暗殺
以前、プレステ4でスカイリムをプレイしていた時の事。
よく晴れた昼下がりの街道で、左右の手に長剣を持った男が急に斬りかかって来ました。
どうやら私に仕向けられた暗殺者だったようです。
すぐそこに醸造所のある人里のど真ん中、真正面からキレッキレの二刀流で襲い来るそれを返り討ちにしたあと、私は思いました。
これを暗殺と言うのは如何なものか……。
なお、前作のオブリビオンでは「重装甲冑を着込み、正面から巨大ハンマーで標的を叩き潰す」事を信条とした暗殺者も居たらしいので、それに比べればマシな方でしょうか。
……いや、ちょっと待って頂きたい。
そもそも、暗殺の定義とは何か、を考え直してみましょう。
暗殺とは、ある目的のために特定の人物の殺害を計画・実行する事です。
つまりその定義は、計画して殺すと言う“目的”にあるわけで、闇に乗じたステルスキルと言う“手段”にありません。
坂本龍馬は別に忍者に殺されたわけではないし、リンカーン大統領暗殺は劇場の只中、至近距離からピストルで行われました。
そんなわけで、あらかじめ気取られなければ、気炎を上げて槍で刺殺した挙げ句に首級を掲げようが、軍事基地をハッキングした挙げ句にミサイルを撃ち込もうが、暗殺として認められるわけです。
ちなみにテロとの違いも“目的”にあります。
テロも大体、政治的な意図が起点となりますが、暗殺と違うのは目的が示威にある事とターゲットが不特定多数である事です。
つまり、爆破テロでたまたま敵対勢力の指導者が死んだとしても、それは暗殺にはなりません。
別項「脳筋」の話題でも触れましたが、確実な奇襲・殺害・撤退や証拠隠滅などの事後処理がきちんと出来るのなら、正面からハンマーで殴りかかる為の“策略”がきちんと出来ているのだと思います。
また、スカイリムの暗殺ギルドには「派手な攻撃魔法で仕留める」と言うこだわりの暗殺者も居ましたが、それも下準備と後始末は几帳面にやっているのでしょう。
暗殺と言うと、大多数が以下のようなイメージを浮かべるのではと思います。
・使われる凶器はナイフや時には徒手空拳など、隠密性が高い物
・もしくはスナイパーライフルによる狙撃
・たまに毒殺もする
・夜闇に紛れたり、人気の無い場所で行われる
・実行犯は大体スリムで、忍び装束やウェットスーツみたいなのを着ている
暗殺と言う行為の目的から、装備にステルス性が求められるのも当然ではあります。
ターゲットの殺害に成功した後も、可能な限り証拠の隠滅や逃走を成功させねばなりません。
その為か、物語における“暗殺者”のデザインも自ずと偏りが現れていると思います。
裏を返せば、ユニクロの服を着た通行人Aだと思っていた人が急に豹変して誰かの首をへし折ったのなら。ステレオタイプから外れて、かなり不気味な絵になるのではないかと思います。
モンスターを召喚したり煽動する手も面白そうです。その世界の法律如何で責任がどうなるか、とか痕跡は残るのか、とか。
現実で言えば訓練した猟犬などを仕向けるようなもの、と言ってしまえばそこまでですが。
スカイリムで暗殺ギルドに所属すると、思い思いの手法で任務に携われて面白かったです。
ハードをお持ちの方は色々とおすすめです、スカイリム。
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