第10話 就職と新婚生活

職業訓練校を卒業し、就職が決まりました。

私がどんな会社に就職をしたかを書きたいと思います。

私が勤めた会社は大分県内では有名な会社で、建築関係や不動産業からなる会社でした。

大分県内だけでなく、福岡県や東京等にも支社があり、ホテル等の経営もしていて、その他にもマンションを建てたり等の業務をする大きな会社です。

どの様な仕事内容かと言うと、営業の方が仕事を取ってきて売り出したり、リノベーションをしたり、建て売りやオール注文を受けています。

現場では、住宅を建てる社員の職人さん達が数人いますがその方達では足りないので、下請けに仕事を振り分けています。

住宅を建てる工法は2×4工法を基本にしているので、家が建つのも、外観は早くて3日、5日あれば建ってしまいます。

本社には私が在席していた工務部工務1課、2課、3課があり、他には営業部、総務課、人事課、マーケティング課、購買課、設計課、コーディネーター課、デザイン課等かあります。

女性も沢山活躍出来る職場で多くの女性が働いていました。


2月3日に私は初出勤をしたのですが、私は最初は本社勤務の現場での職人として住宅の建て方をしていました。

私が居た班は、私の他に上司が2人いて、3人1組で建て方をして、数々の住宅を建ててきました。

現場には会社から支給されている車で向かい、仕事終わりに本社に寄って、その日の仕事の進み具合に次の日の仕事の内容等の話をして自宅に帰っていました。


そんなこんなをしている内に、数ヶ月が経ち会社に数人の新入社員が入社し、その中の2人が工務部工務1課に配属となり、私にも後輩が出来ました。

今までは建て方を3人でやっていたのですが、この日からは、5人ですることになりました。

若者が2人増えたと言うことで、現場も明るくなり数を多くこなすようになりました。

新入社員が入社し数ヶ月が経ち、会社で歓迎会があり、本社や支店の人達が大勢集まり大分市内の焼肉店でスタートしました。

そこには、社長、副社長、専務、常務、本部長等の姿もありました。

二次会では市内にあるスナック的なお店に行きました。

歓迎会で私は、社長や副社長など各課の部長、課長、係長や社員の人達にお酒を注ぎに回りました。

その日はみんな笑いが絶えない1日でした。

私もお肉を食べたり、お酒を飲んだりしながら、普段喋ることの無い人達ともお話をしました。

二次会が終わりお開きとなり、私はタクシーを拾って自宅まで帰って行きました。

会社には他にも色々なイベントがありました。

社員の誕生日には毎月月末になると誕生日の社員だけでなく、全員にケーキが配られます。

他には会社でサッカーや野球等のイベントだったり、飲み会等も沢山あったので本当に楽しかったです。

建て方をしている時は、毎日妻がお弁当を作ってくれていました。

妻が時間がなくて作れない時には、私が妻の分と2人分作っていました。

休みは毎週日曜日だけでしたので、妻とお互いに休みが被った時には、朝からお酒を飲んだりランチに行ったり、大分市内に出て映画を観に行ったりして休日を過ごしました。


まともな仕事をするようになり、家を建てる仕事がこんなに面白いとは思っていませんでした。

住宅が完成した時には、凄く嬉しく達成感があり『俺が建てたんだ』と言う優越感に浸れました。

家を建てている途中に、お客様が観に来たり、住宅が完成した時に引き渡しをする時のあの何とも言えない笑顔と言葉は私に取って大切な宝物です。


今まで、散々悪さばかりをしてきた私でも、人に受け入れられてちゃんとした企業に勤めることが出来るんだと自信になりました。

働くことの大切さ、お給料を頂く大切さ、そしてこの仕事で自分はやっていくんだと思った心のモチベーションを貰えて、この会社で働けて、この仕事に出会えて、上司や皆さんに出会えて良かったと心から感じていました。


私が勤め始めて数ヶ月した時に、副社長や人事の方、総務の方に本社に呼ばれて仕事に対しての事や、今後の事、お給料の事についての話がありました。

その場で私は建て方を覚えたので、次のステップに行くために現場監督をやりたいと言う事を伝えました。

元々入社した時にも、建て方を覚えたら現場監督になると言う事でしたので、面談の時に私の思いを伝えました。

後日私の思いが伝わったのか、私は次のステップである現場監督に出世しました。

給料の方もアップしたのでウキウキ気分でした。

それからと言うものの、朝は直接現場ではなくなったので、本社に9時に出勤すれば良いのでゆっくりとなり、休みは今までは日曜日だけだったのが、現場監督になってからは日曜、祝日第2第4隔週の土曜も休みになりました。

彼女とも正式に3月31日に婚姻届を提出して晴れて夫婦となりました。


妻とは同じ音楽の趣味があり、EXILEが好きでその中でも2人ともATSUSHIのファンでした。

7月5日には福岡のマリンメッセまで妻と一緒にATSUSHIの単独ソロライブを観に行きました。

しかし、そのソロライブに行く約1ヶ月前にある事件が起きたのです。

そして、そこから積み上げてきた【当たり前の幸せ】が音をたてて崩れて来たのです。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る