第19話 夏祭りその2
「次、何食べましょうか?」
と、綿あめを食べ終わった甘栗が串をゴミ箱に捨てながら言う
「無難にたこ焼きとか?」
「いいですね!私こうゆう屋台とかあんま行かないので、何が売ってるとか分かんないんですよね」
まぁ、世間知らずのお嬢様見たいな感じだな
と、思っていると甘栗が足を止める
そして、こちらに手を突き出す
「どした?」
「手!手を繋ぎましょうって事ですよ。全く」
と、今度は甘栗からこちらの手を握った。
強引だな。と思いつつも隣でタコみたいに赤い顔をした甘栗を視界に収めながらたこ焼きの屋台を目指した。
「熱い。たこ焼きってこんなに熱いんですね。舌が火傷しそうです」
「だから、冷めてから食べろって言ったのに」
今はたこ焼きを買い終わったところだ
そして、甘栗は俺の忠告を無視し舌を火傷しそうになると
んー馬鹿
「とりあえず、冷たい飲み物買ってきたから」
と、俺は先程買ってきた水を甘栗に渡す
「水ですか。せめてお茶が良かったです」
「文句言うなっての全く」
と、俺はたこ焼きを食べながら言う
マジで世話のやける妹見たいな感じだな
でも、実際。俺はこいつの事好きなんだよな
と、ぶつくさ言いながら水を飲む甘栗を見る。
「と、晴空先輩どうしたんですか?」
「いや、何でもない」
「そうですか」
と、甘栗はたこ焼きを食べる
はぁーこちらの気を知らずに呑気にたこ焼きを食べている。
俺はその顔が何故かムカつき
甘栗の頬をひっぱる
「ちょ、せへんぱい、ひゃんですか」
と、離す。なんか余計に可愛くなった気がする。
「いきなりなんですか。全くたこ焼きあげませんよ」
「味同じだろ」
「いや、こっち明太子入ってます」
「変わんねーよ」
「いやいや!変わりますって、ほらあーん」
と、甘栗が竹串を突き出す。
俺はおもむろに口を突き出したこ焼きを食べる。うーんわからん
「どうですか?」
と、なんかドヤっている甘栗
俺は自身のたこ焼きに爪楊枝を刺し甘栗の前に出す
「へっ?」
甘栗が間抜けな声をあげる
「えっ?あの」
「食わないのか?」
「あ、あの.....食べます」
と、甘栗はさっきまでの勢いはどこへやら静かになっていった。
そして、たこ焼きを食べた。
「どうだ?」
「わ、わかんないですよ。もう」
と、今まで見た中で一番赤くなっている甘栗に追い打ちをかけるかのように
「タコでも買いに行くか?」
と、言うと自分の顔を抑え
「ちょっ、先輩!」
と一際大きな声を上げ。俺をポカポカ効果音がなりそうな強さで叩き始めた。
やべーめっちゃ面白い
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