No.07:美少女3トップ
「浩介、何でそんな面白いこと黙ってたんだよー」
「面白くねぇ!」
翌朝、駅から学校へ向かう途中。
後ろから追いついてきた慎吾が、昨日の事を早速からかってきた。
「いやー、でもあの他人に興味がなかった浩介がねー。俺も感慨深いよ」
………………………………………………………………
昨日の昼休みにエンカウントした3人の女子生徒……彼女たちこそが、我が校の美少女3トップだったらしい。
俺が助けた美少女は、
その優美さ・色の白さから「雪姫」という二つ名で呼ばれているらしい。
容姿端麗で性格もいいので、男女問わず人気者だそうだ。
ちなみに高校に入ってから30人以上の男子が告白し、全員見事に玉砕中。
連続玉砕記録がどこまで続くのかが目下の関心の的とのことだ。
俺とLimeを交換した小柄な巨乳ツインテールは、
クリッとした猫目とツインテールがトレードマーク。
社交的で童顔巨乳。推定GかHカップ。
小悪魔的なキャラが一部男子の間で狂信的な人気を誇っているらしい。
二つ名が「違法巨乳ロリ」。
「違法って……何が違法なんだ?」
「18歳未満だからじゃないかな?」
あーそういう……「18歳以上ですか? → いいえ → Yahoo Japan」みたいなあれだな。
因みに「いいえ」の3文字でググると、検索順位上位にYahoo Japanが表示される。
理由は「いいえ」の文字列からのリンクが一番多いサイトだから。
これ豆知識。
「キャラ濃すぎねーか?」
「まあそれを含めての人気だからね」
昨日の騒動の後、山野からはLimeで「よろしくね♡」という猫のスタンプが送られてきたので、「あ、はい」とだけ返しておいた。
因みに俺のLimeで、JKの友だち第1号である。
そしてもう一人のゆるふわ系美人は、
ダークブラウンのウェーブヘア、スレンダーな体躯に少しタレ目気味のアイラインは、「隣の優しいお姉さん」的な印象だ。
美少女3トップの中で、1年生からの人気が一番高いのは彼女らしい。
「それにしても浩介が助けた相手が、よりによってあの雪姫とはねー」
「俺が一番びっくりしてるよ」
「でもなかなか出来ることじゃないよ。チャラ男3人組の中から、お姫様の手を引いて救出するなんてさー」
「総合的に考えて、あーするのがベストな選択肢だった、というだけだ。それ以上の深い意味はない」
なぜ慎吾がこんなに話を詳しく知っているのか。
俺もびっくりしたのだが、夏休みからつき合い始めた彼女というのが、あのゆるふわ系美人の竜泉寺らしい。
慎吾のやつ、射止めた彼女が美少女3トップのうちの一人とは……とりあえず爆発してほしい。
あの美少女3人は友達で、よく遊んだりする仲らしい。
それで情報が筒抜けになっている。
「でもあの後、雪姫は大変だったらしいよ。自分のことを助けてくれた誰かさんを、もう必死で探してたんだって。もー罪だねー」
このっこのっ、と軽い肘打ちを食らわしてくる慎吾が、鬱陶しすぎる。
「だ・か・ら!彼女のために助けたわけじゃない。あのままほっといたら、気になって寝つきが悪くなるだろ。俺自身のために、勝手にやっただけだ」
まったく、過剰評価もいいところだ。
「でも向こうは、そうは思ってないみたいだよー」
「知らんし」
そんなこと言ってー、としつこく絡んでくる慎吾を適当にあしらいながら、俺たちは早足で学校へ向かった。
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