第5話 明日から来る突然死に恐怖消えず

家に着き、扉を開けた。


「ただいま~」


「お兄ちゃんおかえり!」


妹が玄関までやってきた。

妹の名前は、「大井 瑛子えいこ」中学2年生で、家事は全て妹が行っている。父母は、夜遅くまで仕事をしており、休日以外は基本的に会うことはできない。そして俺が家事を手伝うこともある。が……料理は全然できないし、できることは掃除ぐらいだ。


「お兄ちゃんご飯何時に食べる~?」


「18時」


「了解♪」


ちなみに俺が家に着くのは、大体16時。学校が終わるのが15時40分だ。通学は20分ぐらいだな。これが近い方なのかは、俺にはよくわからない。


……いやそんなことは今はどうでもいい!それよりもっと重大なことがある。

あのエルラとかいう姿の見えない奴!そいつのことが頭から離れられなかった。


自室に入ると、すぐに今日のことを振り返る。


「俺はこれから、毎日突然死に怯えて生活していかないといけないのか……」


そう考えると、とても息苦しくなってきた。なんで俺なんかがこんな目に遭っているんだろうか?俺はエルラっていうやつに恨まれて、こういうことをされたのだろうか?


「1日3回のクイズ……答えられるのだろうか?」


俺は正直勉強はできる方ではない。そして俺の友達である、草道、小泉もあまりできない。頼りたくはないが、あの小畑にお願いして勉強を教えてもらうしかないのか?

俺なんかが頼んだ所で、引き受けてくれるのか?


「外傷もなしに死ぬ……か」


本当にそんなことが可能なのか?俺はどう考えてもできないんじゃないかと思う。だがあのエルラとかいうやつ、機械っぽいが、嘘をついているようには見えない。つまり本当に何らかの方法で殺すことが可能なんだろう。


では一体どうすればそんな事ができるのか?いくら考えても、俺の中で答えを見つけることはできなかった。これについては、俺が実際に死ぬときじゃないとわからないのかもな。


「死ぬのは周りにも見られる……」


いや……これに関してはむしろラッキー!と捉えるべきか?もしもだ、俺と同じような状況にあった人が、クイズに3問連続間違えて死んだとする。超低確率でその人が死ぬ瞬間を見ることができれば!何かわかるかもしれない!


……だがこれは、あくまで俺と同じ状況にあった人がいれば、の話だ。もしかしたら俺だけこんな目にあっているのかもしれない。だとしたらなぜ俺なんだ?俺じゃなければならない理由があるのか?


あれこれ考えてみたが、これ以上気にしない方がいいのかもしれない……。

そう考えた俺は、考えるのをやめ、明日の準備を行うことにした。


そして18時になり、


「お兄ちゃんご飯できたよ~」


瑛子がご飯の時間を知らせる。俺は夕食をに食卓へと向かった。

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