Ep.2 スーツと彼女の示す道 ②
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「早く逃げてください!!」
ジーナが人々を庇うように光の
虎の身体に山羊のような角が生え、鷹のような翼を持ち、尾が蛇のようになっている全長4m程のそのモンスターは所謂、
口をくつわで塞がれ、脚に千切れた鎖をつけられたその
ジーナの後ろで、小さな女の子が恐怖のあまりしゃがみこんで泣いている。
「は、早く逃げるわよ!!」
母親らしき女性が、女の子を抱き抱えて
「あの、ありがとうございます!!」
一瞬振り返ってお礼を述べた母親に、ジーナは笑顔で返すと、再び
その先に逃げ遅れた人がいれば、ジーナは先回りして
そこに、衝撃音を聞きつけたルディオが現れる。
「
ルディオは周囲の状況を確認し、なるべく多くの情報を集めた。
壁や地面に何カ所かクレーターができている。
ルディオが聞いた衝撃音は、
そして、道端には大型トラックが転がっていた。
それは先ほどジーナが注目していたトラックだ。
その荷台は、大きな力で無理矢理破壊されているように見えた。
ルディオは推測を巡らせ、ハッとする。
当のジーナは、
細かい話は後にして、今は加勢するのが先決に違いなかった。
「ジーナ!!」
「あ!! ルディオさん!!」
ルディオが駆けつけると、ジーナは粒子化して彼に憑依した。
幽霊のように半透明になり、ありとあらゆる干渉を避ける最高の護身魔法『粒子化』。
その状態で他者に取り付き、魔力を与えるのが『憑依』だ。
クローネに魔力をほとんど奪われたルディオだったが、ジーナの憑依によって奪われる前よりも遙かに高い戦闘力を発揮することが出来た。
「死ねぇッ!!」
ルディオが腰のサムライ・ソード《村雨》で斬りかかると、
そして、ルディオの放った斬撃は
斬られた角が地面に落ち、砕ける。
幸いにも人がいなかったので何も起こらなかったが、一歩間違えれば大事故であった。
「ルディオさん!! 町中なんであまり無茶しないでください!!」
「ああ……!!」
あまり派手な戦い方ばかりしていると、町に被害が出る。
建物の中にも逃げ遅れた人がいるに違いないのだ。
ドンッという衝撃音とともに壁は凹み、
すると、
先のドラゴンとの戦いでも見た、熱線だ。
その銃口は、レンガ造りの建物に向けられる。
「ジーナッ!!」
「はいっ!!」
ルディオは標的となった建物の壁を垂直に走り、あえて
そして
数秒の間、熱線に晒されるジーナの
ルディオは壁にサムライ・ソードを突き刺すことで、それを支えた。
そして熱線が止むと、ルディオは
じたばたと暴れてルディオを振り落とそうとする
「吐くんならてめぇの血を吐きやがれぇッ!!」
そして、
「があああぁぁっっ!!?」
ルディオの要望通り、
「くそっ……!!」
血液で手を滑らせたルディオはサムライ・ソードを放してしまい、そして
ルディオは地面にドンッと足から着地すると、体勢を立て直して走り出す。
「《村雨》を放しちまった!! もう一回乗るぞ!!」
「はいっ!!」
ルディオが喉奥に深いダメージを与えたおかげか、
そして、ルディオを明確に敵として認識した
その攻撃を避けて、再び
「うぉらァッ!!」
「があああぁぁぁぁっっ!!!」
痛みのあまり鳴き声をあげながら、大量の血を吐き出す
そしてルディオはサムライ・ソードで
力の入れづらい体勢もあり、分厚い筋肉や骨に遮られて内側までは傷つけられなかったものの、ルディオの腕はその皮膚の下に完全に埋め込まれた。
そして、暴れ回る
「臓破抜刀術!!」
ルディオはそう叫ぶと、ルディオは
「あがっ……!!?」
ルディオが
そしてその死骸は、ゆっくりと高度を落としていく。
「ルディオさん!!
「わかった!!」
ジーナの呼びかけに応じて、ルディオは出来る限り
そしてジーナは、その頭からお腹を覆うように
翼による飛行を失い、急速に落下していく
その身体は滑空し、レンガ造りの建物に突っ込んでいく。
「ハァッ!!」
しかし、その衝突時にジーナの
そして建物は無傷のまま、
ルディオはしがみついたその身体が徐々に熱を失っていくのを感じながらも、立ち上がってスーツに付着した毛をはらっていく。
そしてジーナも、粒子化と憑依を解除して自らの足で地面に立つ。
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