろう」
「紬、言い過ぎた!」
流石に肩を掴んで止める。紬の嫉妬はわかる。
「俺が外に連れ出したんだ」
「それがどうした。選んだのは霧島だ、こいつにも選択する頭位ある」
「確かにそうだが、自分でできないことを気づいたなら他の人を頼ればいいじゃないか」
「それができないんだろう。だからすべきじゃないって言ってるんだ」
「ああ」
霧島は立ち上がり、入り口辺りに出て土下座した。紬は眉を顰める。俺はあまりの行動に言葉が浮かばない。
「何の真似だ」
「さっき言った通り、既存の魔法じゃ難しい。だから、魔法を作ってください」
「……新しいものを描けと。それは若澄に言っているのか」
「紬にも言っている。相手は書道家でもある、紬みたく、文字の専門知識が必要だ」
一息ついてから、泣きそうな声で言った。
「俺のためじゃなくていい……鶫さんのために描いてください」
お願いします。と頭を下げた。
流石に何も言えない。そもそも俺でも無理じゃないか、とは思う。あんなに活動的な動きの再現をする必要があるとすれば、単純動作しかできない奴には無理じゃないか。
ただ。若澄を見る。顔を伏せていた。
「補習、確か逃げてるんだよな」
「ああ」
「今すぐ受けてこい。そうしたら話を聞く」
「お、俺もできるかはわからないが、とりあえず話を聞いてみて決めるよ」
癪だが受け取ったようだ。俺も一応できるかはわからないが、不可能だったとしても先生に聞いて他の人に頼んでみることくらいならできるかもしれない。
「ありがとう」
霧島は顔を上げた。肩から荷物の下りた、晴れやかな顔だった。
*
そのまま学園に行く。申請中、紬がトイレに行って二人きりになる。その間に気にかかることを尋ねる。
「なあ、補修大丈夫なのか」
「多分」
準備運動をする。その顔色は以前よりもいい。
「原因、わかったのか」
「……単純だ。ここ最近のことを思い出したら、やっぱり結果を残したくなかったんだ。前言った通り、僕の家って結構複雑なんだ。だから両親よりも指導者の叔父の方が付き合う時間が長くて、それで段々溝が深まったんだ。それだけじゃなくて僕はあまり苦労せずに色々身に着けられたから、苦労して身に着けた父や母に取ってもあまり価値観が合わなくて、いつも話に上がるのは従姉妹や他の家の子どもの話だった。だから叔父にさらに懐くんだけど、そしたら子どもが好きになってくれないって母親が嫉妬して、面倒なことになったりしたんだ」
「きついな」
「まあ気持ちはわかるけどな。ってことで、僕がうまく行ったり結果を残すのは喜ぶけどそれも一瞬だね。だって自分が関係しないからな。泣くほど喜ぶのは他家の子どもが成し遂げた時だ。僕が一か月でやったことを半年かけてるのに、心の底から喜ぶんだ。結局今回も同じだよ。なんだかんだ言っても、結果を残したところで喜んでくれるのは叔父だけで、後の人たちは実験の数値くらいにしか使わない。だから、嫌だったんだよな、頑張ったところで利益があるわけじゃないんだ。無意味どころか、後で無視される理由になるから」
俺は何も言えなかった。明るく話すのもまた悲壮感を際立たせる。
「今回はやらなきゃいけないからな。紬やお前が見ていたら少しは参考になるかもしれない。色々忘れて、それだけを考えればいいし、何よりも鶫さんが呼んでいる。ゴールデンウィークまでにやらなきゃいけないんだ、時間はない」
「……ありがとう」
ふと口に出た。霧島は俺から顔を逸らした。
「マイナスが〇になっただけだ。先生の時間を使ってしまったからマイナスだな。だから何かに生かしてくれ。そうじゃないといけないんだ」
「ああ」
紬が帰ってきた。ほぼ同時に「霧島さん、中にどうぞ」と呼ばれる。
俺たちは実験場の中に入った。
*
以前と同じく先生がパソコンの前に立つ。表情は少し心配している。
「……今度は立てるか」
「もし話を聞いていただけたら、全部一気に襲ってくる設定にしていただいてもよろしいですか」
「危険だ」
「できます」
即答。あまりの堂々さに先生は何も言えないようだ。紬は何が起こるのか予想できずに居た。
「……もし不可能に見えれば、すぐに中止する」
「ありがとうございます」
霧島は頭を下げた。そんな霧島をじっと見て、先生はパソコンに目を戻す。
「では三秒数えてはじめ、と言ったら開始だ。いいな」
「はい」
体の前で手を組み、深呼吸。
「3,2,1……始め!」
そこに現れたのは先日の三倍の魔猿。牙も鋭く戦闘態勢に入った魔猿90匹。辺り一面に現れた黒い化け物に紬も「うわっ」と悲鳴を上げる。だが、それも一瞬だった。
手のひらに現れたのは合気道などで使われる杖。それを踊るように回し、魔猿を倒す。しかも床面に何かを書き終えていた。○破と書かれた魔法陣を叩く。すると、そこにいた魔猿が全部爆ぜた。
「……終了!」
先生の叫びと共に補習は終わった。本当に一瞬だった。
唖然とする先生と紬。霧島は先生に走り寄った。
「これでいいですか」
「……あ、ああ。よくやった。凄いな」
先生は咳払いして、厳つい顔に戻る。
「どちらにしろ逃げ続けるのはいけない。ただ、霧島、もし今度魔法を使うことが困難になれば相談してくれ。私たちで力になれることがあるかもしれない。特にプレッシャーの方も一人で背負うには厳しいだろう。相談室や保健室もある。自分を追い詰めないようにな」
霧島は何とも言えない顔をした。そして「ありがとうございます」と礼をした。
「依頼なんだけど、この人知ってる?」
俺の部屋でそれぞれ飲み物を持って集まった。霧島が取り出したのは簡単な展示とライブドローイングのチラシだ。発表は五月四日。鶫京という芸術家が舞台で魔法陣を踊るように書く予定と書いてある。
それを見て驚いたのは紬だ。「まじか」と叫んだ。
「知っているの?」
「有名だ。新進気鋭の芸術家だと。体全体を使った動きでうねりや静謐さを表現することで有名だ。特に書道の方は最近注目され始めている」
「そんな人だったのか」
「文字を使っているのにしらないのか」
「フォントについては見ているけど……書道はまだ……」
睨まれた。申し訳ない。ただ俺はフォントとロゴだと後者の方が興味を惹かれるからどうしようもない。今度から書道のニュースを調べよう。
紬はため息をついた。
「それで、鶫さんの依頼は?」
「右腕が使えなくなって、それと打撲でまだ全身に痛みが走るらしい。だからしばらく安静で、練習もできないと。だが丁度最近注目され始めて、ドローイングをどうしても諦めきれないから筆だけで作品を作れる方法を模索していたらしい」
「筆だけで……」
「箒だけで掃除してくれる魔法があるんだからこっちだってできるだろう、という考えらしいよ」
「発想は間違ってないが、精度が違うな」
「そうなんだよ」
言われた通り、箒を勝手に動かして埃をはく魔法は普通に売られている。ただ、普通のものを買うなら箒の刷毛の先の動きなんて設計されていない。ただ箒が一定範囲埃を掃いてくれるだけだ。今回のような円以上の動きを求められる場合、それはまた別の魔法陣が必要だろう。
「元々から魔法陣については研究している人みたいだけど、今回のような専門的なものになるとやっぱりゴールデンウィークまでって考えると難しいらしい。できた後は調整すればいいんだが、物を動かす魔法を作るまでいかないらしい」
「専門的なものになる、」
「今まで普通にやれてたから、こういう不慮の事故の時の備えって、食べ物だったりものならまだしも、知識になると難しい」
「なあ、諦めるわけにはいかないのか」
紬が当たり前のことを聞いた。霧島は目を逸らす。
「……丁度軌道に乗ったところだったらしい。できれば勢いを殺さないまま有名になりたいらしい。最近注目されたばかりで、まだ貧乏らしい」
「余計に期待させるのもどうかと思うがな」
霧島は何も言えない。
「とりあえず、明日の放課後美術館の方に向かう。そこで何がしたいかもう一度聞いてみよう。霧島、相手とは今日どんな話をしてきた?」
「今日初めて話しかけられて、そんで試しに動画の筆の動きを再演したんだ」
「……まさか、できたのか?」
「細かいところは無理だ。ただ、両手で動かして筆を糸で操るようにできるだけ滑らかな動きをさせたたんだ」
「それで『自分にもできないか』って言われたのか」
「うん、まあ……ただ、僕の場合は家業ために必要な技術で、三年かけて身につけたものだから短期間じゃ無理だ。それに細かい操作も必要で、骨折中ならそちらに気が行って難しい」
「なら若澄が作るのは尚更不可能じゃないか」
「……それはどうだろう」
霧島がこちらをチラリと見やる。ただその目は弱気な様子はなかった。
「鶫さんもそこは理解していた。『同じことをやるだけでは劣化になる』って」
「じゃあどうするんだ」
「……明日までに鶫さんがコンセプトを考えて来ると。それで、こっちはまた話を聞くと言って解散した。それで帰ってくる途中で遭った」
それで終わりか。どうこうするも、まずやるかどうかとも決めてない。相手もプロなら、こっちの方で勝手に進められても困るだろう。今日できることといえば相手の作品の予習と、書道に関する知識を調べるくらいだ。筆のみのドローイングは確かに存在するが、あまり有名でない。どこか空寒さがあるからだ。
「霧島はどうする?」
「できるだけ協力する。資料が必要なら、できる限り持ってくる」
霧島が以前持ってきた資料を思い出す。欲しいものを欲しいだけ持ってきてくれた。なら、後は依頼人に話を聞いてからだ。
「とりあえず何だっけ」腕を組む。
「アクション・ペインティングとパフォーマンス書道を組み合わせたものだよ。それだけでなくタップダンスみたいに跳ねたり音楽に合わせて絵や文字を描く」
「絵の大胆さだけでなく、パフォーマンスの躍動感も評価されるんだ。そのあたりは本人が元々いろんな踊りを研究するだけでなく体得していたみたいだ」
「……難しくない?」
受けておいてなんだけど、ものすごく難しい案件に片足を突っ込んでいる。
緊張感に体が硬くなる。そんな俺に気づかずに、霧島はスマホで鶫さんの動画を再生した。
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