第5話 ひよこ
ひよこは家が好きです。
外は嫌いではないけど好きでもないです。
ひよこは日々をぐーたら生きています。
たまに、ちゃんとするために、いつもぐでーとするのです。
ひよこはそろそろにわとりになるはずですが、なりたくないのでぐでーとしてます。
ぐでーとしてたら、今のところにわとりにはなってないのです。
もしかしたら、にわとりになったのはひよこでいたくないひよこだけなのかもしれないと思います。
ひよこはまだひよこでいたいので今日ものんびり生きました。
ひよこはまだひよこです。
しかし、周りにはそう見えていないようです。
みんながひよこをにわとりだと思います。
ひよこはひよこですが、にわとりのふるまいは知っています。
朝一番になき声を出せばにわとりらしいと知っています。
ひよこは、ひよこのままにわとりのまねごとをします。
まねごとを続けてもひよこはひよこのままです。
ひよこは朝に起きて声を上げます。ひよこはひよこですが、にわとりのまねごとには慣れました。
ひよこはにわとりにならなくても困らないことに気がつきました。
ひよこはひよこのまま過ごします。
ひよこはにわとりになりませんでした。
けれどひよこは困りません。
にわとりになりたかったわけではないひよこにとって大事なのは、自分が自分であることです。
ひよこは今日もひよこです。
にわとりのまねごとが得意なずいぶん変わったひよこです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます