第2話 中学を卒業して少年院生活

私が2度目の鑑別所に入ったのは16歳の頃だったと思います。

家庭裁判所で審判を受けて初めての少年院送致となりました。

私が始めて行った少年院は、神奈川県にある小田原少年院でした。

そこではバッチの色があり、級によって色が変わっていました。

種類は4種類あり、赤・黄・青・白となっています。

入院した時には、赤色のバッチで新入生として行動をします。

1日の流れはあまり覚えていませんが、殆どの時間を部屋で過ごしていた記憶があります。

新入生として2ヶ月程生活した後に、今度は黄色バッチになり、1学寮・2学寮とあるのでそのどちらかに分けられます。

私は2学寮の方へ編入となり、出院するまで生活をしていくことになりました。


黄色バッチは、4ヶ月程やった後に今度は青色バッチになり、青色バッチを4ヶ月程やって最後に白色バッチになります。

この白色バッチは出院前の人達が付けるバッチで、この白色バッチを付けると後少しか⁉️と言う実感が湧きます。


少年院でも様々な行事がありました。

餅つき、収穫祭、夏になると盆踊りがあり、サッカー大会や剣道大会、もちろん運動会もあります。

後は講堂と言うところがあり、そこで講話や進級式があったりしました。

1日の流れは、朝6:30に起床し、それから洗面をして歯磨きをしてみんなで朝食を食べ、それから午前中の教科課程に進みグラウンドで朝の朝礼をしてラジオ体操をした後に、土木科と溶接科と農業科と炊事科にわかれています。

昼食後はグラウンドに出て運動の時間になります。

少年院の運動はとにかくキツくて大変でした。

運動の時間がかなり長くてヘトヘトになっていました。

だいたい時間にして2~3時間位の運動をした後に学寮に戻り夕食になります。

その後は自由時間になり、18:00からテレビが観れますが、21:00には就寝になります。

休みの日には、午前中からビデオが観れて午後もテレビ視聴が許されているので、一日中部屋の中に居ることになります。

毎週日曜日の昼食後には、コップ一杯のココアが出ます。

ここの少年院では、このココアが名物になっていましたが、翌々考えると『日曜日に一杯の美味しいココアが飲める』ってシャバにいたら、当たり前の事で特別な事ではないですよね⁉️

でも、本当は当たり前な事を幸せだと感じないといけないのだと今では思います。

失ってから気付く愚かな者は、想像力が乏しいのだと…


この頃の楽しみであるテレビ番組は確か月曜日がダウンタウンの『HEY!HEY!HEY!』

火曜日がV6の『学校へ行こう』

水曜日が『歌の大辞典』

木曜日が中居正広&石橋貴明の『うたばん』

金曜日がタモリさんの『Mステ』

土曜日が『めちゃイケ!』

日曜日が『笑う犬の冒険』でした。

自業自得ではあるのは承知ですが、自由のない生活の中、テレビは私達に取っての掛け替えのない娯楽でした。


収穫祭は3月9月のどちらかだったと思いますがもしかしたら記憶違いかも知れません。

この時の収穫祭ではラーメンやカレー等を食べたような気がします。

運動会は各自の両親が来ますが、運動会は何の競技をしたか覚えていません。

そして皆が一番楽しみにしているのが、夏の盆踊りです。

この盆踊りは、外からボランティアの人達が来るのですが、若い大学生やOLの人も来てくれるので、みんな楽しみにしている行事の1つです。

サッカー大会は選ばれた人が少年院からでて他のチームと戦うのです。

剣道大会は、これがまた外から高校生のチームが来て対戦するのですが、全員女性なのです。


私が黄色バッチの時には、土木科の教育課程を受けていて建設機械の運転技術を学んで、同時にフォークリフトの運転技術も学んでいました。

この2つの教育課程で資格を取得して、その他にも高所作業者や道路を舗装する締め固めやクレーン玉掛けの資格取得をしました。

青色バッチになった時には、溶接科の教育課程を受けていてガス溶接やアーク溶接、低圧電気の資格取得を目指してやっていました。

白色バッチになった時には、私は農場の方ではなく炊場の方に編入になり、出院するまでは炊場で皆の食事を作っていました。


毎日15:00の休憩になるとコーヒーとおやつを出してくれるので、それが楽しみでもありました。


私がいた少年院は収容人数もあまり居ないので、炊場担当の先生と外部から来ている人が居るだけで、私と合わせて3名で食事の準備をしています。

白バッチになると部屋も変わりますし、黄色や青色の人とは一緒に生活することはありません。

ここの少年院の先生方には本当にお世話になりました。

2019年3月31日をもってここの少年院は閉鎖になったそうです。


今でこそ、そう思うのに

当時私は少年院を出院した直ぐ後に

地元に戻り、昔の仲間と新しく暴走族を立ち上げ私が総長を勤め、少年院の仲間とも一緒に走ったり、喧嘩をしたり、滅茶苦茶な事を繰り返していました。

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