最終話
この2週間はとても長くて暇だったけれど、
いいことがあった。
マサキさんが気になっていたアオイさんとお付き合いすることになった!
そのお祝いにまた4人で食事をすることになった。
「おめでとうございます!」
「ありがとう!」
「「「「乾杯!」」」」
2人が仲睦まじく笑顔をつき合わせていると
自分もなんだか幸せな気持ちになった。
「マサキさんのどんなところが好きになったんですか?」
私は質問を投げかけてみる。
「んー…。本人を目の前にして言うのはあれなんですけど、ユウさんがお知り合い?とケンカしてるところをすぐさま止めに入ったのがカッコいいって思ったんです。」
本人って私?マサキさん?
ま、いいか。
「私が恋のキューピットになったって事ですね!」
「はい!元々少し気になってはいたのですが…、一歩が踏み出せなくてこのまま終わってしまうところでした。」
「よかったです!2人とも住んでいるところは近いんですか??」
「電車で1時間くらいです。」
「あ!じゃあ会いやすいですね!」
「はい!嬉しいです…。」
顔を赤らめながら惚気るアオイさんは可愛かった。
「私たちの話はもういいです!お二人も付き合ってるんですよね?」
「「「え?」」」
3人でびっくりする。
私と麒麟さんのことを指している。
「麒麟さんとは飲み友達ですよー。元々この3人大酒飲みなんでペースがあって一緒にいて心地いいんです。」
「そうです。昨日も呑んだくれてましたよ。」
「また呑んでたんですか?いい加減廃人になりますよ?」
「度数は低めだから大丈夫!」
「そういうことじゃないって!」
初めて4人で食事した店で、
新たな関係性になっておしゃべりする。
不思議な感覚だったけど、とても楽しかった。
マサキさん、アオイさんお幸せに♡
ここ最近は4人で行動したり、元の3人で行動することが多くなんだか長年の友人と旅をしているようで帰るのが寂しくなって来た。
大雨の中、空港に行き搭乗手続きをする。
「わぁーあっと今だったね。」
「そうだね。また仕事が始まるのかー。」
「「ハァ…。」」
マサキさんとため息をつく。
ぽんと2人の背中に手が置かれる。
「日本に帰ってもまた呑みましょうね。」
麒麟さんが笑顔で私たちを励ます。
「「はい!」」
キャリーバックを忘れていた私は、新しく買った大きめのボストンバックを預けてそれぞれの席に着く。
1人で楽しむつもりだった旅が、思いがけない出会いで嫌なことも楽しいことも想像の倍になってとても有意義な旅行になった。
また普段の生活に戻るのは憂鬱だけれど、
また旅行をするために頑張ろう。
私はイヤフォンをはめて目をつぶった。
外れたネジ 環流 虹向 @arasujigram
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