第17話 浴衣

俺は今電車内にいた。

行くところがあったからだ。行くところとは夏祭り会場への下見である。やっぱり迷子になったり最後まで花火が見れませんでした。では嫌だしな。


そして、そこで偶然会ってしまった。

甘栗結衣と桜葉月の二人組に俺は咄嗟に隠れてしまったが。バレてはいないようだ。


てか、なんで隠れてんだよ俺は

 

「結衣の方から連絡が来るなんて思いもしなかったわね

そんなに、倉町先輩と夏祭り行きたかったのね」


「しっ、言わないでよ。もう」


何を話してるかは電車の音などで聞こえないが楽し良さそうにしてることは分かったし

隠れてるのも癪なんで

と、俺は別車両に移った




《結衣視点》


「ちっ、ヘタレめ」


「急にディスるのやめて」


と、葉月が急に私をディスって来た

まぁ、良いけどヘタレなのは事実だし

私は、今現在葉月と浴衣を買いに来ていた。それは、先輩を夏祭りに誘い浴衣を見せたいからだ。

かなりの勇気いるなぁ


「そろそろ降りるわ」


「分かったよ」


と、私はうなづき

電車降りた。そして、浴衣が売っている場所まで、歩く。その浴衣を売っている場所は葉月がいつも浴衣を買っている場所らしい

浴衣ってそんなに買うんだ


「そういうば思ったんだけどホントに告白までは行かないの?」


「だ、だって恥ずかしいし」


「はぁーやっぱりヘタレね」


そんなこと言われましても

緊張して、話せなくなったらどうするの。

ただでさえ緊張するのに

そして、葉月はまたため息をついた


「それに、私にも作戦があるの!」


「行ってみてくれない?」


「浴衣を来たら私のあまりの可愛さに告白してくれるはずだよ」


「はぁー......ワンチャンある事が恐ろしいわね」


「なんか言った?」


「何も、結衣の浅はかな考えに呆れただけよ」


私は一様真剣に話したつもりなんだけどなー

でも、取り敢えずは先輩を夏祭りに誘う事が目的だし

告白なんて私の可愛さでして見せる。自身無いけど


「そういや、聞いて無かったけど倉町先輩からは名前呼んで貰えるようになったの」


「お陰様で......まぁ、2人っきりの時のみだけどね」


「それは、良かった。アレでまたヘタレたらどうしようかと思ったわ」


「ど、どうするおつもりで」


と、私達はそんな事を駄べりながら進んでいった。

それから、しばらく歩いたところに


「ここよ」


「へぇーThe和風って感じだね」


「そうね」


と、私が入ろうとしているお店は築何年経っているかは分からないがかなりの年数がたった建物があった。

そこは、和風って感じがあった。窓の代わりに障子等も使われていてまるでどこかの屋敷見たいな場所だった。


「いらっしゃい。葉月お嬢様」


「葉月お嬢様!?」


「紹介するわ、こちらが今日浴衣を買いに来た。甘栗結衣よ」


「こりゃー....まぁ、べっぴんさんなこって」


「浴衣を探しましょか結衣に合う」


と、私は葉月の後ろに着いたきながら店内を見渡す。

店内は試着室や鏡が無かった。

ただ、

浴衣の種類は沢山あった。少し女物の方が多いが男性用のものもあり。アレとか先輩来たら似合うだろうなって思っていると葉月におでこに軽くチョップされた。



「これとか、いいんじゃ無いかしら」


いや、これじゃよ」


「1周回ってこれもありなんじゃない?」


私は今現在2人の着せ替え人形にされてました。理由は何とも理不尽なもので背は小さいし胸もあまり大きく無いことから様々な浴衣を着れるからだそうです。

キレそう


試着室は店の奥側にありました。

そこには、おばさんや葉月が次々と浴衣を持ってきては速攻で着替えさせ着替えさせの繰り返しでした。

そして、それから1時間ほどが経過


「うん、いいんじゃないかしら」


「これで、決まりじゃな」


ようやく決まったのか2人が意気投合していた。その後はお会計を済ませました。

浴衣は高かったです。


「はぁー疲れた」


「ごめんなさい。つい興奮しちゃって」


「うん、あんな葉月初めて見たよ」


「気おつけるわ。そして、それより連絡しないの?」


「えっ?今するの」


「だって、しなさそうだし」


「す、するよ!」


その後私は電車に乗るまで携帯とにらめっこしていました。

葉月はため息を再度吐きました。


「うぅ、書けない」


「なら、目の前にいるし言えば?」


「ふぇ」


私は咄嗟に前を向くと乗客に隠れている。先輩を発見した。

いつからいたの?


「せ、先輩!」


「なんでバレた。」


「倉町先輩、結衣が言いたい事があるらしいです」


と、葉月が私に誘えと言ってくる

私は覚悟を決める。折角前にいるんだし


「せ、先輩!私と夏祭り言ってください」


「お、おう」


先輩は何故か上擦った声を上げたが言えたー


「先輩、約束ですよ」


「わかってるって」


((あの2人電車内でイチャイチャするな))


と、この電車に乗っている誰もが思った

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