第11話 妻との想い出

事態が急転落下して行く前に、妻との想い出を振り返りたいと思います。

今では思い出したくない想い出でもありますが、あえて当時の気持ちを思い出して書いてみようと思います。


最初の想い出は、妻と結婚しようと決めた時の事です。

私がこの女性と結婚したい、この女性じゃなきゃダメだと思ったのは、2人で飲みに行ったり色々な話をしているうちに、私と似たような立場、境遇、性格の持ち主で、私はこの女性に対して、昔の自分の事を全て隠さずに話し、理解して貰いたいと言う気持ちになりました。

教護院と言う施設に入れられていたこと、少年院に入ったこと、刑務所にも入ったこと、もちろん入った理由も彼女には話しました。

1回の事ではない事から、この話を聞いて『やっぱり付き合えないや』と言われる覚悟もどこかでしていました。

でも彼女は私が何処かで期待していた言葉を言ってくれました。

『そんなこと別に良いじゃん、今は真面目にやっているんだから関係無いよ✨真面目になりたいんでしょ⁉️』と彼女は言い

私は『うん』と心から素直に答えました。

私はそこ時、こんな気持ちに始めてなり、思わず涙が溢れていました😢

こんな自分がいるのかと、自分でも驚きました。

私はこの女性と知り合えた事に感謝し、この女性を幸せにしたいと決意しました。


2人で彼女の家の先祖が眠るお墓を掃除しに行って草刈りをして、2人して汗をかきながら綺麗にしました。

大分市にある職業訓練所は、彼女に紹介されハローワークまで一緒に行ってくれたり、面接に行く時のスーツを彼女が買ってくれたり、面接に受かった時は自分の事以上に喜んでくれて、一緒にお祝いをしてくれたのです。

本当に嬉しくて嬉しくて、幸せな時間でした。

その後の就職の時も、面接の練習を手伝ってくれたり、アドバイスをもらい面接に見事受かり就職が決まった時もお祝いをしてくれて一緒に喜んでくれました。

いつかのバレンタインデーの日にチョコレートを妻にプレゼントして貰ったこと、妻の職場の上司であった主任からも私にチョコレートを貰ったこと、みんなこんな私に優しくしてくれて本当に幸せでした。

妻を迎えに職場まで行った時には、いつも声を掛けてくれていたので、話をすることが私に取っても楽しみの1つでもありました。

私が別府に来て、大分県内には誰も知り合いが居ないことから、妻の職場の人が何度か飲みに誘ってくれたこともありました。

こんな小さな事かも知れませんが、1つ1つが想い出になっていて、妻の職場の人達は本当に私に良くしてくれました。

妻の会社のマラソン大会に介護部の方から妻が出場することになり、私は妻と一緒に別府にある田の浦ビーチで走ったり、別府アリーナの2階で走ったり、ジムで走ったり、音楽に合わせてボクササイズをやったり、一緒に汗を流し、その帰りに温泉に入ってから帰ったりしていました。

新たな発見をするために2人で市内にある居酒屋などを見付けては行ったり、休みの日にはランチやカフェに行ったり、物産展が来た時にも一緒に行ったり、2人で鍋パーティーやたこ焼きパーティー、手巻き寿司パーティーをしたり、サッカーや、映画を観に行ったり、ウォーキングの大会に2人で出たり、大分に来たばかりで右も左もわからない時は市内が一望出来る夜景の綺麗な場所へ連れていってくれて、私はその時に、この大分で1から出直し妻と一緒に幸せになる覚悟を決めたのを思い出しました。


喧嘩もありましたが、付き合いたての頃、私がまだ福岡に住んでいる頃に、私は無性に彼女に会いたくなり、急遽彼女に連絡して『今から大分に行く』と伝えました。

私が博多から別府に着いた時は、もう日付が変わる頃でした。

その頃はまだ冬で、凄く寒い外で待つには辛い時期でしたが、彼女はそんなことも気にせずにずっと待っていてくれました。

私はそんな彼女の姿が凄く嬉しくて、今でも鮮明に覚えています。


こんなこともありました。

彼女と姪が大阪にあるUSJに泊まりで行くことになり、私は家で留守番をしていたのですが、2人を見送りに行き、別府湾から出航する船を観ながら、彼女と姪の姿を見えなくなる迄、手を振り見送りました。

彼女と姪も見えなくなる迄、ずっと手を振ってくれました。

帰りも2人を迎えに行き、車の中でずっと楽しそうにUSJの話を2人は私にしてくれました。


彼女と結婚して夫婦になってから最初の年には、八幡宮に御参りに行き、厄を落として貰い、前の年の御守を燃やして貰い、おみくじを引いたり、願い事をして2人で手を合わせました。

結婚式は出来ませんでしたが、妻の職場の人達が結婚パーティーを開いてくれました。

残念な事に妻は運悪くインフルエンザに掛かってしまい、渋々欠席😢沢山の人に集まって貰ったので、最強のアウェイに1人で参加してお祝いをして貰いました。

色々な事を根掘り葉掘り聞かれ、お祝いの品を頂き、お揃いのお茶碗や箸、コップに歯ブラシ等を頂き、結婚した実感と妻の周りには素敵な人達に囲まれて幸せだなぁと思いました。

私がパーティーから帰る時には、妻の上司の主任が私の姿が見えなくなる迄、ずっと手を振ってくれていました。

『本当におめでとう、奥さんを幸せにしてね🎵気を付けて帰ってね、奥さんによろしくね✨』

主任には私に取っても母親の様な存在でした。

私と妻はこの時、平凡ですが、当たり前が『幸せだ✨』って思える、幸せの中に居ました。


あの日が来るまでは…






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