AoR-4「死を誘う蒼白の騎士」
ランスと大剣が戦場で甲高く唸る。4騎の騎士が互いにしのぎを削っている。
一方は戦災誘う赤き戦争の化身、レッド・ホース。一方はリブトンエリアの守護者たるジャパリ騎士団団長とその親衛隊の二騎だ。
数の面で言えば騎士団の三騎が有利なのだろうけど、現状押しているのはレッド・ホースの一騎だ。巧みに大剣を振るい、荒れ狂う炎の渦で騎士団の三騎を翻弄している。
……あの時のレッド・ホースはこれっぽっちも本気を出していなかった。あの時のレッド・ホースは炎で威嚇して、少し大剣を振るっただけだった。今、ここにいるレッド・ホースはいかなものか。炎の壁を作って相手を無理やり孤立させ、火焔弾を乱射しては犀騎士たちの陣形を乱している。それにこの熱波だ。遠くに離れているぼくたちにさえ熱く感じるのだから、エラスモテリウムさんたちはレッド・ホースの放つ熱に押されていてもおかしくない。
「そらそらそらァ!もっと俺を楽しませろォ!ベヒモスを押さえつけたように俺を圧倒してみせなァ!!!」
「ぐっ…!化け物が…!」
乱暴に大剣を振るいながら赤き災厄の騎士が嗤う。赤く熱せられた禍々しい鎧は触るだけでも大きなダメージを負ってしまうだろう。いくら硬い装甲に覆われた犀騎士でも、顔や大腿部など守りが薄かったり、そもそも露出していたりする。そこを狙われてはどんな傷を負うか分かったものではない。
それに、相手にはホワイト・ホースという白き支配の騎士がいるのだ。相手に勝利が約束されているのであれば、どれだけ頑張っても徒労に終わるのみだ。早急に戦闘を切り上げて回避する必要がある。
ゴウッ!
エラスモテリウムさんのランスから黒い炎が昇る。どうやら、あの必殺技を撃つようだ。
「黒き永遠の風に跨る時、私たちは君の中にある悪を打ち倒そう…。主が私たちを見下ろす時、剣は光を放ち私たちを自由の光へと導くだろう…」
漆黒の炎がゴウと音を立てて燃え盛る。見た目が呪文の内容とは大きく異なっているのが気になるけど、その効果は確かなようだ。
「受けてみよ…!ロートールド────ホーンランス!!!」
黒き津波がレッド・ホースへと襲い掛かる。しかし、レッド・ホースは薄気味悪く口角をあげると、炎の壁を作り出し、それを真正面から受け止めた。
「なに…?」
黒い津波が赤い炎に裂かれて二つに分かれる。その中に、小さな赤い騎士がいる。小さな地方をあっという間に呑み込むほどの大きな黒い津波を、たった一人で凌いでいるのだ。
……あれが、黙示録の騎士の力だというのか。それとも、勝利を約束したホワイト・ホースの力というのか。……恐らくは、両方なのだろう。
黒い津波が引き、赤い炎の壁が姿を現す。レッド・ホースの大剣が炎を払うと、中から赤い騎士が姿を現した。その顔に慢心はなく、騎士団の首を落とさんと狙い澄ましているかのようだった。
赤い騎士が大剣を構える。確実に首を獲りに行くようだ。
「ニィ…!」
レッド・ホースの口元が歪む。勝利が約束された瞬間のように思えた。
しかし、その思惑は外れる事となった。
「何だと…?」
赤い騎士の大剣が空を切る。獲物であるエラスモテリウムさんとの距離は数メートル以上も離れている。しかし、レッド・ホースはエラスモテリウムさんに達することなく、虚空に大剣を振り下ろしたのだ。
「これは…」
鋭い眼光で眼前の敵を睨む。その眼差しはエラスモテリウムさんに向けられてはいなかった。もっと別の…誰かに向けられていた。
「この術…。貴様ら騎士団のものではないな。誰だッ!!!出てこいッ!!!この臆病者が、姿を現せェッ!!!」
レッド・ホースが叫ぶ。やがてその声に呼応するかのように、一人のフレンズさんが姿を現した。
「良いでしょう…。ふふふっ、ここでは初めまして、なのかしら…?」
どこからかふわふわと、一人のフレンズさんが舞い降りてきた。
ひどく不気味な感じがする。全身は異様なまでに蒼白く、まるで生気を感じない。毛の先から足の先まで蒼白く、瞳は塗りつぶされたかのように真っ黒だ。明らかに他のフレンズさんとは一線を画している。
ただのフレンズさんではない。そのことだけははっきりと分かった。
「貴様…。ペイル・ホースか…。俺たちを裏切る気か…?」
「裏切る…?わたくしは初めから裏切ってなどいませんわ…?あなた方の陣営にわたくしはいましたか…?」
「……俺たちは共に人類に破滅をもたらす終末の騎士だったはずだ。その俺たちを裏切る気か?」
「まさか…。わたくしはわたくしを召喚した主に従うだけ…。あなた方もそうではなくて…?」
「けっ…。我が王の召喚に応じなかったかと思えばそういう事だったか…。気に食わねえ。さっきの言葉は無しだ。ここで貴様をぶった切ってやる…!」
レッド・ホースの全身から炎が吹き荒れる。向かいに立っている蒼白いフレンズさんをも呑み込むほどの激しい火焔だ。
「あら、怖いですわ…」
業火とも思えるような炎を撒きながらレッド・ホースが突進する。自らの身体を蒼白のフレンズさんの射程内に捉えると、叩き潰すように大剣を振るった。
ズンッ!!!
大剣が地面を穿つ。蒼白のフレンズさんはひらりと身をかわすと、右手に不思議な青い玉を浮かべた。
なんだか気味が悪い。……アレはぼくたちの知るようなものではない。弾なんかではなく、異界に通じる"穴"といった方が正しいのかもしれない。
「さあ、来なさい。わたくしの忠実なしもべたち…。冥府の門より舞い戻り、我が目の前の敵を討つのです…」
異界の門から青白い塊が次々と放たれる。やがてそれは様々な形を取ると、ヒトや獣となって姿を表した。
ヒトや獣の形をしているが、どれも色がなく蒼白い幻影のように見える。異界から召喚されたゴーストのようなものなのだろうか。
「倒しなさい…」
幻影がレッド・ホースへと襲い掛かっていく。しかし、レッド・ホースには効果がなかった。
火炎弾が幻影を破っていく。レッド・ホースは大した時間をかけるまでもなく、蒼白のフレンズさんが召喚した幻影をすべて撃破してしまった。
「雑兵をいくら呼んだとてこの俺を倒すことなどできん。それすら分からんか」
「この体を慣らしていただけですわ。さて、わたくしも少し遊んでみようかしら…」
そう言って蒼白のフレンズさんは新たな幻影を召喚した。相変わらずゆらゆらと揺れていて気味が悪い。
「むっ…」
様々な形をした異形の怪物が次々と出現する。恐らくは、遥か昔に亡くなった異界の怪物なのだろう。神代の世界のを生きた者か、古代生物かは分からない。けど、この蒼白のフレンズさんはそれらを自らの手下としているのだ。
「GrWAAAAAAAAAAAHHHHHH!!!!」
異形の怪物たちが次々とレッド・ホースに立ち向かっていく。レッド・ホースは大剣で怪物たちを薙ぎ払うと、最後に襲ってきた蒼白のフレンズさんを視界に収めた。
「愚かな…!」
レッド・ホースが迎撃の構えを取る。しかし、蒼白のフレンズさんは自らの右手から青白い影を伸ばすと、レッド・ホースの体を貫いた。
「ッ…!!」
「ふふふ…。あなたの魂……いただくわ」
「ぐっ…!?まずい…!」
赤い騎士から爆炎が放たれる。焦っているようにも見えるその炎は、まるで制御できていないかのようにも思えた。
「はァ……はァ……。こいつはまずいな…。一旦引き上げるか…。ブラック・ホース!ベヒモスを転送しておけ!俺は撤退する!」
そう言って全身から炎を放つと、レッド・ホースは消えてしまった。
レッド・ホースが消えた跡から黒い影が立ち昇る。それはヒトの姿を形取ると、一人のフレンズさんとなった。黒いボロ布に身を纏う魔術師…ブラック・ホースだ。
「ほっほっほっ…。良い戦いであったぞ?犀騎士のフレンズたちよ…。小生も良いデータが取れた…。あとは、ベヒモスの力をコントロールし、我がハーン様の往く覇道の先鋒とするのみ…。ベヒモスを生んだ奇跡と、我が計画の一端を担ったお主たちに感謝を…」
「でたらめな…!そこに直れ!成敗してくれる…!」
「ほっほっほっ…。良く叫ぶ…。ジュチ、始末しておきなさい」
「御意」
不意に聞きなれない名前が聞こえた。ブラック・ホースと入れ替わるように現れたそれは、見慣れない姿をしたセルリアンだった。
蒼い姿をした、オオカミのフレンズのような見た目をしたセルリアン…。アレがジュチ…?ボルテ・チノに協力をするセルリアンとでもいうのか?
「ワタシの名はジュチ。我が父君に仕えるセルリアンだ。ワタシの用意した軍団を片付けるとは、ショウサンに値する。まずはそこは褒めておこう」
「か、かばんちゃん…。アレって本当にセルリアンなの…?なんか違う気がする…」
「ぼくも分からない…。見た目はセルリアンっぽいけど、話し方とか振る舞いはこれまでに見てきたセルリアンとは全然違うし…」
「……聞いたことがある。かつて遠い昔、パークがセルリアンの大群に襲撃されたという事件だ。そこにも、フレンズの姿をしたセルリアンと、セルリアンの大群を統率するセルリアンの女王がいたという。今ここにいるジュチと言われるアイツも、それに近い感じがする」
クロサイさんは語る。ぼくも少し耳にしたことがある。セルリアンの女王を筆頭とする、セルリアン襲撃事件と呼ばれるものだ。ぼくの探し求めるミライさんと、園長さんたちが一丸となってそれらを打ち破ったという遠い昔の出来事だ。
「しかし、ワタシは違う。ワタシは我が父君が、自らの輝きを元にして生み出した、トクベツなセルリアンだ。カンタンに倒せると思ったら大間違いだぞ」
「……とは言っても、所詮はセルリアン。ただ模倣と真似事しかできない存在に私が負けると思っているのか?私も舐められたものだ」
「それに、アレと戦うことでボルテ・チノに関するデータを集めることができるかもしれませんわよ。彼女のいう事が正しければ、アレはボルテ・チノの輝きから生まれたコピーとも言える存在…。データを得るついでに、サクッと倒してセルリアンの脅威を排除することができれば一石二鳥とも言えるわよ?」
「……そうだな。さっさと倒してしまおう」
ランスから黒い炎が昇る。ジュチも刀剣を手に静かに構えを取ると、エラスモテリウムさんと相見合わせた。
先手を打ったのはエラスモテリウムさんだ。黒い炎の昇るランスで斬り上げると、ジュチを大きく後方に退かせた。
「っ…!!」
「口ほどにもないな…!」
エラスモテリウムさんの口角が上がる。それはまるで、勝利を確信したもののように思えた。現に、先ほどの一撃で実力の差というものが明らかになった。
ジュチがバックステップを取ってエラスモテリウムさんから距離を取る。不利と分かったのか、距離を取って黒き犀騎士の様子を窺っている。その様子は、どこか焦っているかのようにも思えた。
「ふぅぅぅ…」
ジュチが大きく息を吐く。その一息は、まるで自分の置かれた不利な立場を認めているかのようだ。
しかし、そのヒト呼吸の後に、ジュチは戦闘の構えを解除した。
左手を前に突き出す。そして、一呼吸を置くと、騎士団たちにこう告げた。
「オマエたちの実力はよく分かった。ワタシではオマエたちに勝てない」
「それはそうだ。所詮我々から輝きを奪って模倣するだけの存在。贋作では絶対の一に敵わんのは当然だ」
「だからワレワレの戦い方でやる。たとえ模倣するソンザイでも、お前の持つオリジナルを超えるモノを模倣すればイイだけ。我が父君は、ソレを持っている」
そうして、ジュチは何やら念じるような所作を見せると、背後に草原を埋め尽くす程の何かを出現させた。
……無数に見える、草原を埋め尽くすほどの圧倒的な軍団…。それは、ヒトの形をした無数のセルリアンだった。馬に跨っているのか、騎兵のようにも見えた。風になびく青い旗に大地を埋め尽くす蒼い騎兵…。ぼくたちは、一つの軍団を前に立っているような状況だった。
「ワタシたちは個で見れば弱いソンザイだ。けど、群で見ればこの世で征服できないものはないのだ。……ウルスの力を、思い知るといい!」
蒼い津波が大地を揺らして駆けてくる。まるで、ぼくたちの小さな群れを押し潰さんとしているようだ。
「我が王のグンゼイに破れぬものなし…!ワタシに楯突いたこと、コウカイさせてやる!」
四方がジュチの騎兵隊に囲まれていく。しばらく茫然と立っていると、あっという間にぼくたちは四方を包囲されてしまった。40:1なんてものではない。1000:1でも足りないくらいだ。
「構え…」
ジュチが呟く。その瞬間、空が黒い影に覆われた。
空が雲に覆われたと思った。けど、それはすぐに間違いだと分かった。
「ぁっ……」
胎動するかのように空が動いている。それは、ぼくたちに襲い掛かってきているかのように、一直線にぼくたち目がけて降りそそいている。
それが何か理解するのに、そう時間はかからなかった。けど、ぼくたちにはどうしようもないことも同時に理解した。
もうダメだと思った。けどその時、蒼白いフレンズさん…。ペイル・ホースがふわりと空を舞った。
その子は右手に青い玉を浮かび上がらせると、それを巨大なエネルギーの塊と化した。
「………」
呆気にとられるぼくたちを他所にそのフレンズさんは続ける。
「ふふふ…。無益なこと…」
巨大な青い玉がぼくたちの頭上を覆う。大地を覆いつくす騎兵から放たれた矢が、すべてその青い玉に吸い込まれていく。
……異界に通じる青い門。それは冥府からの出口であると同時に、この世からの入り口でもあるのだ。ペイル・ホースは、それを利用して巨大な穴を空に出現させたのだ。
やがて、青い騎兵隊の攻撃がすべて止まった。空を覆い尽くしていた矢の雨も止んだ。それを認めてか、ペイル・ホースは問いかけた。
「もう終わりかしら?」
「……ヒキョウだぞ、ペイル・ホース」
「あなたも大概よ?ジュチ…。じゃあ、貴方の召喚した者たちの魂、すべて頂こうかしら…?」
突如、身の毛もよだつ寒気を感じた。四方はもちろんのこと、特に頭上の青い玉…ペイル・ホースの掲げる青い玉から、強烈な不快感のようなものを感じた。
「ふふふっ…!」
ズオッと何かが吸い込まれる。少しでも油断しては、ぼくたちも吸い込まれそうだ。
「か、かばんちゃん、あれ…!」
「……?」
サーバルちゃんの指さす先を見る。そこに、ぼくたちは信じられないものを見た。
「あぁぁっ……」
次々とセルリアンの姿が瓦解していく。瓦解したセルリアンから青白い何かが吸い取られていっている。
それらはすべて件の青い玉に吸い込まれていっている。……それを理解するのにそう時間はかからなかった。すべてが…ジュチの召喚したセルリアンの魂なのだ。セルリアンに魂というものがあるのか分からないけど、そうとしか思えなかった。
無数にいたセルリアンの群れが次々と瓦解していく。無数の魂が次々と蒼い玉に吸い込まれていっている。それはもはや虐殺に等しかった。あれほどいたセルリアンの群れが、たった一人の蒼白いフレンズさんにいとも容易く絶滅されたのだ。
群れの中心にいたであろうジュチだけがその場に残っている。それは悔しそうな、恨めしそうな表情を見せると、ペイル・ホースに語りかけた。
「オマエ…。我がウルスの民をよくも…」
「あなたがわたくしたちを倒そうと召喚したのでしょう…?わたくしは倒されまいとただ反抗しただけ…。それだけですわ…?」
「ふんっ、いくらでも言うがいい…。我が父君が黙っていないだろう…。オマエたちのその行い…必ずコウカイすることになる」
ジュチがぼくたちに背を向ける。
「オマエたちの実力はよく分かった。今は一旦引こう。だけど次はマケナイ。我がハーンの王国の前に、オマエたちを跪かせる…。それだけは忘れないコトだ」
そう言ってジュチは黒い影となって消えていった。……ぼくたちは…勝った…のか…?
ふわりと蒼白いフレンズさんがぼくたちの前に舞い降りてくる。そして、ぼくたちに一礼すると、改めて自己紹介をした。
「申し遅れましたわ…。わたくしは、ペイル・ホース…。黙示録の四騎士が最後の一騎、この世に死と疫災をもたらす存在ですわ…。以後、お見知りおきを…」
「……私はエラスモテリウムだ。一つだけ問う。お前の主、それは誰だ」
「ふふふ…。あなたもよく知る存在のはずですわ…。わたくしは、貴方を助けるために送られたただの傀儡に過ぎませんわ…。今、この時より、貴方の理想のために、わたくしのこの身体を貴方の為に…捧げましょう…」
そう言って、ペイル・ホースはエラスモテリウムさんの前に跪くと、騎士としての誓いを立てた。
はっきりと言って信じていいのか分からなかった。素性の知れない黙示録の騎士の最後の一騎…。他の三騎士が敵に付いているのに、最後の一騎であるこのフレンズをどうして信じることができるのか。ペイル・ホースがレッド・ホースを攻撃したのも何が策があってのことではないのか。どうしてもそう思えて仕方がなかった。
「………」
そう訝しむ僕に気付いてか、ペイル・ホースがこちらにふらふらと歩み寄ってきた。相変わらずゆらゆらと揺れ動く姿は気味が悪い。
「大丈夫ですわ…。貴方たちに危害を加えるつもりはありません…。貴方たちが危害を加えない限りは…ですけど…」
そう言ってペイル・ホースは去っていった。……あとに残されたぼくには、如何ともしがたい後味の悪さだけが残った。助けてもらった身ではあるのだけど、アレに助けてもらったのだと思うと、奇妙な不快感がぼくの中で渦巻くようで仕方がなかった。
「………」
気難しい顔をしながらユニコーンさんが遠くを見つめている。その視線の先には、リブトンエリアの遥か北、リューフォート地方がある。
「ペイル・ホース…。気味が悪いわね…」
「ユニコーンさんもそう思う…?」
「ええ…。アレは他のフレンズとは大きく違う感じがするわ…。なんていうか、言葉では伝えづらいんだけど…。とにかく、あまり信用してはいけない感じがするわ。第一、死を操って相手に勝つようなことをするのよ!?あんなの騎士の風上にも置けないわ!」
「う、うーん…?」
ユニコーンさんは別の点でご立腹なさっているようだ。ぼくとは違う点でペイル・ホースに危機感を感じているらしい。まあ、理解できないことはないんだけど。
「とにかく、いったん円卓の間に戻ろう。キタシロサイ、皆の招集を頼む」
「ええ、お任せを。さあ、みんな。中にお戻りなさい。わたしは後で合流するわ」
ぞろぞろと犀騎士たちがキャメロットの中に戻っていく。その中にはペイル・ホースの姿もあった。
皆の後に続いてキャメロット中に入っていく。この戦いの中でぼくはどんな未来を見るのだろうか。そのことだけがぼくの頭の片隅に残った。
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