第2話
私の声をかけてくれた男性は、
マサキさんという名前で私と同じく1人でツアーに参加しているらしい。
服はもともと現地の気候を感じてから選びたいとのことで、いつも旅先で服を買うらしい。
マサキさんとは少し歳が離れていたが、気があうらしく会話が弾んでその日からツアーの自由行動では一緒に回る仲になっていた。
1人で行動したい時はその都度言えば、ひと返事でOKしてくれる優しい人だ。
ツアーも終盤を迎えてあと3日くらいになった。
「あのさ、俺気になる人いるんだよね。」
突然、バスを待ってるロビーのソファでコソっと教えてくれた。
「え!そうなの!どこの子、どの子?」
「あの…グループの黒髪の子で今ダウン着てる子。」
「…あー!あの優しい子か!」
「そうそう、みんなに気遣い出来る良い子。」
「え、どうする?ご飯誘ってみるの?」
「うーん。でもなぁ、自信もないし、金もないし、時間も残りわずかなんだよなぁ…。
旅で終わる恋になるのも嫌だしなぁ…。」
「えー!でもせっかく好きになったのにアタックしないなんてもったいないよ!」
「でも、そんなに金持ってきてないから、良いとこ連れてけないよ。」
「いいよいいよ。私も少し出すよ。」
私はカバンの中の財布をみるが散財してしまったのでギリギリ夜ご飯2日分しかない。
「…ごめん。全く金なかった。」
「いいよ、あっても貰えないよ。」
トントンと、マサキさんの肩を誰かが叩く。
後ろにいた男の人…え!芸人の麒麟さん!
「これで、デート行って来なよ。」
低音ボイスが耳に残る。
「えぇ!いやいや貰えないです!」
マサキさんはびっくりしながら断る。
ツアーにいたんだ…、気づかなかった。
「いいよ。 周りの人を幸せにするためにやりたいんだ。これで頑張ってこいよ。」
「ぇえ…。」
マサキさんが困る。
私もその立場だったら同じ顔をするだろうう。
「じゃあ、僕と君達と思い人と4人でご飯に行こうよ。僕とあなたはどこかでこっそり抜け出そう。」
「良いですね!」
「いやいや…。そんなの…」
「あと3日。人生一度きり僕たちと楽しもう。」
「楽しもー?」
「ユウさんまで…。んんー…。」
マサキさんはしばらく考える。
「僕あの子誘って来ちゃいますよ?」
「いやいやいや!わかりました!よろしくお願いします!」
「よし!豪遊だ!」
「楽しみましょう!」
麒麟さんと私で盛り上がる。
マサキさんはまだ納得が言ってないようだったけど、こんなこと滅多にないから自分から踏み出してみないとわからないよね!
マサキさんは1人で気になる子に声をかけて、
OKをもらっていた。
私と麒麟さんは少し遠いところで見守っていたので一部始終見てたけど、なんだか感触いい感じ!
今日の夜ご飯楽しみだなー♡
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