泡タイム。
昼飯は一旦おあずけ。
足にかかった
「うわー、ワンピースもぐっちょぐちょだー」
姫は脱衣場で汚れた服を脱ぎ、洗濯カゴに投げ入れていく。オレがいようとお構いなしに肌を
「お兄さーん、早く入ろうよー」
すっぽんぽんになった姫は風呂場へ直行。シャワーを浴びながらオレの到着を待っている。
オレは急いで着替えて、浴室へと向かった。
「はいはい。来ましたよ――うぉっ」
風呂場の引き戸を開けると、そこにはすべすべの
いつも露出度高めで半脱ぎ姿もよく見ていたので驚きは少なかったが、今の姫は一糸まとわぬ姿……つまり全裸。幼い体には一切の防御がない、目のやり所に困る破壊力抜群の状態だ。
意識しちゃいけない。いくら彼女が挑発的でこの混浴も狙ってやったことだとしても、
「もうっ、遅~いっ……って、何その格好」
「わ、悪いかよ」
振り返った姫はオレの下半身を
大体想像通り、彼女はオレのいきり立つジュニアが見たかったようだ。
だが残念。オレはその対策に水着を
大学生になったらきっとアウトドアな機会もあると思って買っておいた、ボクサータイプの水着だ。まさか最初に使うのが風呂場になるなんて、購入時には
「あたしだけ裸なんて不公平だー」
「オレは足しか汚れてないから、いいだろ別に」
「水着でお風呂なんて変だよー」
「うるさい。さっさと体を洗え」
「きゃーっ!?冷たーいっ!?」
ねちねちと文句を言い続けるもんだから、レバーを
「お兄さんひっどーいっ!」
「ぐふっ……い、いつまでもゴネているお前が悪――あばばばばばばばばばばばば」
仕返しに強威力のシャワーを顔面にぶっかけられるハメになったが。
「ふぃ~……」
オレの汚れは少なかったので、すぐに洗い終わって湯船の中へ。
浴室内の湯気は少なく、壁の模様や黒ずみがよく見える。もちろん姫の姿もはっきりくっきりなので、なるべく目線を向けないようにしている。アニメの自主規制だと都合良く湯気が乳首と局部を隠してくれるんだろうけど、現実はそんなにうまくいかないのだ。まぁ誰も興を
「一人でくつろいでてずるいー」
「いいだろ、オレの家なんだから」
バスチェアに座って体を洗う姫は、顔だけこちらに向けて文句を垂れてくる。
最近は家族の一員みたいな調子で家の中を歩き回っているが、姫はあくまでも客人だ。ついでに言うと元不法侵入者だ。偉そうにする権利はない。
だいたいこうやって風呂場を使わせてもらっているんだから、文句を言われる筋合いなんて全くないぞ。
「そんなにくつろぎたいなら早く体洗えよ」
「だってぇ、べとべとするところが多いんだもーん……」
がっつり卵液浴びるハメになったのは全てお前のせいだろ、と。どうしてボウルがUFO化するのか、本当に謎だぞ。
色々とツッコミを入れたかったのだが、言えば十倍になって返ってきそうだったので心の中だけで留めておく。
それはそれとして、確かに時間がかかり過ぎだ。
まだ子供なので洗うのが遅いというのも相まって、なかなか汚れが落とし終わらないのか?自分が幼かった頃も結構スローリーだった気がするけど……。
「う~~~ん……届かない~~~っ」
あと、背中をうまく洗えず
「ねぇお兄さ~ん、お背中流してほしいなぁ」
「自分で出来ないのかよ」
「だってまだ子供だも~ん」
どの口がほざくんだこのマセガキ。
だが、それでも体が未発達なのは確かだし、オレとしても体を洗うのに時間をかけてほしくない。さっきから空腹を告げるサイレンが『グーグー』鳴っているのだ。
「ったく、しょーがねーなぁ……」
「おねが~い❤」
オレは泡まみれのボディタオルを受け取り、姫の背後に
さて、洗ってやろうか。
ボディタオルを姫の背中に当てようとした――が、直前で手を止める。
待て待て待て。
これやっていることソープランドっぽくないか!?立場は逆だけど!!
いや、大丈夫だ。落ち着け。
これはあくまでも交流のある少女の背中を流すだけの、至って普通の行為だ。別にやましい気持ちなんてないし、合法だよ合法。銭湯に行ったら男湯に幼女が入ってきました的なかんじだよ。セーフだよ絶対。気にする方がおかしいから、そんなのきっとロリコンだけだから。
「お兄さ~ん、早くしてよ~」
「お、おう。そうだな……」
なかなか始まらないので、待ちきれない姫が催促してくる。
そうだよ、彼女だって「やってくれ」と
「よし……いくぞ」
意を決して、ボディタオル越しに姫の背中にタッチ。泡がクッションになって、もっちりとした感触が指先に伝わる。
「んっ……」
「へ、変な声出すなよ!」
「ごめんなさ~い」
一瞬ドキリとしたが、とりあえず問題はない。
オレは優しく背中を
子供の小さな背中だ、大して時間はかからない。やり始めたらすぐに洗い終わってしまった。
やり終えてしまえばどうってことはない、ただの背中流し。緊張していたこっちがバカだっただけだ。
「こんなもんでいいか?」
「えー、もうちょっと~」
「もういいだろ。腹減っているんだよオレは」
切り上げようとしたら
なんだよ、急に子供っぽくなりやがって。そういうところ、すごく面倒臭いぞ。
「だって気持ちよかったんだも~んっ!もっとやってよ~っ!」
なおも食い下がってくる姫。一体何がそんなに良かったのか分からないが、要望に応えていたらエンドレスだ。
そう思ったオレは、泡を流そうとシャワーに手を伸ばそうとした――
「まだダメーーっ!」
むにゅん。
――その瞬間、全身泡だらけの姫が抱きついてきた。
「………ん?」
太ももあたりで、妙に
今まで生きてきた中で、触れたことのない心地良い感覚だ。
「あっ……!」
オレがその正解に
いつもの彼女なら笑いながら
さすがの彼女でも、そこが触れるのは恥ずかしかったようだ。
「…………泡、流そっか」
「…………うん」
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