第64話 登山電車 🚋
トオルさんは高原都市と西山山麓を行き来する登山電車の運転手をしています。
だいぶ前に車掌制が廃止され、2両編成の車両をひとりで率いて地元客や観光・登山客を運ばねばなりませんが、トオルさんはこの仕事に誇りを持っています。
狭い運転席に大きな身体を押しこみ、ひとりで「出発進行!」を確認して始発駅を出発するとき、また、14駅目の終点で最後まで残った登山客を降ろしたとき、真面目なトオルさんは、使命感と責任感と達成感に駆られ、ふっと息を吐きます。
🚈
とりわけ、本日担当した車両は、紺の制服制帽の女性職員が笑顔で敬礼しているキャラクター電車なので、沿線の子どもたちがいっせいに手を振ってくれました。
運転席から白い手袋を振り返すとき、トオルさんはいっそうのやり甲斐を感じ、できれば定年退職のその日まで、ずうっと運転手をつづけていたいと思うのです。
それ、出発進行!! \(^o^)/
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