第2話
たわいも無い日常のキオク
あの日
そういえば.....っと
思いながら ぼくは家を出た
庭の切り株に座りこんでムスッとしながら
待っていたわよ、と言わんばかりに
目の前に走ってきたのはトキエ。
彼女は ぼくの双子の妹。
「にーちゃん遅い!
今日は一緒にお父さんのケーキを買うって
言ったじゃない!!!!」
あちゃーっと頭に手を当て
ぼくは 必死に謝った
トキエは 笑っていた
とある森の奥にひっそり佇む小さな店
店のおばあちゃんが作るケーキが
お気に入りな ぼくらは
祝いごとがあればいつも ここに買いに来る
そう今日は お父さんの誕生日
「おばあちゃん ケーキくださいな」
「おやおや、おはようさん双子の子らよ」
あ、おばあちゃんって言ったけど
見た目は 何故か若い。
理由は知らない方がいいそうだ。
他の人は 魔女だ魔女だと恐れて近づかない。
「今日は何の祝いだったか、、?」
「「お父さんの誕生日」」
「....そうかい、じゃあコレを持っていきな。
きっと親父さんの好きなもののはずだよ」
(本当に喜んでくれるといいんだが、、
'' 嫌な予感がするね '' )
「「おばあちゃん、ありがとう!!」」
ぼくらは 手を振りおばあちゃんの店を出た
少し暗い顔を見せるトキエ
「おばあちゃん、、、
何か様子が変だったよね?」
「うん、何か悪い未来をみちゃったのかも」
その夜 悪い未来は起きてしまった
たわいも無い日常になるはずだった
寧ろいい日なるはずだった
この日が ''あの日になる''
ぐしゃっ
鈍い音を立てながらケーキは潰れた
(おばあちゃん ごめん)
きおく。 Akila @akilawol19
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。きおく。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます