第4話 特殊詐欺に手を染め始めて

特殊詐欺に染まりだしたのは20歳過ぎてから

都内での知り合いも増え、地元との行き来が増え、都内に住むようになり、特殊詐欺の方にも手を染め始めていました。

当時付き合っていた地元の陽子と言う女性と結婚を約束し、私の両親にも紹介をしていました。

しかし、付き合って数年が経ったある日、私はまた捕まってしまうのです。

私の中では10代の頃に比べ、落ち着き平穏に近い暮らしをしている積もりでした。


私が逮捕されたのは、確か22歳だったと思います。

当時私が勤めていた会社の同僚とふざけ半分で一緒に洋服屋のお店にあった洋服を数点盗んでしまいました。

その時、私は財布に42万円くらい入っていたのにも関わらず、ふざけ半分で盗んでしまったのです。

子供染みた、ちょっとした軽はずみの行動がお店の方や周りの人達に迷惑を掛けてしまいました。

この件で捕まったことにより、傷害事件や特殊詐欺事件で再逮捕されてしまい、結局私は懲役3年の刑を勤めることになりました。

捕まった当初、地元の警察の留置場に居ましたが、ここに結婚を約束していた彼女が両親、友達とも面会に来てくれました。

来る度に彼女は涙を流し、私は彼女に掛ける言葉も見付かりませんでした。

私の口から出た言葉は『ごめん…』

私はただただ謝る事しか出来ませんでした。

彼女が涙を堪えている姿は今でも脳裏に焼き付いています。

私は家族、彼女、周りの人を裏切り続けた事を本当に後悔しています。

これだけこんな私を信じようとしてくれたり、罪を犯した私の為に泣いてくれる人が居たのに何故私は裏切り続けたのか⁉️

悔いても悔いても事件を起こす前に戻りたいと何度思っても戻ることは叶いません。


私は懲役3年を言い渡され初めての刑務所に勤めに行くことになりました。

そこは長野県にある少年刑務所でした。

この刑務所では真面目に勤め、6ヶ月の仮釈放を頂き2年4ヶ月で出所しました。


しかし、出所した後も真面目に生活することが出来ず、出所して直ぐに特殊詐欺に手を染めて都内に住みながらやりたいことをやっていました。

お金は使っても使っても入ってくるので何も苦労することはありませんでした。

二度目の逮捕は都内に住んでいたのと、事件も麻布でしたので麻布署の留置場でした。

そこでは部屋が1室~6室まであり、私は2室で5人部屋で生活をしていました。

麻布署では私が居た部屋に外国人が3人居て、日本人は私ともう一人だけでした。

そこに居た外国人は明るく楽しい人で、日本語も上手く使えていました。

中には全く日本語が喋れない外人もいて、不安そうだったので、僕達日本人が身振り手振りジェスチャーをしながら教えてあげました。

場所がら次々と色々な国の外国人が捕まって来るのには初め驚きました。

イラン人、ペルー人、ルワンダ人、カナダ人、スペイン人、コロンビア人本当に色々な国の人が入れ替わり入ってきます。

罪状は薬物や殺人、傷害様々です。

私が今回捕まった時は六本木のクラブに行った帰りで知り合いの人達と一緒に居たのですが、警察官から職質(職務質問)にあってしまい、住所や名前を言ったところ、指名手配が出ていて、すぐさま麻布署に連れて行かれました。

この時の罪名は特殊詐欺に傷害事件の件でした。

留置場の中ではお金もあったので、自弁やパックコーヒー等も頼めるし、運動場でタバコも吸えるし私にとって不自由のない暮らしです。

ここで私は再逮捕のもう一つの事件により山梨の留置場にも拘留されることになりました。

そこで同部屋になった橘さんとの時間は、私にとって考え方を改める出会いであり、今こうして服役中にこの様な事をするようになったのも、この兄貴的存在の橘さんから言われたのが切っ掛けとなりました。


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