第4話 美少女後輩の弁当食べることになった

《結衣視点》


 私は今日早起きをした。

 理由は先輩に弁当を作る為、あわよくば告白されないかなと言う願望と共に


 私はもう自分から告白出来ないんじゃないかと思う。

 だって、告白しようと思ったら昨日のこと思い出して頭が真っ白になる。


 だから、目標は告白される事で余裕があったら自分から告白する。

 それに、自分で言うのも何だが私は美少女だし、弁当まで作ったんだから流石にね

 そんな淡い期待を胸に抱きつつ弁当を作っていった。



《晴空視点》


 俺の今の気分は最低だった。

 昨日、家に帰った後。速攻寝たせいで中途半端な時間に起きた。そして、寝ようにも眠気が来ない。別の事を考え用としたら真っ先に思い浮かぶのが昨日の出来事が頭に浮かびまくる。


 そういえば、あの日以来菜月とは気まづくて喋ってないな。

 間接的な会話と言えば連絡アプリのみだな


 それは置いといて、ようやく迎えた昼休み。

 今日は、ホントに疲れた。昼休みになるまで延々と昨日の手紙の事を聞かれまくった。

 一様濁し濁し話したが納得はしてなさそうだな。


 今、俺は購買に向かっている。

 パンを買いに来た。柳は今日は珍しく弁当らしい。昨日の残り物を詰めたらしいが

 海斗はいつも弁当。あいつは何気に料理が上手い。一度食べたことがあるが、レストランまでは行かないものの近しいものを感じた。


 俺は、親のみか転勤で一人暮らし。自炊自体は出来るのだが朝早く起きて弁当を作る時間があるなら寝る。

 てか、今思えば今日弁当作れば良かった。

 今更後悔しても遅いか


 すると、購買の近くで昨日見たことがある人物がいた。

 甘栗結衣だ。甘栗は購買前で誰かを探している様にキョロキョロしていた。

 その仕草は、購買に並んでいる人や食堂でご飯を食べているものも手を止めて見続けるぐらいには可愛らしい。


 そういえば、甘栗に関しては昨日柳や海斗にさり気なく聞いた所。かなりの有名人らしい一年生の中では、知らない人がいないくらいには有名人であり学校一の美少女なんじゃないかと言われるくらいには可愛いらしい


 まぁ、学校内の女子生徒に関してはつい最近までは菜月しか見えてなかった俺にとっては知る由もなかった。

 と、甘栗は目的の人物を見つけたらしく傍に寄ろうと小走りする。

 その仕草はまるで小動物のようだ。背もかなり小さいせいもあるだろうが


 ただ、その進行方向は俺の方だった。

 後ろに誰かいるのかと振り返るが後ろには生憎誰もいないし

 そう考えていると


「探しているのは先輩ですよ」


 と、囁き声が聞こえた。

 彼女は俺が後ろを向いている間に近くに寄ってきていた。


「先輩に渡したい物があって探してました。」


 彼女はモジモジしながらその渡したい物だろうものを渡される。

 それは、ピンク色の巾着だった。

 彼女は少し顔を赤くしながら


「私の気持ちです」


 と、耳元に囁き

 走っていった。その光景は周りの生徒の注目を集めるには十分だったらしく

 周りには俺に嫉妬の目を向けるものが多数いた。その他にも珍し気な視線を向けるものもいた。


 これは、購買に行けないなと思い

 この場を後にした。

 結果的に向かった場所は静かになれる場所階段裏である。


 俺は、そこで縮こまりながらその巾着を開ける。そこにはお弁当箱が入っていた。

 これは、手作り弁当って奴ですか?

 そう思いつつ蓋を開ける。中には弁当の定番タコさんウィンナーきんぴらごぼうや卵焼きなど男子が好きなものであろう物が広がっていた。


「うまそー」


 それは、声に出してしまうほどであった。

 それを食べていいものか迷いつつも気づいたら完食していた。

 とても美味でした。特に卵焼きは出汁が聞いていて美味かった。甘かったらどうしようかと思ったがそこら辺は甘い卵焼きではなくちゃんとした出汁を使った卵焼きだった。


 俺は、それに満足しつつもこの巾着をどうしようかと思いながら教室へと戻っていった。


 そして、時間はあっという間に過ぎ放課後

 結果的に弁当箱は放課後に返そうと思った俺は放課後の金がなり次第、校門前の目立たない場所にたっていた。


 特に巾着に関しては珍しく2人に何も聞かれなかった。むしろ柳に関しては何故かニヤニヤしていた。

 と、そんな事を考えていると目的の人物である甘栗がいた。

 甘栗は直ぐに俺に気づいたらしく小走りで近寄って来る。マジで子犬見たいだなと思いながらも彼女にお礼を言って弁当箱を返す。


 ただ、彼女はまだ何かを待っている様に俺を見ていた。

 そういえば感想を言っていなかったと思い


「弁当美味かったぞ」


 と、安直ながらも上手いという感想を伝えておく。彼女は何か少しガクと顔を下げていたが

 しばらくすると、顔を上げ


「満足してくれたようで良かったです。

 先輩が何が好きなのか分からなかったので男子が好きなものでいっぱい詰め込んじゃいました!」


 彼女はそう元気よく言った。

 俺はふと思う事があったがそれを言うのはやめておいた。

 すると、何かを決意した様に彼女は


「私と一緒に帰りませんか?」


 そう俺に伝えた。



《お知らせ》


 4話のタイトルを私の不注意により間違っていたのでタイトルを変更しました。

 どこら辺を変更したかは近況ノートに書いています。

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