復讐と対価
あの紙に依頼を書いてから1日経った。
もし、あの広告が本当ならばもうそろそろ誰かが来るはずだ。
けれど、あの紙には名前しか書かれていないし、今も自分の手元にある。
どうやってここまで来るのだろうか。
ここまで来れるはずが無いと思いつつ、待ってしまっている自分がいた。
部屋で座って待っていると、突然、目の前の空間が歪んだように見えた。そして、淡い光を放ち、その光の後ろから人が現れた。
「ご依頼ありがとうございます!なんでもやアイリスのアイリスです!」
「あっ…、えっと…どうも」
目の前で起きた事をうまく受け入れられないのと、アイリスと名乗る少女の元気のいい挨拶に気圧されてうまく挨拶ができなかった。
「アナタが依頼主のユリさんですね」
見た目は中学生くらいの彼女が笑顔で尋ねて来る。
どうやって私の名前を知ったのだろうか。
「…はい、そうです」
色々な疑問を抱きつつも一旦深呼吸して落ち着いてから答えた。
「では、イズさん。色々な疑問を持っていると思いますので、とりあえず自己紹介とか色々しようと思います!わたしは、アイリスと言います。一応、魔女です。半分だけしか魔女の血が流れていないので、半端ものですが、そこらの魔法使いとは格が違うので安心して任せてください!…まあ、信用していただけないとは思いますが、色々な疑問を飲み込んで、信用してください!」
情報量が多い。
信用はできないが、先程、不思議な現象を自分の目で見てしまったから信用するしかないな…。
「…はい、わかりました。色々疑問はありますが、取り敢えずは信用します。」
「よかった…。では早速、そのシュンというひとを消したい理由をお聞かせください。」
私は、アイツについて全て話した。
話している間、アイリスは特に表情を変えることはなく、笑顔を浮かべたままだった。
「わかりました。では、シュンを消しますがよろしいですね。」
アイリスは可愛らしい笑顔を浮かべたまま私に尋ねてきた。
「……はい。…あの、対価はなんですか?」
私は何度聞かれてもアイツに復讐する気持ちは変わらない。
しかし、対価について何も言われなかったので少し不安に思った。
「あっ、対価ですね。えっと、取り敢えず、イヤリング、可愛い石がついたのと、あと、血を100mlほどが対価です。ちなみに拒否権はありません。後ほど、取りに伺いますのでよろしくお願いします。…明日の夕方伺います。では、失礼します!また明日!」
そういうと、アイリスは来た時と同じような淡い光に包まれて消えていった。
「えっ、いなくなった…」
まだ、聞きたいことがあったのにいなくなってしまった。
血、とはなんなんだ…。
…とりあえず明日の昼間にイヤリング買いに行くか…。
色々ありすぎて疲れたので、考えるのをやめて、そのまま寝てしまった。
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