第15話 遥華様と千翼君の学校生活 ④

「(こ、この娘…手伝うのはあくまで口実で目的はち〜ちゃんと二人っきりでいるってことね?そうはさせないんだから!!)あ、あのね?ち〜ちゃん…」


「どうかしたのか遥華?」


「も、萌奈もなちゃんだけち〜ちゃんを手伝うなんて幼馴染としてずるい…じゃなくて羨まし…でもなくて申し訳ないよ!私もち〜ちゃんのお手伝いする!!」


萌奈もなの独り言を聞き取り萌奈もなの真意を読んだ遥華は萌奈もなの野望を阻止しようと遥華は自分もトイレ掃除を手伝うと名乗りあげた

若干本音が出たのは自分も萌奈もなの阻止は建前で本心は千翼の側に居たいだけなのだ


「あ〜…それなんだけどさぁ…。」


遥華の提案を聞いて千翼はばつが悪そうな顔をした


萌奈もな?悪いんだけど少しの間だけでいいから降りてくんないか?ちょっと遥華と話すことがあるからさ」


「…………ち〜くんがそう言うなら仕方ないの。…でも終わったらまたギュッてしたいの。…だめ?」


「あぁ、ありがとうな萌奈もな


萌奈もなは渋々ながら千翼から離れたがまた抱きついてもいいとちひろが約束してくれたのもあって口元は緩んでいた

因みに萌奈もなの発達した胸が千翼の手にプルンと当たり少しだけゾワっとなったが色々とバレたら面倒なことになるので感じ取られないよう表情出さなかった

その証拠に目の前に腕組みをして立っている律からお叱りを受けなかった


「ふん!【グリッ!】」


「ルプス!!?」


しかし長年一緒過ごしてきた遥華にはお見通しだったようだ

遥華はデレついた千翼の足を思い切り踏みつけ、更にグリグリと圧力をかけてきた

不意打ちもあって千翼は思わず奇声を発してしまった


「い、いててて…っあ〜もう!何すんだよ!!」


「ふんだ!鼻の下伸ばしてるち〜ちゃんが悪いんだもん」


「お、お前なぁ……まぁいいや、ちょっとこっち来い」


踏みつけられた足を引きずりながら千翼は遥華を連れて通路の角まで向かい二人の位置が確認でき、小声なら聞こえないであろう距離特化うにんしてから遥華の方を向いた


「いいか?お前は稽古や習い事が入ってるというのに俺のトイレ掃除に付き合っていたらほとんどサボることになるんだぞ?そうなったら親父さんに迷惑がかかることもわかるよな?」


「で、でもでも!それでもち〜ちゃんのそばから離れたくないんだもん!数分ならまだしも数時間なんて…考えただけで頭がおかしくなっちゃうよぉ…」


「頭がおかしくなるって、たった数時間離れるだけなんだぞ?」


「その数時間だけでも嫌なものは嫌なの!!それにち〜ちゃんは私だけの“専属従者”なんだからそばにいなくちゃいけないの!!」


「ば、ばか!誰かに聞かれたらどうすんだ!!」


耳打ち程度の声量で千翼は遥華のお手伝いを諦めさせようとするが遥華は断固として諦めようとしない

あまりの声量に千翼は萌奈もなたちの様子を確認すると幸いにも二人でお話の真っ最中だったようで千翼達の話は聞かれていないようだ


「…鈴さんに応援を頼無じゃダメか?あの人ならお前も気苦労することもないだろ?」


「私はち〜ちゃんと一緒がいいの!いいもん!清水さんに土下座でもなんでもしてち〜ちゃんの罰をなくしてもらうもん!!」


「ま、待て待て!そんなことお前にさせたと分かったら俺がお前の親父さんに叱られちゃうって!!」


恐らく海に沈められる程度が席の山なのだろうか…

千翼は鼻息荒くして律と交渉しようとする遥華の腰を掴んで止めようとするが遥華は止まらなかった



                            〜つづく〜


今回も読んでいただき誠にありがとうございました!!

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次回もお楽しみに!!

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