第15話 幼なじみと言う存在
「晴空先輩、待ってくださいよ」
俺は、今甘栗と共に帰路を辿っていた。
海斗達はジェラート食いたいとか言い出して一緒に帰ることが出来なかった。
まぁ、仕方ないか
「てか、名前呼びっていつまでなんだよ」
「一日が終わるまでじゃないですか?」
「今はあまぐ、結衣と2人しかいないんだから呼ぶ必要無いだろ」
「ま、まぁそうですけど.....」
と、何故か彼女は不服そうにする。
それに、こんな名前で呼びあっている所見られたら間違いなく勘違いされるだろ。
「晴空先輩.....せっかくの機会ですしもういっそこのままにしません?」
「そんな事したらますます疑われるだろ」
「なら、2人の時だけにしましょう」
「なんで、そこまで名前で呼び合いたいんだよ」
「そ、それは....」
2人の時だけ、ねぇ
別にそれなら大丈夫だと思ったがどこで誰が見てるのか分からないしな
「と、とにかく2人っきりの時だけ名前で呼び合いましょうよ」
まぁ、いいか。いいか悪いかで言ったら悪いがここまで、懇願されることは今まで無かったし
「はぁ、分かったよ」
「やったー!それじゃこれからよろしくお願いします晴空先輩」
と。彼女は上目遣いで俺の事を見てきた。
その後、俺たちは無事家へと帰りついた
翌日、連絡が書いてあった。
それは、『明日、何時でも学校の屋上に来て』と久しぶりに菜月とそう書かれていた。
菜月とは、あれ以来会話もしておらず目が時々合う事もあるが2人共話そうとすらしなかった。いつかは関係を戻せると信じていたが
無理だった
俺は、彼女に午後の7時に屋上でと連絡を返した。その後俺は眠った。
そして、迎えた。翌日
俺は、家を出た。そして学校へと向かった。学校への道のりはいつもより遠く感じた。
そして、学校へと到着した。その後は無意識に屋上へと行き扉を開けた。そこには菜月が立っていた。その綺麗な長い黒髪は風のせいか揺れていた。
「久しぶりだな菜月」
「そ、そうね」
と、その後無言が続いてしまう。
元々コミュ力に自身の無かった俺だが菜月とはよく喋れた。ただ、今ではこの有様だ。
すると、しばらくすると彼女の方から口が開く
「ねぇ、晴空。私たちって元の幼なじみの関係に戻れないのかな。確かに、私のせいだし。今更図々しいかもしれないけど....」
「多分、元の関係には戻れない」
俺はそう断言した。
俺が、彼女に告白をした時からそう決まってたのだろう。
もしも、彼女と付き合う事が出来たとしても前の様な関係にはならないかもしれない。
俺は、告白するまで相当悩んだ。そして、悩み元の関係に戻れないかも知れないと分かった上で告白をした。
「そうだよね.....」
「ただ....新しくやり直す事は出来るかもな。 」
「どういうこと?」
「俺と菜月は幼なじみだ。そこに拘る必要は無い。関係を初めからやり直そう」
そう俺は提案した。
今、思えば俺は今まで菜月の事は胸のどこかに刺さっていた。
そして、俺が今この現状を改善するにはこれしか思い浮かばなかった。
「それで、何か変わるの」
「変わるかは分からないけど.....もういっその事新しく関係をやり直せばいい。」
人間諦めが肝心
元の関係に戻したくてももう戻れないだろう。彼女が言う元の関係は休みの日遊びに行ったり、お互いの家で過ごしたりすることだ。俺が思う元の関係もそれだからだ。彼女に恋人がいる以上はそんな事も出来ない
なら、諦めて関係を変える。めちゃくちゃだが俺がこの小さな頭で考えれることの限界だった。
「そうだね」
ここには、さっきまでの重苦しい雰囲気は無い。
「じゃあ、よろしくね。晴空」
「あぁ、よろしくな菜月」
それから彼女と屋上にいた。
どんな事があったなどと話したのだ
久しぶりに話す菜月との会話はとても楽しかった。
「あ、そういえば。晴空って後輩と仲良いんだってね」
「まぁ、仲良いだけだけどな」
「ふぅん。付き合おうとか思わないの?
私が言うのも何だけど晴空には幸せになって欲しいから」
「今の所はないな」
「そっか」
「あぁ」
その後は彼女と別れ
俺は屋上で夕日を見ていた。
そして、俺はようやく胸の中にあったトゲが抜けた感じがした。
そして、そろそろ向き合うべきなのだと気づいた。
彼女、甘栗結衣との関係に
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