第3話 魔王様は部下をたしなめる

「シルビア、シルビア」

くしゃり折り曲げた広告をもったダリウスがシルビアを呼ぶ。

その声は城中をか駆け回った。

キラキラと水色の魔法陣がダリウスの前に出現し水しぶきとともにシルビアが登場した。

「はーい。ダリウス様。おかえりなさーい」

シルビアは両手を上げて喜びを表した。いつものダリウスだったらたいだま、シルビアと笑顔で返事を返すのに今日は違った。

あれ?

なにかしたか心当たりのないシルビアはダリウスの冷たいオーラに恐怖した。

「シルビア、これはなに?」

びっく

シルビアは肩を震わせた。恐る恐るダリウスから受け取った紙をみる。その紙の内容をみるとなぁんだとシルビアはフフフっと満面の笑みで返す。

「これは罠ですよ。罠です。私がダリウス様を倒す訳ありませんよ」


シルビアが説明するにはこうだ。

まず、聖女シルビアとして魔王を倒したい冒険者を集める。

そして軍資金をわたし高揚させる。

そして魔族の領域の北の最果ての地に集合させる。


そこでじゃじゃじゃじゃーん

シルビアが水しぶきでかくれると妖艶な体つきの女性になった。

おほほほほと口に手をあて高笑いをする。

「氷の女王 シルビア様として冒険者を一機に倒す」

かわいいかった聖女シルビアが実は魔王の配下 氷の女王シルビアだったという絶望をあたえるのです。

言いきったシルビアはガッツポーズをする。


いつから現れたカロが大きくため息をつく。

「ない脳みそがさらに胸にいってさらに脳が小さくなって。本当に馬鹿馬鹿しい」


冷静な顔でダリウスはシルビアに問う。

「それで倒してまた次はもっと大きな集団になってくるよ…。残念だな。フルーツを乾燥させたものがそろそと食べごろで3日後にフルーツケーキを一緒に焼いて食べようとおもってたのに…。これじゃぁ、忙しく食べられないね」

「フルーツケーキ」

シルビアは思い出しよだれを垂らす。

ダリウスが作るスイーツはどれも美味しく一度食べたら忘れらない魔王の味になっている。

シルビアがどうしようどうしようと悩んでいる姿をカロはあきれてみていた。

「シルビアなんでこんなことをしようとするんだ」

ダリウスは再度シルビアに問いかけた。もともと争いを好まないシルビアがこんなことをするのかダリウスは不思議でならなかった。

シルビアは目に妖艶な女性の姿のままいっぱいの涙をためて子供の様に言い訳をし始めた。

「だって、だって」

シルビアがベイルッカの町で牛乳配達の仕事をしているとベイルッカの町の外からやってきた冒険者達の高らかに笑う声が聞こえてきた。

「今の魔王ってすごく弱いんだろう」

昼間からお酒を飲んでギャーギャー騒いでいた。

「聞いた聞いた」

「隣の国のデルフィア国のお偉い貴族様が3つ首が付いた子犬をひろって遊んでやってたんだって」

「ぎゃはは。遊んでっていじめってったって方が正解なんじゃね」

「そこに魔王って名乗るやつが現れて犬っころ返して欲しいって頭さげたんだとよ」

「そのお貴族様はこれでもかって魔法と剣で攻撃したんだとよ。でもそのあまりの強さに魔王は手も足も出なかったんだって」

ぎゃははと冒険者達は一段と声を上げて笑う。

「哀れにおもったお貴族様は犬っころを返してあげたそうだ」

「そのお貴族様は今や国の英雄だって話だ」

「俺たちも魔王を倒せば英雄になれるかもよ。ぎゃはは」

思い出したシルビアは悔しい思いでいっぱいになった。


ダリウスはポンとシルビアの頭に手を置いた。そうするといつものシルビアの姿に戻っていた。

「言わせたい奴には言わせておけばいいよ」


実際の所はお貴族様の魔法と剣で攻撃してもまったく当たらず。大地がカタカタと揺れ始め。ダリウスがにっこりと笑い。

「返してくれないかな」といった所で泡を吹き倒れてしまったのだ。



「でもシルビア。嘘でしたとちゃんと誤ってきてね」

「え?」

ダリウスの思わぬ言葉にシルビアは驚いた。そのままなかったことにしようと思っていたのだ。

「ダメな事をしたら謝らなきゃ。謝罪してきた後でも午後のティータイムには間に合うからね」

ダリウスは優しく微笑んだ。

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