第12話 アリスのアルバム
キス未遂があった後、師匠から再びアリスちゃんの事を知る勉強会? が始まった。
何でも、空間複写装置という高価なマジックアイテムにより、視界に映る様子がそのまま紙に残せるそうで、
「ほら、見てみろライリー。これはアリスが九歳の時に、初めて俺に料理を作ってくれた時の様子だ」
「アリスちゃん可愛いっ! 九歳の時点でメチャクチャ美少女ですね」
どこからともなく師匠が持って来た本の中に、アリスちゃんの姿が沢山描かれていた。
「だろ? それだけじゃないぞ。この服装からは分かり難いが、この時点で既に胸が膨らんでいたからな」
「お父さんっ! だから、そういう事をライリー君に言わなくてもいいのっ!」
「よしよし。アリスちゃん、落ち着いてね」
食卓のテーブルの上に本を広げ、そこに描かれているアリスちゃんの当時の様子を、師匠が一頁ずつ解説していく。
それが俺だけならば構わないのだが、何故かアリスちゃんを同席させているから、すぐにアリスちゃんが口を尖らせ、それを隣に座る俺が宥める事に。
とりあえず、師匠が俺たちの対面に座ってくれていて良かったよ。これで、アリスちゃんが師匠の隣だったら、何回おっぱい挟み――もとい、関節技が繰り出されていた事やら。
ちなみに、正式には腕挫十字固とかって名前らしいけど、俺からすれば腕がアリスちゃんのおっぱいに挟まれるご褒美であって、師匠にそんな良い思いをさせたくない。
そんな想いから、一頁毎にアリスちゃんを抱き止めているんだけど……きっとこれが、役得という物なのだろう。
「そうそう。こっちはアリスの十歳の誕生日だな。胸が大きくなったから、可愛いブラジャーをプレゼントしてあげたんだよ。確か次のページに……あった。アリスが自分の部屋で初めてブラジャーを着けた所を、こっそり撮ったんだ」
「ちょ……お父さんっ! 何て事しているんですかっ! というか私、こんなのを撮られていたなんて、今初めて知ったんですけどっ! ……あ、あと、ライリー君は見ちゃダメーっ!」
幼いアリスちゃんの下着姿の絵が、凄くリアルに描かれているんだけど……大きい! これで十歳だなんて……
「って、急に何も見えなくなったんだけどっ!」
「見ちゃダメですーっ!」
えーっと、これはアリスちゃんの手かな?
どうやらアリスちゃんが、両手で俺の目を押さえているみたいだけど、今のページは飛ばして良いから、もっと幼い頃のアリスちゃんを見たいんだけど。
「お父さん! もう、それは片付けてください!」
「はっはっは。もう五年も前の様子なんだから、良いじゃないか。……今は、もっと大きいし」
「もぉっ! お父さんっ!」
アリスちゃんが怒って師匠に向かって行きそうな気配を感じたので、両腕でしっかりアリスちゃんの身体を抱きしめる。
……って、あれ? やけに柔らかいな?
「ら、ライリー君っ!? ど、どうして突然お尻を……」
「えっ!? ご、ごめん。アリスちゃんを止めようとして、でも見えないから……ご、ごめんね」
「あ、謝るなら、お尻を撫でている手を離してください!」
「ご、ごめん。触り心地が良くて、無意識に撫でちゃってた!」
未だに目をアリスちゃんに塞がれながらも謝っていると、突然パシャっという聞きなれない音が聞こえてきた。
「お、お父さんっ!? いつの間にそのマジックアイテムを……というか、何を取っているんですかっ!」
「え? アリスと将来の息子が、目隠しプレイで和気あいあいと楽しんでいる様子を残しておこうかと思って」
「何が目隠しプレイですかっ!」
「お、紙に描かれたぞ。ライリーにお尻を撫でられ、恥ずかしそうにしならがも、ちょっと嬉しそうなアリスの表情がはっきりと……」
「お父さんっ! その紙を、今すぐ捨ててくださいっ!」
……えーっと、目を隠されていて分からなかったけど、アリスちゃんは喜んでいたの?
真偽が分からず、ちょっと見せて欲しいんだけど、相変わらずアリスちゃんが目から手を離してくれない。
「そうだ。このマジックアイテムをライリーにやろう。小型で操作も難しくないから、アリスが俺には見せない表情を紙に残して、後でこっそり見せてくれ」
「お父さん! ライリー君に私のどんな表情を撮らせる気なんですかっ! ……というか、そんな恥ずかしいシーンは撮らせませんっ!」
「え? 普通にデート中の様子とか、俺には見せないような恋人に向ける笑顔とかを……あっ! はっはーん。さては、アリス……もしかしてエッチな事を想像したんじゃないのか? 流石の俺でも、娘のそういう所を覗く気は無いから安心しろ」
「え……ち、違いますっ! わ、私はそういう事を……ち、違うんだからーっ!」
あ、アリスちゃんが逃げた。
ようやく目が見えるようになったので、アリスちゃんを追いかける前に、チラっとさっきのお尻を触ってしまったシーンの絵を見てみると……絵の中のアリスちゃんが顔を真っ赤にしながらも、微笑んでいた。
ひょっとしてアリスちゃんは、お尻を触られるのが好き? ……いや、流石にそれは無いか。
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