第12話 遥華様と千翼君の学校生活 ①

「千翼く〜ん!おっはよ〜!今日もかっこいいね〜」


「ねぇねぇ?今日のお昼なんだけど空いてるかな?私、千翼君のためにお弁当作ってきたの!一緒に食べよ?」


「あっ!ずるいずるい!!私も千翼君の為に朝5時に起きて作ってきたもん!!ねぇ千翼君〜?私と一緒にご飯食べよ?」


“私立星峰学園”


千翼と遥華が通うこの学園は会社の経営者などの子息たちが通う超お金持ちの学園であるが体育系部活にも力を入れている為外部から入学して来る生徒も多く、毎年の競争率は高い


「(む〜!!!!)【クイックイッ…】」


経営者の息子や娘が多い為か生徒は皆プライドが高く学園生活の中でふとした事で争いが勃発するがその争いで最も熾烈なのがやはり“恋愛”である


「ご、ごめんなさい…。今日も僕は遥華さんとご飯食べますから…その…ごめんなさい!!【ダッ!】」


「「「あっ!千翼く〜ん!!!」」」


2年の女子生徒からの誘いを断り千翼は腕にひしっとナマケモノみたいに抱き付いてる遥華の腕を掴んで校舎へ逃げるように走って逃げた

入学して早一ヶ月経ち、容姿もかなり整っており体型も細く鍛えられている千翼は学園での人気はかなり高く、同級生だけでなく上級生から告白された回数は既に10回以上は超えている

その為、昼食に誘われることもほぼ毎日になってきてるがその度に隣にいる遥華の機嫌が悪くなり横から「私がいるでしょ?」と警告サインを出してくる為、誘いも全て断ってしまっている


「はぁ〜。だから学校って来たく無いのよね…。ち〜ちゃんにとってはここは天国かもしれないけど〜?」


「別に天国なんて思ってね〜よ…」


「嘘ばっかり。さっきの先輩達に絡まれている時のち〜ちゃん困ってはいても嫌そうにはしてなかったもん」


「そりゃ…時間を割いてわざわざ誘ってきてくれてるのにそんな人達を邪険にするのは流石に可哀想だろ?普通の対応だよ。普通の」


校舎の廊下を二人で歩いている時も遥華は千翼から一向に離れようとはせずひしっとくっついたまま千翼に文句をぶつけていた

千翼と二人きりの時の遥華はかなり饒舌になるのだがこれに第三者が介入してしまうと打って変わって何も話せなくなってしまう


「なぁ…?少しは俺以外の人とも話そうとはならないか?いきなりクラスの陽キャの人と友達になれっていうのは酷だけど大人しそうな杉山さんとかさ…」


「へぇ〜?ち〜ちゃんってああいう大人しそうな子が好みなんだ〜。」


「何でそうなるんだよ!?俺はただお前と杉山さんだったら波長が合って仲良くなれるんじゃないかって…」


「確かにあの子いつも本読んだりしてクラスメートと話したりしないからクラスでも影薄いけど結構可愛いし、おっぱいもおっきいもんね〜。そっかぁ…ち〜ちゃんはあの子と仲良くなりたいからまず外堀を埋めるために私と杉山さんを仲良くさせたいんだね?」


「だからそんなこと思ってないから!!」


ほんの少しの親切心が飛んだ嫉妬心を呼び覚ましてしまったらしい

その証拠に千翼の二の腕付近からは皮膚が捻れるような痛みが走ってきている かなり痛い

ただ摘むよりも捻りながら摘んでくるので遥華の腕力でもなかなかなものその攻撃力はで1,5倍となっていた


「と、とにかく俺を抜きにして少しは人に触れようとしてみろよ?折角の高校生活なんだから隅っこで地味〜にしててもつまらないぞ?」


「そうだね〜。だからち〜ちゃんのスマホの通知はいろんな女の子達から凄いくるんだもんね〜?」


諭そうとしたがかえって遥華から睨まれてしまった

しかもそれが事実であるから尚タチが悪いのであった


「いや…別にクラスの男子からも来るから一概に女子ばかりってわけじゃ無いんだが…」


「ほのか先輩に舞先輩。梨帆先輩に沙也香先輩。香織ちゃんに彩花ちゃんに理香ちゃんに愛香ちゃん。それから〜…」


「あ、あの…私が悪かったのでもう許してはくれませんか?」


                            〜つづく〜



今回も読んでいただき誠にありがとうございました!!

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よろしくお願いいたします!

次回もお楽しみに!!

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