第四話〜正義の名の下に〜

G「俺直属の全SVに通達しろ!レイジ教官及びに風紀委員長の拘束!

副会長が戻り次第、尋問する!」


SV「お待ちください!I様の発言には、一部誇張している部分が—」


G「貴様、執行部に歯向かうのか?」


SV「いえ…」


G「速やかに任務を実行しろ、行くぞ‼︎」


SV達と共に出て行っていった—



I「ククク、単細胞は使い易くて助かる」


N「足下には十分気をつけなよ、I」


I「⁉︎—誰かいるのッ⁉︎」


—しかし気配はなかった


I「気のせい…か…」



—生徒会専用廊下—


SV📱「G直属の全SVに告げる!

任務内容はレイジ教官、風紀委員長両名の拘束、最優先事項だ!」


入り組んだ通路から次々とSV達が合流していく、その数およそ50


G「教官には二人でいい、残りを全てクロサキに回せ!

向こうはホームで俺らはアウェイだ—混戦になる、気を引き締めろ!」


SV達「了解!」



—風紀委員受付ゲート—


GM「止まれ、生徒会メンバーが何の用だ

本日の謁見予定はない、立ち去れ」


G「押し通るッ!!」


GM「お前は⁉︎執行部のッ!ぐああああああッ⁉︎」


轟音と爆音—

その二つが鳴り響いた瞬間、衝撃波が巻き起こった—

ゲート全体が、爆風にでも巻き込まれたかのように変形していた


SV(これがG様の力…さすが生徒会執行部メンバーの一人…)


警報装置が作動し、アラームが鳴り響く


G「トップを捕れば風紀委員は終わりだ!突撃!」


—三階・通路—


GM📱「副風紀委員長!」


シズルギ📱「今の地響きは⁉︎」


GM📱「生徒会共です!執行部のGを筆頭に、

数十人規模で正面ゲートを突破した模様!

一階はほぼ壊滅状態との報告あり!しかし防衛システムが作動した事により

これ以上の侵攻は未だ確認できていません!」


シズルギ📱「執行部のGがいるのなら突破される、

至急風紀委員長マスターに!」


GM📱「了解!」


シズルギ📱「今動員可能なメンバーを全てゲートへ!

お前達は私と来て!」


周囲にいたGM達と共に現場へと向かった



∽五分後∽

—二階・閉鎖壁前—


GM「近距離班はカウンター狙い!遠距離班は防御魔術で前衛の援護!」


地鳴りが大きくなってきた瞬間、防護扉が自動で開き始めた


シズルギ「何をやっているの⁉︎これじゃ奴が—」


クロサキ「駄目でしょう?執行部相手に防護扉は何の意味もない」


後ろを見るとリモートで扉を開けた張本人が立っていた


シズルギ「マスター!申し訳ございませんッ!対処が遅れ

敵に侵入を許してしまいました…」


クロサキ「副委員長には何の落ち度もない、あるとすれば—」


G「ありゃ…扉が勝手に—」


風紀委員のトップと、生徒会執行部メンバーが対峙する—


クロサキ「常識の欠片すらない、このデカ男」


G「よぉ風紀委員長クロサキ・サクヤ!お前を、

生徒会への執行妨害、及び副会長ユズリハ・レツィアの襲撃容疑で拘束する!」


クロサキ「——」


G「図星を突かれ、ぐうの音出ぬか」


この状況下で彼女は笑みを浮かべていた


G「…何がおかしい?」


クロサキ「どの様にしてその解に至ったか、面白すぎて大爆笑よ—

生徒会とは狂乱者の集まりなのかしら?」


G「貴様…侮辱罪も追加して欲しいようだな」


クロサキ「—もうこの際だからハッキリ言おう、全ては生徒会の隠蔽体質にある

副会長襲撃現場を偶然目撃してしまった教官—更には副会長の負傷—

そんな事が公にでも知れ渡れば当然、威信問題に発展し生徒会の地位が揺らぐ—

必然的に生徒会が取る行動は一つ——目撃者もろとも闇に葬る—」


SV達がざわつき始める一方、GM達は風紀委員長の次の指示を待つ


クロサキ「それを察知した我々風紀委員が阻止したまでの事—」


その瞬間、彼女の気配が殺気立つ


G「ッ⁉︎」


クロサキ「貴様らのエゴの為に、無実の人間の命が奪われて良い筈も

理由も、到底存在しない」


G「……」


SV達の中には明らかに動揺し、疑いを持ち始めている者もいる

それは、何も事情を聞かされていないメンバーも居たからである


クロサキ「これらの話は全てが事実であり、この事態は

生徒会の一方的な独断によって引き起こされた暴動である

—よって、聖煉法第七条を適応し

風紀委員の執行権限において、Gを含むSV全員を処罰する」


SV「G様…御命令を…」


G「…想定された結果だ、臆する事なく任務を全うしろ!」


SV「御意ッ!」



∬生徒会執行部∬


レツィア「そこにいるんでしょう?」


N「Iには察知されなかったんですけどね、さすがです副会長」


レツィア「SV達はどこ?」


N「特務があるとかないとか—」


レツィア「ごめんなさい、


N「風紀委員のとこだよ、Gが—」


レツィア「—Iだ」


N「…そ、入れ知恵したのが彼女、でGが今は指揮してるよ」


レツィア「なぜ止めなかった?」


N「ボク一人に、彼ら二人を止める力がないの知ってますよね?」


レツィア「—現場に向かう、お前も一緒に来てもらう」


N(やれやれ…殺気で人を殺す気ですか…)



—二階・防護扉前—


辺りはまるで、爆撃機による無差別攻撃を受けたかのような

無残な光景が只々広がっていた

そして、あちらこちらにSV達が倒れ、拘束されている


G「腑抜け共がッ‼︎」


腕に刻まれた術式の封印を解放する—


G「出し惜しみはもう無しだッ‼︎

生徒会執行部の力ッ‼︎今ここで証明するッ‼︎

地を抉り極致を制すアギドクエイク


§アギドクエイク§

ランクA +

大地操作の最高位魔術

周囲の地面全てが術主の意のままに支配可能

更に会得している為、Gオリジナルの要素も加わっている


床、壁が瞬間的に変異し、全方位より回避不能の圧死壁が襲いかかる


クロサキ「—“粛清すべき断罪の咎”」


G「ッ⁉︎こ、これは…?」


迫っていたはずの圧死壁が、何事も無かったかのように

元の壁と床に戻っていた


G(偽装か…?俺は最初から既に奴の術中に—)


—音速の何かが男に迫る


G「“地に蠢く数多の—”(ぬ…間に合わんッ)」


その刹那の間をかいくぐり、男の間合いに入った


クロサキ「(二重連動戦術)“粛清すべき螺旋の咎”」


§二重連動戦術デュアルクラッチ§

一種類の魔術行使中に、更に別種の魔術を重ねる技

魔術ではなく、戦術に分類される

極めて特殊な技術であり、生まれつきの先天性が必要となる為

修練では習得不可能とされる

尚、これが出来なければランクSには行けない

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