第6話 結衣さんは完璧美少女(笑)
俺は今現在電車内で揺られている。
今日は久しぶりに快眠でき気分が清々しい
ただ、その清々しさは一気に緊張へと変わった。
そう、甘栗結衣がこの電車内に乗ったのだ。
俺は、咄嗟に後ろを振り向く。そして、考える何故彼女がこの時間に電車に乗り込んだのか。
彼女は、今まで行き帰りが同じである事を知らなかった。それは、すなわち行きと帰りの時間が違うと言う事だ。
そして。俺は考える何故彼女と俺が同じ時間に電車内に乗っているのかを
.....ダメだ分からん
まぁ、弁当を作ると言っていたしたまたま時間があったのだろう。
そんな事を考えていると
「せぇんぱーい」
と、耳元に吐息と共に結衣の声が届く
俺は、反射的に後ろを振り向く
近っ、俺は顔を背ける
「どうしたんですか?先輩」
と、彼女は俺を覗き込むように視界に映る
「もしかして緊張してるんですか?」
ん?彼女ってこんな感じだったけか?
まぁ、気分によって変わることはあるしそれだろう。
この場合、俺はどうするべきだろう。
少し考えたあと
「そんなことは無いぞ。顔が近かったから背けただけだ」
「先輩.....それってどうゆう事ですか?」
「いや、キスしそうな距離だったからつい」
「くぅーー」
と、今度は彼女が顔を背けた。
甘栗と同じことをやろうか悩んでいると、電車が止まり激しい揺れが起きる
彼女は、その揺れで倒れそうになるが俺は咄嗟に彼女を支える
「うぅー」
と、彼女は先程の様に謎の呻き声をあげる
「はぁー危ないな、ちゃんと吊り革掴んどけ」
「は、はい。すいません」
その後は何事もなく降りる駅に着き。電車を後にする。
その後は彼女と少し会話をしながら行き先である学校へと距離を縮める。
「先輩、忘れてたんですけど。これ」
と、彼女からは昨日の様に弁当箱が渡された。
俺は、お礼をいいそれを受け取る。
ホントにいいんだろうか。
受け取った後彼女は急にモジモジし始める。
何か言いたい事があるのだろうか
顔も少しばかり赤い
少し、待った後に彼女は口を開く
「先輩、今日の昼、一緒にご飯食べませんか?」
「まぁ、特に特定して食べる人も居ないけど、いいのか。その好きな人がいるん」
「いませんって!」
俺の会話を遮り彼女が大声を出す。そして、彼女は先に歩き始める
なら何のためにと思いつつも、俺は彼女の後に続いた。
「よぉー晴空。今日はよく眠れた見たいだな」
「あぁ、昨日は疲れた。」
「そうか、良かった良かった」
あれ?それだけか
てっきり甘栗の事を聞かれると思っていた。
結局今日は彼女と一緒に学校まで登校した。その際に柳にも見られたと思ったんだが
そんな事を考えていると
「おはよ。柳、晴空」
「おぉ!」
「おはよ」
と、海斗がやってくる。
彼はそのまま何事もなく準備を始める。
あれ?マジで聞かれないの?
俺は試しに今日貰った巾着を机にあげてみる。2人は確かにそれを見たはずだが
何も反応が無かった。
あれー?おかしいな
俺は、2人の異常さを考えながら時間は過ぎ去って行った。
そして、迎えた昼休み
俺は、巾着を持って教室を出た。その後少し考え、1年生の教室に向かう
その間際に甘栗がいた。
「あっ、先輩。約束覚えてたんですね」
「そんな、驚くことか?
で、どこで食べるんだ?」
「えーと、ですね」
彼女は歩き始め
俺はその後を着いて行った。
しばらく歩くと、いつもは人が何人かは居るはずのベンチがある場所が空いていた。
「ここです。」
と、俺は疑問を浮かべながらもベンチに腰をかける。
その後、彼女は手に持っていた。俺と同じ色の巾着を取り出しそれを膝に置き。中身を取り出す。
俺も続いて弁当を取り出す。
「先輩、どうですか?今日は張り切って作りました。」
中には、昨日と違い。ハンバーグや春巻きなども入っていた。
張り切ったと言う事は両方手作りなのだろうか?
よく見ると春巻きなどは巻いている部分が甘い所などもあり手作り感があった。
「美味そうだな」
「でしょー!」
と、彼女は顔を高らかにあげる。
いわゆるドヤ顔的な感じだ。
俺は、それを無視し弁当を食べ始める。
彼女は、俺が食べる姿をじっと見ていた。
食べにくさを覚えながらも春巻きに口を付ける。
春巻きのモッチり感が伝わる
その後に春雨なども入っていてThe中華だった。
「上手いな」
「でへーそうですよね。」
と、彼女はしばらく俺が食べている姿を見ながら。自分の弁当にも手をつける
彼女の弁当は俺と全く同じでホントに作ったんだなって、感じがする。カップルもこんな感じなのだろうか
そんな事を考えながら弁当を次々に食べて行った。
そして、しばらくして弁当を完食した。
そして、彼女は俺が食べ終わったのをを確認して
「先輩。お弁当箱貰いますよ」
「あぁ」
ホントは自分で洗うのも有りかと思ったが色々面倒くさくなりそうなのでやめた。
俺は、かなりの面倒くさがりなようだ。
しばらく、空を眺めていると。膝に何かが乗った。
俺は、空から自分の足へと視線を移した。
そこには、甘栗が膝の上で眠っていた。
「スースー」
と、彼女の寝息が聞こえる
これどうするんだよ。
起こすのは可哀想だし、てかまだ授業有るんだよなー
俺は、そんな事を考える。
彼女が寝ている姿を眺めていると。
彼女が身動ぎする。その身動ぎのせいか彼女の顔に自分の髪がかかる。
その紙は甘栗色でとても艶やかな髪をしていてサラサラだった。
それから、しばらくたち休み時間の終わりを伝えるチャイムがなる。
すると、彼女はそのチャイムの音で目を覚ます。
「えっ?」
彼女は、膝から顔を上げこちらを向く
彼女は少し俺の事を見たあと顔がどんどん赤くなっていく。
そして、彼女は自分の顔を覆い隠し
「やっちゃったー!」
大声で叫ぶ
そして、彼女はベンチから立ち上がり顔を隠し走っていていった。
「はぁー、あーゆうの勘違いするからやめて欲しい。」
と、彼女が走っていく姿を見ながらそんな事を呟いた。
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