第6話 新潟刑務所での生活

東京拘置所は要塞の様な作りで、警察署にある留置場と違い沢山の人がいます。

刑務所に振り分けられる前の施設と言う事もあり、作業などはなく、ただただ時間を潰す場所で、私にとってはやることがなく、しんどい時間ではありました。

どれだけの期間が経ったかはわかりませんが、結局私は新潟の刑務所に入所することが決まりました。


新潟刑務所に入所して先ず最初に新入訓練と言ってそこで生活を送って行くのですが、基本的な動作や作業を覚えていきました。

それから各工場に分けられていくのです。

私が行った工場は、8工場の印刷工場でした。

この工場では何もなく過ごせていましたし、班の班長として大役を勤め上げ体育委員も任されていました。

工場の中でも一番大事な印刷の機械にものっていました。


この刑務所では部屋が12人部屋で色々な犯罪者がいるのでそれは大変でした。

中国人、台湾人、イラン人も居ました。

私はここでも沢山な人と出会い、ムカつく事もあり、喧嘩になることもありました。

それでもその逆に凄く気があって仲良くなる人も居ました。

色々はありましたが、私は6ヶ月の仮釈放を頂き、2012年8月30日にここ新潟刑務所を、出所しました。

私は出所して直ぐにタバコを吸って『外に戻って来た』と実感しました。

この時は本当に嬉しく、これが最後だと自分の中で誓いました。


もう同じことを繰り返したくはない

その思いで、私の人生の中で一番信用のおける橘さんを頼り連絡を取り、橘さんに会いに行きました。

橘さんは真剣に話を聞いてくれました。

私が留置場で橘さんと知り合ってから、約3年ぶりに橘さんとお会いしました。

刑務所からも私は橘さんに連絡を取り近況は聞いていました。

橘さんはこの3年の間に、約束した通りに風俗業界から足を洗い、夏は海で水上バイクやウエイクボード、バナナボート、BBQなどの遊び場を経営し、普段は何とタレントのマネージメントをやっていると言うのです。

それは一見凄いと思うかも知れませんが、そんなものではありません。

橘さんは風俗王の時には自分に運転手までいた人で、ヤクザから足を洗った若い衆とかを面倒をみたりしている人なんです。

その橘さんが幾ら有名なタレントさんだからと言い、鞄持ちや運転手の様なマネージャーをやるなんて僕には本当に意外でしたし、その理由を聞きました。


橘『勇太、人は良い暮らしをすれば幾らでもその暮らしに順応出来るようになる。お前に1,000万渡せば1,000万使って来れるだろ⁉️』

勇太『はい』

橘『でも人は良い生活をしてから、振り出しに戻る生活は中々絶えずらいんだよ。親分やった奴が部屋住みから這い上がるなんてないよな⁉️みんな現状維持はしたいんだよ』

勇太『確かにそうですよね』

橘『だから、政治家でも芸能人でも、起業家でも今を維持したがるからカッコ悪くなるんだよ🎵俺はチャレンジして何かを手に入れても、それを守るために、人が変わるのは偽者だと思っているんだ😁俺は風俗でも何度もダメになったけど、その度に新しいチャレンジで這い上がって来れた。でも芸能の世界では志半ばで夢を諦めてしまった。それが何のイタズラか裏方の仕事なら俺を使ってくれるって言うんだよ😁給料は1/5以下だけど鞄持ちと運転なら使ってくれるんだよ😁ラッキーだろ⁉️』

と、笑顔で言うのです。

橘『ここから、凄いマネージャーになったら俺は本物だろ⁉️』


私はずっとこの橘さんと僕は、バイクや喧嘩楽しいと思うことは一緒で似ていると思い、勝手に親近感が沸いていたが、実は【似ている】は天と地の差があることに今となっては気付かされた。


橘さんが経営する海の遊び場を手伝わして頂いた。

朝早くに都内に住む橘さんの家から、遊び場のある神奈川県の海に車で向かう

6:00に出発、7:00に着いてガソリンを運び準備をする。

水上バイクを降ろし、BBQの下準備をする。

8:30頃にはお客さんが着き、橘さんはずっと海に出たまま飲み食いもせずに夕方16:30位にやっと陸に上がれる。

お客さんは大喜びで、クタクタになりながらも帰りには橘さんと一緒に写真を撮って『来年も来ます🎵🤗』と皆が言う。

お客さんは普通の若い男女から、刺青を入れたイカにもの人達にも変わらずの対応をし、橘さんの事を知っているのか知らないのか、ちゃんとみんな言う事を聞く。

夏の間のたったの2ヶ月位の事だが、予約で埋まっている。

1日遊んで10,000円~15,000円だが、あの千葉の⚪⚪ランドにも負けていない気がする。

やっぱり、ただの風俗経営者では無いのはわかる。

予約で埋まる店は全てこの人の戦略なのだと確信した。

それだけではない、この人は神奈川県から帰る道のりを約1時間僕が運転をする。

そしてその間ぐっすり寝てしまうのだが、私を都内で降ろして渋谷に出掛ける。

はじめは美味しいものでも食べて、楽しいことをしているのだと思っていたが、違かった。

毎日の様に夜から朝まで制作会社、局の偉い人と麻雀に付き合っているのだ。

寝ている時間は移動の最中だけ💦

そこまでする理由は

『10年間テレビに出れない親分をまたテレビに復活させるためだよ』と言っていた。

その時の私にはあまりわかっていなかったが、私が長い勤めになる際に、改めて実感し、何故こんなに凄い人の近くに居ながら、私は私の欲に負けてしまい、全然違う人生になってしまったのか⁉️

この人の偽者でも良いから、近くにいてこの方の支えになれなかったのかと悔やんでいます😢

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