第3話 可愛い後輩(笑)

「えーと、俺は倉町晴空です。」

「知ってます。」


 と、笑顔で返された。

 どうするか。まぁ、ラブレターっていう線は薄れたな。

 こんな美少女が俺に告白とか世界が終わってるわな。

 俺が告白するなら分かるけど


「先輩って、私の名前知らないんですね」


 何?有名人なの

 まぁ、こんなに綺麗だったら女優とかモデルとかになれるか。

 それにしても綺麗な顔つきをしてるな。美女というより美少女と言う言葉が似合うな

 大人っぽさは少なからずあるけど幼さの方ご強い。それに透き通るような綺麗な肌、名前の通り甘栗色の髪


 確かに、これなら学校内でも有名なのはあるかも知れないな。この人と付き合いたいって言う人は多いんじゃなかろうか。

 昔の俺なら幼なじみに出会って無かったら2秒で惚れてたな。

 今の俺は自分でも分かってる通り女性が怖い


 流石に自分では大丈夫と思いつつもかなりダメージ負ってるな。

 と、そんな事を考えていると


「あの、そんなに見つめられると.....」

「あ、ごめん」


 見過ぎてたか。

 彼女は顔を赤くしながら顔を逸らす。

 ただ、その顔は俺も顔を逸らしていたせいで見れなかった。

 そういえば、用ってなんだ思い出した俺は


「そういえば、用って?」

「あ、忘れてました。えーとこっちまで来てください。」


 と、彼女は屋上にあるベンチへと誘導する。

 俺は、釣られるがままついて行く。

 そして、そのベンチへと腰をかける

 彼女も距離を少し話しながら隣へと座る。すると、心地よい風が肌を撫でる。心地よい気温だ。俺は思わず


「「ふわぁ」」


 思わず欠伸が出る。ただ、隣でも彼女が欠伸をしており同時に欠伸をする形になった。

 彼女の顔はみるみる赤くなっていく。多分俺の顔も赤くなっているだろう耳が熱い。


「えーと言いたいことなんですが

 うぅ」


 彼女は、さっきの事を気にしているのか赤くなりながら下を向く

 そして、俺は思わず、可愛いと思ってしまう。


「えっ」

「あ、思わず口に」


 って、これも口に出た。

 やべー顔が見れねぇー

 どんな風に思われてんだよ。怖さに震える。

 キモイと思われたら人生終了するんだけど

 そう思っていると

 彼女は立ち上がる。そして


「無理ー!」


 と、そのまま走っていってしまった。

 あれー?俺嫌われてるのか

 て言うか言いたい事ってなんだよー!



《結衣視点》

 私は今、逃げた。

 今日は告白するつもりで来たのに

 晴空先輩を呼び出した時緊張し過ぎていつもの自分を出せなかったし先輩に可愛いって言われて頭が真っ白になった顔は熱いしそして、咄嗟に逃げてしまった。


 友達に頼んで手紙を渡したのに、これじゃあ届けてくれた意味無いよ。

 今日の私はいつもよりおかしかった。緊張のせいだ

 いつもならもう少しテンションも高いのに、先輩に可愛いって言われた私じゃない。

 もうキャラ変えようかな?


「はぁー」


 私は屋上から出た後、教室にむかっていた。

 教室には、私の友達桜葉月さくらはづきがいる。手紙も届けてくれたのは葉月だ。彼女は美人でよく目立つ大人っぽくて胸も大きくて、どうしよう顔向けが出来ない。


 くーこうなりゃやけだ

 私は屋上へ向け走った。さっきからあまり時間は経ってない。そして、屋上に上がる階段に先輩はいた。

 帰る途中だった。

 私は


「先輩!私明日からガンガンいくんで覚悟しておいてください!」


 私はなるべく自分の姿で先輩に伝えた。

 いつものみんなに明るいって言われてる自分で。今頃私の顔は真っ赤だろうな


「えっ?」


 先輩はなんの事かわかんない感じで驚いていたが

 私はそのまま走って葉月のいる教室へと向かった。先輩は何か言っていたが明日もある。

 そして、教室に着き葉月いた。葉月は窓の外を見ていた。私が入って来たのに気づいたのか私の方を向く。


「うぅ、告白できなかった」


 私は、申し訳なさそうにそういった。

 彼女は笑みを浮かべながら


「別に結衣が告白まで行けると思ってないって」


 そう言われた。私は思わず


「なんでよー!」


 そう、大きな声で叫んでしまった。




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