第16話 遥華様と千翼君の学校生活 ⑤
「ちょっと飛鳥君!いつまで崇道さんとコソコソしているの?」
千翼達の内緒話を律儀に
「よし!それならこういうのはどうだ?お前が我慢してくれるならここは俺も我慢をしようじゃないか!!」
これ以上の長引かせるのはあまり良くないと思った千翼は遥華にある提案をする
「ち〜ちゃんが我慢?女の子と遊ぶのを我慢しようっていうの〜?それだとあんまり対等な条件とは言えないんじゃないかな〜?」
「そうじゃねぇよ…。この1ヶ月の罰清掃の間の我慢をお前が呑んでくれたら俺はその1ヶ月後の間、お前の我儘を“可能な限り”叶えてやる!」
「え!?本当に!?」
千翼の案に遥華の目は妬みの籠った目からキラキラと輝いた目と変化した
その目の変化を確認した更に追い討ちをかける
「もちろんだ!俺が側に入れない時は鈴さんが付いてくれるからそこは安心してくれ。その後の我儘は俺が“可能な限り”叶えていやるから精々考えてくおいてくれよ?」
「じゃ、じゃあ結婚…」
「だから“可能な限り”だって言ってるだろ!?逆にお前は1ヶ月の間だけの結婚生活を味わいたいのか!?」
そんな期間限定の結婚は普通女性の方は断るはずだ
女性なら一時の幸福よりも永遠の幸福を味わいたいだろう
そう思っていた千翼に遥華はキョトンとした表情をして首を傾げた
「え?だってち〜ちゃんと1ヶ月の間、甘い甘い新婚生活が体験できるんでしょ?そんなの味わいたいに決まってるよ〜!」
遥華はそう言って千翼に抱きつき頬を擦り寄せる
「ば、ばか!すぐそばには
千翼は遥華の豊満な胸が自身の肌によって潰れる感触に一瞬反応してしまうがすぐに正気を取り戻し、遥華を引き剥がそうとするが遥華はまるで微動だにしない…というよりも千翼がまるで力を込めれていないのだった
「ふふ、優しいち〜ちゃんが私に乱暴な事出来ないのなんて分かりきってるもんね〜。そんなち〜ちゃんが私は大好きだもん♡」
「ち、ちがっ!?お、俺はお前の親父さんに頼まれてっ……」
「そう…。だったらこんな事もしてもいいよね〜?」
「えっ…?はぅっ!!?」
遥華は抱きしめていた手を背中から離すとそのまま千翼の股間部分に手を当てなぞる様に触り出した
「や…やめ……!」
「ふふ…。清水さんの言う“破廉恥”な事を今学校でやっちゃってるよ〜?それでもち〜ちゃんはパパの言いつけを守って私に手を出さないの?」
身長差もあって遥華は千翼に上目遣いを使いながらまるで千翼を試すかのように見つめる
「この…!ていっ!!」
「あいたァァ〜!!?」
千翼は遥華の頭にチョップして遥華の行為を止めた
思わぬ反撃を受けた遥華は頭を抱えてその場で蹲った
「まったく、人が下手に出れば調子乗りやがって…見つかってまたややこしいことになったらどうすんだ!!」
「え〜?だって〜。」
「だって〜じゃない!取り敢えずさっきの話はちゃんと守るんだからお前もちゃんと守ってもらうからな!!」
千翼は遥華にそう告げて
「え〜?新婚生活は〜?」
「だから可能な限りだって言ってるだろ!これ以上我儘言うならこの話は無しにして親父さんにこのことを話すからな!」
「ぶ〜、わかったよ〜。」
それでも新婚生活体験をしたい遥華は粘ろうとするが千翼はまるで聞き入れずに
遥華はこれ以上粘っても意味ないと判断し唇を噛み頬を膨らませつつ千翼の跡を追った
「…あっ、ち〜くんおかえりなの【ギュム】」
戻ってきた千翼にすぐ様気づいた
「ちょっと飛鳥君!!崇道さんとの隠し事から戻ってきたと思ったらすぐに女性に抱きつくなんて破廉恥だわ!!変態!変態!!」
それを隣で見ていた律は腕を組んだまま顔を真っ赤にして罵ってきた
「ちょっと待ってくれ!!明らかに今抱きついてきたのは萌奈《もな》の方からで俺からじゃないじゃん!?流石にこれは冤罪だと思うんですが!!?」
「冤罪なんて言いたいならちゃんと蓑島さんの事を拒めば良いじゃない!素直に受け止めるあなたがどう考えても悪いわ!」
律の言い分に断固反対する千翼に律は千翼に詰め寄って掛かる
「何言ってんだよ!そんなこと拒む様なことしたら
「やっぱり女性にいやらしい事したいんじゃない!冤罪じゃなくて確定じゃないこの変態!!」
「ちょっとち〜ちゃん!!それなら私だって学校で一杯ち〜ちゃんに抱きついてもいいって事じゃない!私も抱っこしてよ〜!」
「やめて!このカオスな状況で更にカオスを投入しないでくれ!!」
大人しくしていた遥華までもが千翼に詰め寄って来てしまい千翼の脳のキャパも崩壊寸前に陥ってしまった
しかし千翼の助けてほしい願いが通じたの校内にHR開始のチャイムが鳴り響いた
「くっ!?とにかくあなたには再度取り調べをするから放課後教室に残ってなさい!逃げたりしたら承知しないわよ!!【ダッ!】」
律は捨てセリフを発しながら急いで教室へと戻っていった
「…ち〜くんの身体……とってもあったかいの〜」
「ねぇち〜ちゃ〜ん。私も抱っこしてよ〜?拒まれたら私も悲しいよ〜。」
「お前今の状況でそれ言わないでくれよ!!」
そして律以外の3人は当然の如く遅刻したのだった
〜おわり〜
今回も読んでいただき誠にありがとうございました!!
是非応援、フォロー、レビューなど頂けたら嬉しいです!
よろしくお願いいたします!
次回もお楽しみに!!
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