第19話 千翼と萌奈の罰清掃? ③

「…ち〜くんおかえりなさ…なんで頬っぺた赤くなってるの?」


先に女子トイレの掃除に移行していた萌奈もなは頬を赤く腫らして戻ってきた千翼をいつも通りの雰囲気で出迎えた

男子よりも女子にされたビンタの方が何倍も痛いのは何故なのだろうか?


「大丈夫だからあんまり気にしないでくれると助かる……」

 

千翼へまるで誤魔化すかのように萌奈もな作り笑いを浮かべたのだった


「…そう。だったら素直になれないお口に変わってち〜くんの身体に直接聞いてみるの。【スッ】」


「ま、待て!分かった!話す!正直に話すからそんないかにもキスしますみたいな顔して近づいてくるな!!」


千翼の様子なおかしさに気づいた萌奈もなはスッと目を細めると千翼を強引にしゃがませて千翼の頬に唇を近づけていった

千翼は萌奈もなの顔を抑えて強引に引き剥がす


「…そう、なの……。正直に話すことは良いことなの……。」


「あからさまにションボリするなよ…。さっき報告清水さんに男子トイレの清掃が終わったことを報告しようとしたらカウンター食らったたんだよ…」


未だに右頬がヒリヒリしているのがわかる

この攻撃力があるのならきっと彼女は世界に通用するボクサーになれるだろうと千翼は思ったのだがそれを本人に言ってしまったが最後

失神するまでめった打ちを受けるだろう

痛いのは嫌なので千翼は絶対に言わないと心に誓ったのだった(そもそも普通の女子高生に言っていい言葉では無い)


「…ち〜くん可哀想なの。萌奈もなが手当てしてあげるの【スッ】」


「別に俺が不用意に清水さんに近づいたのがいけないってだけでって!ちょおいいい!?」


萌奈もなは赤く腫れた千翼の頬をさすると背伸びをしながら千翼の頬に再び唇を近づけていった


「…どうしたのち〜くん?手当てしないといけないのにこれじゃあ触れることもできないの」


「しょ、正直に言っても何も変わってないじゃんか!?って言うかそれって本当に手当てになるのか!?」


千翼は再び萌奈もなを抑えて引き剥がそうとするが抵抗力が強くなかなか離れようとしない

体格差はあっても千翼の優しい部分が萌奈もなを傷つけないようにしているのだった


「…ち〜くん静かにしてなの。騒がしくしてもしりっちゃんが入ってきたらまたち〜くんが虐められちゃうの…。」


「えっ!?【バッ!!】」


千翼に抑えられながら萌奈もなは入り口の方を指をさして指摘してきた

その指摘に千翼はハッと声を防ごうと両手を口に当てるがその時千翼は自分の犯した行為に気づいたのだった

男子トイレの清掃の際もある程度の声量で話していたが律が入ってくることはなかったのに少し騒いだ程度で今更入ってこないと考えれるのだ

にも関わらず千翼は少しの可能性を信じてしまいまんまと萌奈もなの柵に嵌ってしまい萌奈もなを抑えていた手を離してしまった

当然千翼から抑えられていた萌奈もなは解放された


「(…これを待ってたの)【キラリ】」


待っていたかのように目を光らせた萌奈もな千翼の頬に一直線に向かっていき首に抱きつくことに成功した


「お前…俺を騙したな…。嵌った俺が悪いから何も文句は言えないが、これは強引にも程があるんじゃないか?」


「…そう言いつつ萌奈もなを下に落とさないようにちゃんと支えてくれるち〜くんは本当に優しいと思うの【チュッ】」


「いやだってさ…万が一落としでもしたら痛いじゃんか……」


「…ふふふ、優しいち〜ちゃんが萌奈もな大好きなの【チュッ】」


そして再び30分が経ち、掃除が終わって出てきた萌奈もなはどこかスッキリしたかのように艶々になっており、逆に千翼はトイレ掃除してい他とは思えないほど疲れきっていた

入り口にいた律は疲れ切った千翼をみてちゃんと罰を受け入れて掃除したんだなと満足して二人の後を追っていたのだった

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