第9話 2回目のロジックバトル!
俺は再びクイズに挑むことになった。
さっきの問題はあまりにも簡単すぎて、拍子抜けだったが、今回はそうとは限らない。エルラのことだ。1問目はサービス問題♪とか言って、2問目から急に問題が難しくなるっていうパターンの可能性が高い。今回は間違えるかもしれない……。
そう考えると、俺は再び不安な気持ちが復活した。さっきまでの普通の心はもうどこかへ行ってしまったのか?人間というのは、心の中身がころころ変わるような弱い生物だというのか!?
「やっほー!エルラだよ♪」
「また来やがったか。まあ視界が異空間に飛ばされた時点で、お前が来ることは予想はしていたがな」
「どうやら、速くもこのクイズゲームに慣れてきたみたいだね♪」
「勘違いするな。俺は生きるのに必死なだけだ」
それとなくかっこいいセリフを言ってしまった気がする。一般人にこのセリフをきかせたら、笑われるどころか、バカにされてもおかしくないレベルだ。
だが俺は、生きるのに必死なのは間違いない。そのためには1問のミスさえ避けなければならない!
俺は覚悟を決め、クイズに挑むことにした。
「それじゃあ、そろそろクイズを始めようか!」
「ああ」
「それじゃあ、今日の2問目の問題!」
「方角の問題だよ。北の反対は何でしょう!」
「……南」
「正解!またまた当たったね♪」
「それじゃあ!僕はこれで失礼するよ♪」
そう言うと、エルラは去っていき、いつもの風景に戻った。
やはり……このクイズは簡単すぎる!
一体なぜだ!なぜこんなに簡単な問題を出し続ける!こんな幼稚園児でもわかる問題を出し続けることに、何の意味があるというのだ!
問題に正解し、死ぬリスクを回避できた喜びと同時に、エルラの目的がわからないことに、とても怖くなってきた。
エルラは一体どういう基準で、問題を選んでいるのだろうか?ただ誰でもわかる問題を出し続けて、クイズに挑んでいる俺を正解させ続けることが目的なのか?……いやそんな訳はないはずだ!
あれこれ考えたいことはあるが、今は体育の途中である。
俺はその後走り続けて、その後の球技測定も頑張った。
そして体育が終わり、昼休憩となった。
いつものように、俺と草道と小泉の3人で、購買に行く。
それぞれ食べたい物を買い、自分の席に座る。
さて……俺はさっきまでの2回の謎のクイズを、この2人に相談してみた方がいいだろうか……?もしかしたら、何か知っているのかもしれない。
だが、俺は言うのが怖かった。もしかしたらこの事を言ったことによって、俺のことが気味悪がられ、友達を辞められることになるかもしれない。それどころか……いじめられるかもしれない!
……結局俺は2人に相談することができず、会話はいつも通りの内容で終わってしまった。
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