Part2 第2話

階段を音をたてずに降りる。


降りてるよね?玄関がある1階にたどりつかない。

逃げ出せないの?


階段を降りるのをやめて廊下にある窓を開けてみる。

なぜか鍵が開かない。

どこからも出られなくなっていた。


どうしよう。

何かわからない恐怖が迫ってくる。


「おい。」


「わぁ!」


びっくりして大きい声を出してしまった。

口を押さえ後ろを振り向く。


先輩が立っていた。

先輩は委員会で知り合い、話をするようになった。

しかもイケメンで優しい!

友達はこの先輩に想いを寄せているのでたまに手伝っていた。


「お前なんでここにいるんだ?」


「え?何でですか?」


「お前以外の生徒が一瞬で消えたんだよ。いつもだったら校庭で部活やってるサッカー部もいなくなってる。」


「私の友達がどこかにいるはずなんです!」


と事の経緯をすべて先輩に話す。


「俺の人形もいなくなってたんだよ。」


これはなにかあると思い二人で調べることにした。

近くの物置になっている部屋に隠れネットで調べる。

メッセージを友達に送ろうとしたがなぜか送れなくなっていた。


「おっ、っぽいのあった。」


先輩の携帯をのぞき込む。

はさみで正しい順序で切って燃やすみたい。

とりあえずはさみを探しに美術室に向かった。


中に入ると友達の一人がいた。

先輩に惚れているあの子。


「会えてよかったー!」


と再会を喜びながら今後のことを話す。

すると


「ごめんね。あんな人形プレゼントしちゃって。」


「こんなことが起こるなんて誰も思わないよ。」


「私があの人形を切るよ。」


「え!でも…」


「お願い、やらせて!」


「わかった…。」


先輩にあの説明を見せてもらった。

しっかりと確認する友達。


[カラカラカラ…]


扉が開く音がする。

体をかがめて隠れる。

人が歩いてくる足音は聞こえなかった。


三人でしばらく息をひそめることにした。

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