Part2 第1話

最近学校で流行っている糸がぐるぐる巻かれている人形。

キーホルダーにしては少し大きいけどそこが可愛い。

カラフルでそれぞれ好きな色の人形を付けている。


そんな私も赤い糸巻き人形を持っている。

友達にプレゼントでもらった。


「行方不明になった子また増えちゃったって。」


え?また?と話を続ける。

ここ最近この高校に通っている生徒が数人いなくなっていて問題になっている。

しかしみんな家にちゃんと帰って家の人と過ごしてからいなくなってしまうらしい。

ただの家出と考えにくい。

荷物もなにも持たずに家出なんて不思議だ。


しかも共通点があの糸巻き人形を持っていた人という。

でも校内で4割近く持っているのでそんなに気にせずスクバにつけていた。

他の子もそんな感じ。


放課後友達とだべるのが習慣になっている。

毎日話しているのに尽きることがない。


「え!?」


「なに!びっくりした。」


「急に大きい声出さないでよ。」


「動いてる…?」


「なにが?」


何かに驚いた友達がそれを指さす。

指さす方向を見ると私の人形がバッグから外れて立っている。


「外れちゃったのか。」


と人形を拾いに近づくと人形がひとりでに動き出した。


驚きと恐怖で教室から逃げ出した。

二人もその様子を見てたらしくバラバラの方向に逃げてしまった。

思わず逃げてしまったがあれは何だったのか。

なぜ急に動き出したのか。


怖いながらも少し落ち着きを取り戻したので友達を探しに行くことにした。


あの人形と出会わないように息を殺しながら探す。

一つ一つ教室をのぞくが見つからない。

どうしよう、もう外に逃げたのだろうか?

私も外に出ようと玄関に向うことにした。

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