霊魂
陳腐な……と評するには、結構成功例が多いので微妙な話題なのですが、死んだ人が霊や魂となって見守っている的な展開の事です。
ともすれば普通に生前と同じようにコミュニケーションを取れて、時には物理的な干渉もやってのける。
個人的に「それは死んだ意味があるのか?」と思ってしまいます。
それこそ陳腐な言い方になりますが、死と言うものの意味とは、その者がそれ以降絶対的に失われる事。世界や他人と繋がりを持てない断絶にあると思います。
永久に失われるものとは、人間関係に付随する“情”だとか“絆”かも知れないし、軍や組織にとっての戦力かも知れない。
そして、死と言うものが絶対的だからこそ、逆説的にその者の生が重いものとなる。
例えば「使命を果たした後は成仏しなければならない」と言うのなら、長期的な未来は閉ざされているので悲劇がしっかり機能している、とも言えるかも知れません。
しかし、それでも「死後に交流可能」と言う例外を作ってしまうと、死のショックに対するクッションになってしまうと思います。
順当に考えると、死んだ者が死後に影響を及ぼすとすれば、生前にそうなるよう仕込んでいたり、その人の影響力が本人の手からすら離れてしまっている程に多大であるか、だと思います。
有名な所では、死せる孔明生ける仲達を走らせる、の故事などがあるでしょうか。
あとは、生存者が故人との対話を空想したり、夢に故人を見たりと言うのも、死者が生前に残した影響の残滓と言えるでしょう。
ちなみにその場合は、生存者の空想なのか、本当に幽霊なのかは、ちゃんとはっきりさせて欲しい所ですね。そこが有耶無耶だと、要らぬ所で読者が躓きます。
しかし重ねて言いますが、この手法を取っている“有名作”は概ね成功しているイメージはあります。
確かに死者が介入したり、何かを訴えかけると言うのは、現実には起こり得ません。(基本的には……ね。ケーッケッケッケッ👻)
そう言う意味でも、命尽きた者の声を描けるのは、物語の世界の特権でもあります。
ただ、くどいようですが、その手法に必然性はあるのか否か。そして、デメリットを受け入れるだけの価値があるのかどうか。
そう言えばかなり横道に逸れますが、ファンタジー等で所謂“ゴースト”だとか“ファントム”だとかの霊魂系モンスターを戦力として巧く描ければ、なんか可能性を感じます。
ゾンビとかスケルトンは物質だからわかりやすいし、よく見かける気はしますが。
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