第20話 ヤクモ<異世界>:地下庭園(4)
続いて、【能力値】を確認する。
正直、自分の能力が数値化されるのは辺な気分だ。
―【能力値】―――――――
筋力: 9 体力: 9
器用:12 敏捷:11
感知:12(+1) 知力:11(+1)
精神:11(+1) 魔力:11(+1)
魅力:11(+1) 幸運: 3
―――――――――――――
最大HP:39
最大MP:41
最大AP:41
最大TP:42
―――――――――――――
まぁ、レベルが1なのでこんなモノだろう。
【分類】が<人間>の場合は、他の種族と比べ、【能力値】は平均的なモノになる――と知識にはあった。
平均は10前後――といったところだろう。
ただし、【分類】が<人間>でも、一般人の場合、平均は6前後となる。
そう考えると、これでも高い方だろう。
更に<メインクラス>による補正値も入っている。
()内の数値がそれだ。合計で5点。
<初期クラス>の場合の補正値の合計は3点だ。
次に、HPやMPだが、平均値は40前後のようだ。
これも一般人では。30前後が平均値となる。
また、AP(アクションポイント)とTP(テクニカルポインに)についてだが、<スキル>を連続で使用したり、連携攻撃をする場合に消費するらしい。
まぁ、MPが続く限り<スキル>が使える――というのも可笑しな話だ。
本来なら、動けばスタミナを消費する訳だし、呼吸だって整える必要もある。
無理な体勢から<スキル>を使うなどした場合は、多めに消費するのだろう。
ゲームのように、ほぼ永久に戦い続けられる訳ではない――ということだ。
また、<メインクラス>が設定されている場合、レベルを上げた際の【能力値】の上昇値も異なる。レベル10から<メイジ>や<スカウト>にクラスチェンジする一般人と比べ、レベルが同じ10の<勇者>では【能力値】に倍近く差が出る。
具体的には、レベルが1上がると5ポイントの値を取得できる。
更に【ステータス】魔法があれば、取得したポイント内で上限を3とし、好きな値に振り分けることができた。
『初期クラス』の場合は、3ポイントしか取得できず、一般人では自由に振り分けることもできないという訳だ。
しかし――
(【幸運】の値が低いことに、若干の悪意を感じるのは何故だ?)
まぁいい――気を取り直して、【技能】を確認しよう。
―【技能】―――――――――
SKILL(スキル):
【コントラクト:精霊】Lv.2(残り:0柱)
【コントラクト:魔物】Lv.1(残り:2体)
【スキルコピー】Lv.1(残り:2枠)
【ディスガイズ】Lv.1
【マジックリンク】Lv.1
EXTRA SKILL(EXスキル):
【スキルテイカー】Lv.1
【ディスガイザー】Lv.1
MAGIC(魔法):
【オートマティスム】Lv.1
【オペレイト】Lv.1
【クリエイト:影】Lv.1
【クリエイト:虚】Lv.1
【クリエイト:操】Lv.1
【テイム】Lv.1
【フェイク】Lv.1
EXTRA MAGIC(EX魔法):
【アイテムボックス】Lv.1
【クリエイト:識】Lv.1
【ステータス】Lv.1
ABILITY(アビリティ):
【信仰:虚飾】Lv.1
【魔術:影】Lv.1
【魔術:虚】Lv.2
【魔術:識】Lv.2
【魔術:操】Lv.2
EXPERTISE(専技):
【演技】Lv.1
【偽装】Lv.1
【伝承】Lv.1
SKILL POINT(スキルポイント):
50
―――――――――――――
(レベル1にしては、多いな――)
それもその筈だ。<EXスキル>を2つも持っている。
【スキルテイカー】と【ディスガイザー】――勇者特権(チート)――か……。
つまり、今、通常は1つしかない<メインクラス>を――3つも所持している――と考えるとわかり易い。
◆テイマー(魔物使い)
―【技能】―――――――――
SKILL(スキル):
【コントラクト:精霊】
【コントラクト:魔物】
MAGIC(魔法):
【オペレイト】
【テイム】
ABILITY(アビリティ):
【魔術:操】
EXPERTISE(専技):
【伝承】
―――――――――――――
本来の俺の【技能】はこれだけだ。
それが――
◆スキルテイカー(スキル狩り)
―【技能】―――――――――
SKILL(スキル):
【スキルコピー】
【マジックリンク】
EXPERTISE(専技):
【演技】Lv.1
―――――――――――――
◆ディスガイザー(偽装者)
―【技能】―――――――――
SKILL(スキル):
【コントラクト:精霊】
【ディスガイズ】
MAGIC(魔法):
【オートマティスム】
【クリエイト:虚】
【フェイク】
ABILITY(アビリティ):
【魔術:虚】
EXPERTISE(専技):
【偽装】
―――――――――――――
この2つを併せ持っているということになる。
(<スキル>が多いため、育成する<スキル>を絞った方が良さそうだ……)
また、俺が<影>属性のため、【魔術:影】を自動習得したのだろう。
―【技能】―――――――――
MAGIC(魔法):
【クリエイト:影】Lv.1
ABILITY(アビリティ):
【魔術:影】Lv.1
―――――――――――――
一見、お得な感じだが、<影>や<虚>の属性魔法がどの程度、役に立つのかわからないため、現状では何ともいえない。
兎も角、今の段階では、チートと騒ぐほどの能力ではなさそうだ。
正直、<メインクラス>が<ファイター>で<剣術:長剣>を習得し、<バッシュ>や<パリィ>、<フェイント>を習得していた方がわかり易くていい。
クセの強そうな<スキル>に困惑する。
(早く、使い熟せるようにならなければ……)
ただ、<影>の属性魔法に関しては、消費MPが少なくて済むようだ。
恐らく――適性がある――お陰だろう。<影>属性を持っているため、MPの消費量や効果にボーナスが付いている――と考えるべきだろう。
通常、スキルレベルや熟練度を上げることで、コストであるMPの消費を抑えたり、威力を上げたりすることが可能になる。
また、<ジョブ>が<勇者>のため、【アイテムボックス】や【クリエイト:識】、【ステータス】が使えるのは有難い。
―【技能】―――――――――
SKILL(スキル):
【コントラクト:精霊】
EXTRA MAGIC(EX魔法):
【アイテムボックス】
【クリエイト:識】
【ステータス】
ABILITY(アビリティ):
【魔術:識】
―――――――――――――
俺の知っているゲームでの――『どうぐ』『しらべる』『つよさ』。
(――といったところか……)
また、<専技>だが、【演技】を習得していたからだろうか、先程のシグルーンとエリスとの会話に、効果があったのかも知れない。
(正直、検証が難しいな……)
【偽装】については、<スキル>【ディスガイズ】や<魔法>【フェイク】の効果に補正があるのだろう。
【伝承】は――<魔物>について詳しくなる――というところか。
戦闘を考えると、新たな精霊と契約し、攻撃魔法を覚えるのが良さそうだ。
そう考えると――
(<勇者>っぽくないな……)
いや、別に<勇者>になりたかった訳ではない。
ただ、自称<女神>は俺に何をさせたかったのだろうか?――と悩んでしまう。
まぁ、考えても仕方がないので、実際に<スキル>を使ってみるのがいいだろう。
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