第7話 美少女後輩とデートへ行く。その1

学校の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り響く。そのチャイムで教師は教室を出る。

そして、一斉に生徒達が帰りの準備を始める。かく言う俺も帰りの準備を始めていた。


「最近、駅前にパフェ屋さんできたらしいよ。放課後行かない?」


と、駄べりながらギャル達が教室を出ていく。新しいパフェ屋ねぇー

パフェなんて久しく食べてないし、柳達でも誘ってみるか


「柳。海斗!」


と、帰りの準備をしている柳達に声をかける。

柳はこちらを振り向き、海斗は準備をしつつも耳をこちらに傾けている。


「今日、駅前にできたパフェ屋行かん?」


「あーすまん。俺今日バイトだわ」


「いや、お前バイトやってないだろ」


「じゃーな、晴空海斗」


と、柳は急ぎで準備を終わらせ教室を出てて言ってしまった。

まぁ、いいか。海斗だけでも誘って行くか


「海斗は行けるか?」


「アー、バイトバイト」


と、棒読みで教室を出ていった。

なんだ、アイツら


俺は、この日はパフェを諦め帰ることにした。そして、校門前には昼に見た顔がたっていた。


「あ、先輩!」


彼女は俺を見つけ子犬のように近寄ってきた。

俺は、視線を感じながらも彼女に近寄る。


「あの、先輩。土曜日暇ですか?」


「まぁ、特に予定と言う予定は無いな」


「良かったです。先輩ドヨウビワタシトパフェヤニイキマセンカ」


「なんで、カタコト何だよ。

まぁ、別にいいよ。丁度駅前のパフェ屋に行きたいって思ってた所だし」


「良かったです。後、連絡先交換しませんか?」


「まぁ、無いと待ち合わせとか不便だしな。でも、わざわざ交換するより時間あるし今からでも良いけど?」


「へっ?」


彼女はマヌケな声を上げた。

そして、オドオドしたように一旦スマホを覗き込んだ。

そして、何かを打ち始める。

そして、打ち終わったのか指を止める。その間にしばらく無言になる。

そして、返事が来たのか、顔をあげる。そして再度


「イヤ、ワタシキョウヨテアアルノデ」


と、先程見たような棒読み

まぁ、いいか

俺は、自分のスマホを出す。


「まぁ、いいよ」


「はぁー」


と、彼女は一息着いたあと

スマホをだし連絡先を交換した。

その後は彼女は一度学校に戻って行った。


「どうするか。視線が痛いし帰るか」


俺は、そうつぶやき帰路を辿った。



そして、迎えた。土曜日

待ち合わせ場所は、パフェ屋のある学校から2駅先の駅

俺は、そこに向かっていた。途中で合流できるか考えてたが、結果的には電車の中に彼女はいなかった。


そして、電車で揺られる。

そういや、何も考えづに受けたけどこれどう考えてもデートだよな。

そう考えると少し緊張するな。いくら後輩と言えど。


俺は、緊張を紛らわすため別の事を考えようと電車内にあるポスターに目を向けた。

そこには、夏祭りのポスターが貼ってあった。


懐かしいな。去年の夏休み菜月と行こうと思ったが断れたなー

てか、その時から付き合ってたのかもしれないな。結果的に柳と海斗行ったな。

今年もそうなりそうだな


そんな事を考えつつ目的の場所に着いたので電車を降りる。

そして、改札を抜け屋外へと出る。

俺は、少し歩きながら甘栗を探す。見つけたと思ったが、なんか変な奴らに絡まれてた。


その場を観察していると誰かに似てなくも無いなと思いつつも甘栗の方まで走って向かう。なるべく、優しい笑み浮かべながら


「ごめんごめん、待たせて」


と、彼氏彼女の待ち合わせですよ感を出しながら彼女の手を取る。

男たちはびっくりしつつも


「ちっ、彼氏持ちかよ」


と、舌打ちをしながら帰って行った。


「はぁー大丈夫?」


「は、はい。」


と、何故か彼女は下を向いたまま顔を上げない。そういや手を掴んだままだなと思い手を離す。


「あっ」


「ごめん、繋いだままだった」


「うぅ、全然構わないのに」


と、なんか呟いていたが

小さすぎて聞き取れなかった。


「えーと、それじゃあ行きましょうか」


と、彼女は歩き始めた。

俺も、その後を着いて行った。

しばらく歩いていると


「先輩、なんか手馴れてましたね」


手馴れてた?ナンパの時のあれか

それに、どう説明するか

説明方法を考えていると


「も、もしかして、 か、彼女とか居たんですか?」


「ぶっ、い、いるわけないだろ。

あれは、めっちゃ可愛い幼なじみがいたから慣れてるだけだ」


「そ、そうですよね。いないって言ってたし」


「俺、そんな事言ったけ?」


「いや、う、噂で聞きまして」


「なるほど」


俺、そんな噂あったの?

てか、噂されるほど有名人だったけ?まぁ、最近甘栗と絡むことによって注目を集めているのは確かだけども


「あっ」


と、急に甘栗が立ち止まり声をあげた。

俺は、何事かと思い立ち止まると彼女は夏祭りのポスターを見ていた。

さっき電車で見たやつか


「そういえば先輩って幼なじみさんと夏祭りとか行ったことあるんですか?」


「まぁ、中学の頃に」


「そ、そうですか。ちなみにですが。その幼なじみのことって好きなんですか?」


「まぁ、ついこの前までは好きだったけど今は、吹っ切れたかな」


「良かったー」


と、彼女は何か安心していた。


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