第3話 暴走族時代

少年院から出て、人生をやり直すと言う選択肢が当時の私には無かった。

少年院から出てきてハクが着いたと勘違いしたのか、気付けば私は暴走族を立ち上げ、自らが総長になり、15~20人程の暴走族のリーダーになっていました。

特効服にパンチパーマ、毎日集会をしたり、遠征に出たり、女性をナンパしたり、もちろんガソリン代や遊ぶお金が必要ですから、盗みや恐喝何でもしました。

当時の日々は忘れられません。

仲間と我が物顔で暴走したり、人の迷惑など気にせずにやりたい様にやっていました。

今思うと、北斗の拳の雑魚キャラと何も変わりはないですよね。

今が楽しければ良い、仲間とつるんでいることが楽しい、暴走することが楽しい、様々な思いが当時はありました。


あれはいつ頃の集会だったかは思い出せませんが、結構大きい集会で、その時のギャラリーに教護院で一緒だったちあきと再会したのです。

ちあきは何人かで観に来ていたのですが、そこに可愛い子がいてちあきに直ぐに紹介して貰いました。

その女性とは直ぐに意気投合して仲良くなり一緒に遊ぶようにもなり、私が乗っていたバイクの後ろにも乗せたりしていました。

当時私には付き合っている子がいて、その女性はレディースの副総長をしている女性でした。

女性とは彼女がいても、平気で声を掛けて仲良くなり、沢山の女性と関係を持っていました。


私は女性にモテるとずっと勘違いを今の今までしてきましたが、この塀の中で昔を思い出して文書にしているうちに、女性にもいい加減で平気で嘘を付いて1人として幸せにした人はいないのだなぁと気付きました。


私が17歳になって冬だったと思いますが、三度目の鑑別所に入って、二度目の少年院に入院しました。

この三度目に入った事件は、複数人で捕まってしまい、強盗致傷と傷害恐喝と言う事件です。

複数人捕まったうちの殆どがうちの暴走族メンバーでした。

うちの暴走族の名前を語り、悪さをしていると言うのを聞き、その男を呼び出しました。

コンビニから近くの神社に移動をし、その男を集団でリンチをし、神社に放置をし帰ったのですがその日のうちに事件になりました。

私の友人から電話があり

『どこどこで殺人事件があったらしいよ』

と聞いたので、直ぐに後輩をその場所へ向かわせました。

何故その場所に後輩を向かわせたかは、先程まで私達がいた場所だったからです。

現場を見に行った後輩からは、『黄色のテープが巻かれていて警察だらけだった』と聞かされヤバイと思いました。

一緒にいた連中とフルボッコにしたあとピクピクしていましたが、動かなくなっていたから本当に死んだかも知れないと話していました。


当時は若くて暴走族をしていたので、何でもこい、何でもありだなんて思いだったので心配なんかもすることもありませんでした。

その日の夜も大きな集会があったので、その集会に出て事件のことなどは忘れていました。


この事件の後にも暴走族のメンバーの中で女性の事で男と揉めている奴がいて、その男を呼び出してフルボッコにしてしまい、後にその事件が傷害恐喝になり、後日逮捕されます。

そして、前の強盗致傷で再逮捕されるのです。

私達メンバーは暴走や傷害恐喝等を繰り返し行っていました。

捕まるのは時間の問題だったのでしょう。

他にもオヤジ狩りや大学生狩り、私達の地元(縄張り)を走っている、原付、単車生意気そうなのは皆狩っていました。

朝の学生ラッシュの時間帯には特攻服を着てバイクに乗って高校や駅を流しに行ったり、帰る時間にも良く流しに行っていました。

この頃にはクラブに行ったりキャバクラに行ったり都内にも良く行くようになり、薬物等にも手をだすようになっていました。

今振り返ってみると、あの時の間違えが全てを取り戻せない日々に向かってしまった様に思います。


そんな日々を送っていた時、ある日の集会帰りにいつもの自分達の溜まり場に帰る前、近くのコンビニに寄り、買い物をしてコンビニを出たところで私服警官に取り押さえられてしまい数人が捕まり、私と何人かは直ぐにバイクに乗り逃げることが出来ました。

私は凄く眠く彼女の家で寝てしまい、次の日に残った奴らと話をして、周りの事を済ませてから溜まり場に向かったのですが、その後直ぐに私服警官が来て捕まりました。


私は警察署の留置場に入れられ、様々な事件での容疑を認めました。

取調べが終わり三度目の鑑別所に行き、二度目の少年院は千葉の少年院に入院することになりました。

ここでは、赤バッチが1ヶ月、黄バッチが4ヶ月、青バッチが5ヶ月、白バッチが1ヶ月だったと思います。

三度目の鑑別所、二度目の少年院ともなると同じ様に境遇の集まりで馴染むのも早く、罪を償うと言うより、学校に戻った感覚でしかなかった。

沢山の気の会う仲間ができ、勉強やスポーツをして…

出来ないことは、バイクに乗れない事と女性を抱けない事だけだ。


私がこの少年院を出院したのは確か秋口だったと思います。

出院した後、直ぐに地元に戻り暴走族に戻りましたが、直ぐに引退をしました。

引退するにあたり、引退集会を派手にやり、断髪式までやり、丸坊主にしました。


二十歳になる頃には色々な方と出会い様々な経験をさせて頂きました。

やはり、私は女好きなのでしょう、沢山の女性と出会い、お付き合い中にも他の女性を好きになりの繰り返し、惚れやすい体質なのでしょうか?女性には困りませんでした。


当時私は建設関係の仕事をしていました。

その時も出張先で行きつけの居酒屋で働いている女性と仲良くなり、付き合うことになりましたが、その時も他にも何人か好きな人がいました。

20歳前後の時は、こうして建設会社で働きながらも都内のクラブに遊びに行ったり関東連合の方達とも遊ぶようになり、特殊詐欺の方にも手を染めて行くようになってきました。




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